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【master+mind presents】中島卓偉×団長(NoGoD)【完全版/前半】(web Rooftop2017年9月号)

貫くことの大切さ

卓偉:でもそのままでいくっていうギャップ感がいいと思うけどね。僕はメタルは通ってないけれども、NoGoDとマシンガンズ(SEX MACHINEGUNS)は好きなんだよね。だって、本気でやってるじゃないですか。ANCHANGさん(Vo)に自分のラジオに出演してもらったことがあるんですけれども、格好から何からあそこまで本気でMETALLICAのジェイムズ(Vo/Gt)だって言えることがね。あとコミックの域を超えたとこまで、本気でパフォーマンスをするじゃないですか。僕もそれに巻き込まれた内の1人だと思うし、それが例え苦手でも、マシンガンズはOKになるっていう凄さって言うんですかね。さらに上の段階にいくためには、やり切ってないと。KISSもあのメイクでやり切ってるから格好いいんであって、NoGoDもそうだと思いますね。

団長:卓偉さんがマシンガンズと自分たちを一緒だと言ってくれたのが、すげー嬉しいです。

卓偉:本当? 語弊があったら申し訳ないんだけど。

団長:俺の日本3大大好きボーカリストが、卓偉さん、ANCHANGさん、そして冠さん(冠徹弥/THE冠のVo)で、やり切ってる方が好きなんですよ。メタルの方が多めではあるんですけど、全くジャンルが違うけど同じくらいやり切ってるのは、やっぱり卓偉さんだなって当時から思っていて。

卓偉:嬉しいな。しっかり音楽を聴いてみれば分かる話なんですけどね。でも見た目が大事だとか、ライブのパフォーマンスのあり方が大事だとか、いろいろ言う人もいるんでしょうけど、貫いてなかったら12年もバンドは続かないですよ。不完全燃焼で解散に至るか、ファンがもっと理解しないまま終わってしまうかってことがあるじゃないですか。

団長:そうですよね。常に毎年燃焼していたいですね。毎年新しい燃料を投下して、いろんな色の炎を出し続けてはいたいです。生きている限りくすぶりたくはないですね。

卓偉:いや、NoGoDはポストが今までなかったところに絶対収まってるから。もちろん変わり続けることも大事だけど、擦り切るまでやり続けることによって、どんどん掘り下げていって、NoGoDっていう名のブランドにね。今ももう出来てると思うし。そのまんま60歳、70歳まで絶対にいけるジャンルだと思いますよ。

団長:やっぱり60、70歳まで、今の音楽をやり続けたいですね。でもロックンロールよりもヘヴィメタルの方が体力的にしんどいんですよ。

卓偉:しんどいよね。首振るしね(笑)。

団長:(笑)ドラムとボーカルは、ちょっとしんどいんですけど、やっぱり歳を取ってもやっていたい音楽を今もやっていたいので。その時その時のムーブメントに合わせて、この時はこれがウケるからとかでやるのが、すごくナンセンスだなって思っていて。この時に自分がやりたいことが、たまたまそれと一致していたらいいんですけど、後追いで追っているあのダサさがすごく嫌で。俺は、10年、12年前の曲を60歳までやれる自信がありますし。

卓偉:いいね。それくらい真面目に作ってらっしゃるからですよ。アーティストって、よく古い曲をやらなくなったりする人が多いじゃない?

団長:いますね!

