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INTERVIEW

トップインタビュー【master+mind presents】中島卓偉×団長(NoGoD)【完全版/前半】(web Rooftop2017年9月号)

団長が憧れ続けた中島卓偉との対バンがついに決定!
9月22日の新宿LOFTで初共演となる中島卓偉×NoGoDのライブは見逃せない!!

2017.09.15

滲む場所

——団長さんは、バンドはいつから始めたんですか?

団長:NoGoD自体は2005年から始めてます。

——ラジオを聴いていた時は、まだバンドは始めてない時ですか?

団長:やってないですね。音楽を漠然とやりたいなくらいで、何をしたいかも別にないし、何となく歌うのは好きで人前に出るのも好きだけど、何か伝えたいことがあるかって言ったら別にっていうくらいの感じだったのを、そのラジオがきっかけで変えてもらいましたね。

卓偉:2005年の結成時は何歳くらいだったんですか?

団長:20歳です。

卓偉:じゃあバンドは結成して何年目なんですか?

団長:12年です。

卓偉:12年、すごいことですよ。

団長:その前の学生の頃からやってたメタル・バンドは、方向性の違いとかですぐに解散しちゃったんで2年くらいなんですよ。やっぱり化粧をする、しないってのもすごくあったし。卓偉さんが昔バンドをやられてた時は、いわゆるソフト・ヴィジュアル系みたいな括りにいたじゃないですか。

卓偉:そう言われたりもするけど、人が集まるから池袋CYBERに出てただけなんだよね。基本はグラム・ロックのZIGGYとかTHE YELLOW MONKEYとかの方向のメイクでやってたんだけどね。

団長:いつからか、化粧をしていると全部ヴィジュアル系って言われる時代になってましたよね。

卓偉:そうだよね。最初にコロムビアに入った時に、THE YELLOW MONKEYもヴィジュアル系の括りにされて、すっごく揉めたって聞いたし。やっぱりメイクは濃いじゃない?

団長:特に初期は濃かったですね。

卓偉:俺も、「ZIGGYが好きです」って言ったら、「化粧系が好きなの?」って話になっちゃうんだよね。

団長:そういうことじゃないんですよね。

卓偉:そうそう。でも俺も当時一つだけ割り切っていたことは、新宿LOFTには出れなかったですけど、近くのアシベさん(新宿アシベホール)とかに出ててもお客さんが入らないんですよ。そういう時にヴィジュアル系で人気がある箱に出た方が人がいるんだよね。それで無理くり池袋CYBERに出て、そのパンフレットに載るとそういうバンドだって思われるじゃないですか。だからそこはもう、しょうがなかったですね。

団長:全く一緒で、俺も白塗りをした理由がGASTUNKさんとか、人間椅子とか、DOOMとか、ジャパニーズ・ハードコアとかが好きだったので、要は社会への反抗とかシーンへのカウンターで。

卓偉:っていう意味のメイクだよね。分かるよ。

団長:そうだったんですよ、自分は。で、白塗りして、いつも出ているメタル箱に行ったら、「君たちは、もう化粧をしたからヴィジュアル系だから、うちの箱はいいよ」ってなって。かといってヴィジュアル系の最前線の箱に行ったら、「君たち、ヴィジュアル系をバカにしてるの?」って言われて出れなくて。当時、新宿LOFTさんは我々の世代じゃあステージを踏むなんて出来なくて、それこそ池袋CYBERみたいな何でも受け入れるようなところで…。

卓偉:そうそう、池袋CYBERのいいところを一つ言うと、何でも受け入れてるところがあったよね。

団長:そうですね、ごった煮になってましたよね。

卓偉:で、人がいたっていうね。僕も最初にNoGoDさんの写真を見て、曲を聴かせてもらった時にすごく思ったのは、自分との共通点って言ったらおこがましいですけど、音だけ聴けば、ゴリゴリのメタルの人が本気でやってるっていうのが分かるクオリティで、演奏力もあるし。そこに写真で見るとメイクをしてるってことかもしれないけど、それすらも本気でやってるんだよっていうことじゃないですか。もっと昔で言うとKISSなんてね、曲調はスリーコードのロックンロール・バンドで、メイクだけ見るとものすごく悪魔的でハードコア以上に激しいバンドかなって思うけど、曲を聴いたら超ポップだ、みたいなギャップ感があるわけじゃないですか。もっと言うと、例えばBUCK-TICKさんもヴィジュアル系って言わないと思うんですよね。やっぱりニュー・ウェーブだと思うし、僕もパンクから入ってるけど、3大パンク・バンドに、THE CLASH、SEX PISTOLS、THE DAMNEDがいて、THE DAMNEDなんて化粧バンドですよ。で、やっぱりハードコアにすごく人気があって、GASTUNKさんはTHE DAMNEDに絶対影響を受けてると思うんですよね。