卓偉:僕は絶対にやるんですよね。やらなくなる曲なんてなくて。どうしてもファンに人気あるかないかで、人気がない曲をやらなくなることはあっても、歌って欲しいって言われれば歌う。でもそういうスタンスがない人って、多分その当時に真面目に作ってないと思うんだよね。変わり続けることは大事で、変わって今はその場所に自分がいないから歌えないっていうのは、僕は絶対に言いわけだと思ってて。いいバンドとか、いいアーティストって、自分がやってきたものに誇りを持ってるし、気に入らなかったら出す必要はなかったっていうところじゃないですか、やっぱり。

団長:卓偉さんが初期の頃に出した『トライアングル』(1999年)や『ギャンブルーレット』(2000年)の曲を、俺も当時はもうやらないものだと思ってたんですよ。

卓偉:いやいや、全然やってるんだよ。逆にやらなくなった時はないよ。

団長:そうなんですよ。やってるんですよ。『ピアス』(2001年)くらいから少しイメージを変えられたと感じてて、ちょっと骨太にさらに進化された時期があったと思うんですよね。だから過去の化粧をしていた時のイメージを消したいのかなって、勝手にファンは思ってたんですね。でも普通にセットリストでガンガン入れるから、「この人って、何にもブレてないんだな!」って思って。

卓偉:基本的にファンっていうのは、側を見るんでね。「こうしたいのかな」とかって結構勘ぐるとこがあるんですけど、僕個人の意見で言うと、実をいうと人生の中でやりたいことはほぼ決まってるんですよ。1枚の絵を描いてるつもりで、順番通りに描いてないだけなんだよね。絵ってまずはデッサンがあって、色を付けて、油絵だったら足していくってことがあるじゃないですか。最終的に絵が完成して下にサインを描けば、もうそれ以上は色は足さないっていう絵の描き方として、僕は最後の死ぬ時にサインを描けばいいと思ってて。ただ大きい絵だと思っていて。右端に飛んだり、左端に飛んだり、急に色付けをやめてもう1回デッサンに戻ったりっていうのを、ただやってるだけなんですよね。順番通りにやっていって完成する絵なんてないと思ってるんですよ。だから「こうしたいのかな」ってファンが思うことも全然自分にはなくて、結構フラットなんだよね。思う人は思うでしょうし、言う人は言うでしょうから、あんまりそこは気にせずにやるってところもあるんですけどね。

団長:やっぱり格好いいな! お会いしてお話しすると、10代の自分に戻れるってすごいなって。そういう人がまだ世の中にいるってことが、やっぱり嬉しくて。

卓偉:僕も分かりますよ。森重さんは53歳になっても今もキーも下げずに元気でやられてて、ここまでいけなきゃダメだなって、やっぱり思いますし。氷室(京介)さんもライブを辞めてしまったじゃないですか。音源は作るとは言ってくれてたけど、あれだけ心が決まった引退も素晴らしいことだとは思うんですけど、やっぱり当時のLOFTから見ていたBOØWYのファンからすると相当寂しいことだと思うんですよね。やっぱりやり続けないといけないなって思うんですよね。

団長:確かに。

——この対談を読んだお客さんは、お2人のやり続けていくという強い意志を感じることが出来て、嬉しく思ってるんじゃないですかね。

卓偉:そうだと良いですね。

 

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“とげ”を抜くこと

団長:自分たちは割としっかりヴィジュアル系という業界にもお世話になっているんですけど、この業界は3年保てばいい方っていうバンドさんやアーティストさんが多くて、やっぱり続かないですね。続けている人間の数が、毎年減ってはきちゃってますね。

卓偉:そうなんだ。でも僕は、ヴィジュアル系はむしろ尊敬していて。ヴィジュアル系のスタンスというか、よくライブをやるじゃないですか。

団長:やりますね。

卓偉:ライブを軸として常に考えていて、メイクとか装いとか、ライブのパフォーマンスのお決まりというか、ああいうものが好きな人で集まってそれを貫き通すっていうのは、すごく格好いいことだと思うんですけど、音楽的なところをしっかり押さえてヴィジュアル系をしていかないと、続かないジャンルなのかなとは思いますけどね。

団長:ヴィジュアル系って、フォーマットをなぞったバンドが増えすぎちゃっていて。何で化粧をするのか、そもそも何で音楽を始めたのか、何でステージで表現するのかっていう根本がすっぽり抜けちゃってるんですよ。それこそ側だけなんですよね。

卓偉:でもヘヴィ・ロックのバンドもやっぱりそうだと思う。フォーマットで曲を書いてるんだよ。

団長:そうなんですよ。ブレイクダウンがあってとか。リフとかフレーズも、決まりきったこれがウケるっていうものをやった時点でそいつの音は死ぬんじゃないかなって、俺は思っていて。

卓偉:それでもいいんだけど、その先にある新しいものを開拓するような曲作りとか、ライブの在り方を作っていかないと長くは続けられないと思うんだよね。だから僕はどんだけファンを減らしても変わることばっかり考えてましたね。結局はファンが望むものって、大体分かってるんです。言い方は悪いんですけど、これをやっておけば、この曲を並べておけば喜んでくれるんだろうなっていうのがあるじゃない?

団長:あります。

卓偉:でもそればっかりやっていると、自分も不完全燃焼だし、結局はお客さんも減るんですよね。

団長:でも卓偉さんは、『RE-SET』(2003年)以降からちょっと変えたのを、ファン目線で勝手に俺は感じてました。『RE-SET』以降の『VIVAROCK』(2004年)くらいから少しづつ、よりロックンロールなスタイルとか、ポップエッセンスが増えてきて、『CHUNKY GOD POP』(2002年)や『SWANKY GOD POP』(2003年)くらいまでのとげの出し方を変えたんですよね。

卓偉:今ね、とげっていういい言葉を言わしてもらうとね、当然若い時って尖ってるじゃない。

団長:尖ってますね。

卓偉:今年39歳になるんですけど、ふと変わり始めようって思ったタイミングで自分がいつも考えるのが、とげだったんですよ。今でこそもう18年もやってこれていろんな人に出会うんだけど、当時出会わなかった18年、20年続けているような人たちに、今頃出会うんですよね。デビューして2、3年とか、10年とかの時って出会うことがまずなくて。音楽だけでなく違うジャンルでも、「同い歳なんですね」とか「20年もやってるんですか。同世代じゃないですか」っていう人たちに、今頃出会うことがあって、そういう人たちと何回かしゃべると、とにかく変革を求めてやってきてるんですよね。求める人が何を言おうとね。変わろうとした時に何が必要かっていうと、やっぱりとげを何本も抜くことだと思うのね。分かりやすいのが、パンクスってスパンキーヘアをするじゃないですか。自分が尖るからそうしたいわけじゃないですか。道を歩いている時によーく見ると、埃とか糸くずが付いてるんですよ。それが付いてるよって言われると、「てめー、バカにしてんのか!」って言って、またよっぽど尖るんですよ。でも丸い人、とげがない人って、埃も糸くずも付かないんですよ。よっぽどそっちの方がたちが悪いんですよ。とげがない人の方が不良なんですよね。サラッとしてるからいくらでもかわせるし、掴もうと思っても掴めないし。とげがある人の方が掴みやすいし、バカにもされやすいと言うか。だから結局は、自分の中にあるとげを取れた人の方が、一貫してるし不良だし。今、たちが悪いって言ったのは褒め言葉なんですけども、説得力と存在感の強さっていうのは、丸い人の方が強くて、丸くなることを落ち着いたと世間は思うんですけど、全然そんなことはなくて、僕はとげがない人の方が、言い方を変えると尖ってるっていう感覚なんですよね。だから僕が若かった頃に、もっと不良になるために、武器を持たない奴の方が喧嘩が強いっていうのと一緒で、武器を減らしていくこと、音楽ジャンルの音数を減らしていくことも一緒だよね。そういうことを考えて活動してきた部分があるから。今日パッと話して、4〜5年前の団長より今日の団長さんの方が、とげが抜けてていいよ。

団長:本当ですか!?