団長:受けてますよ、絶対。

卓偉:で、そういう流れでもってやっていたのに、90年代の半ばか終わりくらいに、化粧をすれば全部ヴィジュアル系、黒っぽいファッションに身を包めばヴィジュアル系っていう風になった時代があって。お客さんもそういう線引きが分からないというか。まあ元々線引きする必要もないことなのかもしれないですけどね。そういう時代の中でNoGoDさんが貫いてることは音として伝わってきたので、すごく嬉しかったですけどね。

団長:曲げちゃいけないところだったんですよね。エンターテイメントとして生き続けなきゃって。俺が憧れたロック・スターっていうのは、化粧をする、しない、薄くなるどうこうじゃなくて、やっぱり存在として貫いてたじゃないですか。

卓偉:うんうん、そうだよね。

団長:化粧をしなくてもサングラスを掛けてカチッとキメて、卓偉さんみたいに常にシャウトしてる人も多いですし。場所によってころころ変わっちゃうのが、あんまり格好よくないなって思って。

卓偉:分かる分かる。貫くっていうのは、スタイルも一つあるしね。例えば、もう亡くなっちゃいましたけど、デヴィッド・ボウイは時代に合わせてスタイルを変えたんじゃなくて、自分が今こう思うってものをただ提示してあのスタイルになっただけだと思うんですよね。やっぱりジャンルに括れない場所にいたと思うし。日本人ってどうしても区切りたがるじゃないですか。日本のレコード屋はものすごくジャンルが区分けされてるけど、海外に行くと4つくらいしかないんですよね。ロック、レゲエ、クラシック、ブラックくらいしか。あとテクノかな。っていう分かれ方の中で、日本人はすぐ、「これは何? あれはどういうジャンルなの?」ってカテゴライズしたいってところがあるんでしょうけど、よく言ってるんですけど、やっぱり僕は区切る場所の、滲む場所にいるアーティストが一番強いと思ってるんですよ。僕の先輩ですごく尊敬している人でZIGGYの森重樹一さんがいて、片やTRICERATOPSの和田唱さんがいて。和田さんと森重さんは、もしかするとイコールではないかもしれないけど、僕が真ん中に立てばイコールになる自信はあるんですよ。どっちにも繋がるっていうね。

団長:確かに。

卓偉:で、僕はメタルは聴いてないかもしれないけれども、NoGoDとはイコールになる部分があると思うんですよね。NoGoDの先にもう一つのメタル・バンドがいても、団長さんがいてくれることによって、イコールになることもあると思うんですよ。ということは、やっぱり滲む場所に立ってる人の重要さっていうのが、ものすごく意味があると思っていて。化粧をしてればヴィジュアル系とか、タトゥーを入れてればハードコアなのかとか、ヘヴィ・ロックをやってるにはこういうギターを持ってなきゃダメとかあったんでしょうけど。そういうのがもっとなくなっていけばいいなって思うし、一番はそれがなくなった理由として、滲む場所にいる人が頑張ったからだっていうのがあると思うんですよね。今も気分によってはすごくキツくアイライナーを引いてライブをやる日もあれば、この前の8月3日のLUNKHEADさんのLOFTでのライブみたいにノーメイクでやる時もありますし、気持ちが音楽とリンクしてれば全然いいなって思いますね。

団長:滲む場所っていうのが、すごくしっくりきましたね。

卓偉:NoGoDは滲む場所に立ってると思うよ。

団長:そうだと思います。お客さんからすると、分かりづらいっていう風にとられるのかもしれないんですけど、1回飛び込んだら分かってくれるんですよね。うちの場合は見た目上、卓偉さんよりも遥かに誤解を受け易いというか(笑)。

卓偉:写真だけだとそうかもしれないけど、音楽はそうじゃないよ。

団長:これだけ写真から先に行き易い時代にみんなが行かないっていうことは、よっぽど写真が…。もっとPhotoshopをかけるべきだったかなって(笑)。

一同:(笑)

 

団長ピン.JPG

 

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LIVE INFOライブ情報

master+mind 〜Sense of Pulse #18〜

2017年09月22日(金)新宿LOFT

OPEN 18:15 / START 19:00

前売り 4500円 / 当日 5000円(共にドリンク代500円別)

※未就学児童入場不可

【出演】

中島卓偉 / NoGoD(50音順表記)

【前売りチケット発売中!!】

・ e+一般(Bチケット)

・ LOFT店頭(Bチケット)

・ ローソン(Cチケット/L:74462)

【入場順】

1. Aチケット(e+プレオーダー/受付終了)

2. Bチケット(e+一般・LOFT店頭)の並列

3. Cチケット(ローソン)

【主催・企画・制作】

新宿LOFT / master+mind

【お問い合わせ】

新宿LOFT 03-5272-0382

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