卓偉:初めて会った時はもうちょっと構えてたのかもしれないけれども、刺々しい人って、若さかもしれない。25歳まではOKなんだけど、尖り方を変えないとね。

団長:歌詞を読んでいて思うんですけど、卓偉さんのとげの抜け方って、昔は文学的に尖るってことをされてたのが、今の卓偉さんは言葉の伝え方と文字の置き方が、すごいストレートなんですよ。

卓偉:ああ、そうだね。

団長:昔は難しい言葉を使われてて、「ICUって何だろう」とか、それこそ「『Who moved my cheese?(チーズはどこへ消えた?)』って何だろうな」って思って、この人は、本を読んでいて哲学的で頭がいいな、進んでるな、尖ってるなって思ってたのが、今はもう小学生でも分かるような言葉で。

卓偉:もう書かないね。そこにはいかなくなっちゃうんだよね。

団長:でもそれって、やりそうで、できないことですよね。俺も最近やっとできるようになったかなくらいで、若い頃って、包み隠さない言葉で伝えることが恥ずかしかったんですよね。こんなおっ広げな言葉を伝えすぎちゃったら、見透かされてるみたいで恥ずかしいなって。

卓偉:恥ずかしいって思ってるうちは、多分書かなくていいんだと思うんだよね。出したくなる時とか、自分の中でもこんなのが生まれてきてるんだなっていう感覚を感じた時に書けばいいっていうか。僕もそこまでいくのに、すごくすごく時間が掛かったし。自然の成り行きでいいと思うんですけどね。

団長:『ひとりになることが怖かった』を聴いた時に、「あー、この人、殻が剥けた!!」って、当時はファン心理で勝手に思ってて(笑)。今までずっと自分の弱さを強さに変えて吐き出していた人が、あの曲を聴いて、「自分の弱さを開けた!」って思った時に、「うわっ、格好いい!!」って思って。

卓偉:いや〜、嬉しいね。多分2005年くらいだったと思うんですけど、この曲をリリースしたいって時に揉めに揉めてさ。大人もやっぱり賛同はしてくれなかったし。リリースしてからも賛否両論だったし。ラブ・ソングでもないしね。でも団長さんみたいな人が、そういう風に受け止めてくれた人が1人でもいたっていう事実の方が、今すごく嬉しいし、そこからずっと僕はあの曲を歌い続けていて、今もライブでやってるんだよね。6月までやっていたツアーでも必ずセットリストに入れてたけど、『ひとりになることが怖かった』を歌う中島卓偉が好きだと、今頃ですよ、そう言ってもらえるようになったのは。24、25歳で歌っていた歌を40歳手前にもなって歌ってて、今の中島卓偉で歌うから好きだと言ってくれるファンもいてくれて。そう考えると、諦めずに、評判とかっていうことを振り払って、大人がどうこういうことを振り払ってでも歌い続けたことに意味があったなって思うから。大勢の人にいいって言われるより、今団長さんにその当時の話と、今も自分が歌っている事実を自分で噛み締める方が嬉しいよね。団長さんの下の世代にもさ、NoGoDを聴いてこうなんですよっていう人がいっぱいいると思うけど、それと同じように継承していく文化があると、歌は特に歌詞も、ライブもいいと思うんですけどね。

 

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Live info.

master+mind 〜Sense of Pulse #18〜

2017年09月22日(金)新宿LOFT

OPEN 18:15 / START 19:00

前売り 4500円 / 当日 5000円(共にドリンク代500円別)

※未就学児童入場不可

【出演】

中島卓偉 / NoGoD(50音順表記)

【前売りチケット発売中!!】

・ e+一般(Bチケット)

・ LOFT店頭(Bチケット)

・ ローソン(Cチケット/L:74462)

【入場順】

1. Aチケット(e+プレオーダー/受付終了)

2. Bチケット(e+一般・LOFT店頭)の並列

3. Cチケット(ローソン)

【主催・企画・制作】

新宿LOFT / master+mind

【お問い合わせ】

新宿LOFT 03-5272-0382