妖怪も様変わりしているんです
――そこはプロの技ですね。さらにストーリーや妖怪要素・アクションもそうですが、可愛いキャラクターたちのサービスシーンもいいですよね。
ふなつ:ありがとうございます。本来、妖怪はエロばっかりですから。
――本当にそうですよね。だから『モンスガ』を読んで、さすが、わかってるって思いました。
ふなつ:逆に純粋に人を襲うような妖怪は少ないんです。そういうのを探す方が大変でした。
――そうかもしれないですね。
ふなつ:でも、妖怪も様変わりしているんです。
――どういうことですか。
ふなつ:『モンスガ』の構想を練っている頃、当時小学生だった長女に「垢なめって怖いよね」って言われたんです。どういうことだ、風呂の垢を舐めてくれるむしろいい妖怪なはずと思って聞いたら、「お風呂に全然入らない子を舐めたおして、その子を骨だけにしちゃうんだよ」って。僕が知っているものと変わっていたんですよ。それを聞いたときにそういう妖怪にしてもいいんだなって思ったんです。
――古くから伝わるものでも、よく調べると時代と共に変わっているものもありますから、確かにありですね。
ふなつ::そうなんです。砂かけ婆も調べると姿を見た人がいない妖怪なんです。砂かけ婆という名前や水木(しげる)先生の影響でお婆さんのイメージがありますけど。そう考えると多少、好きにしていいのかなと。文献がいろいろあるので、混ぜてしまってもいいんだと思ったんです。
――妖怪はどれが正しいかなんてないですからね。ちなみに、キャラクター設定はどれくらい考えられているんですか。カバーの下では女性キャラクターの誕生日や3サイズ・趣味なども書かれていますが。
ふなつ:細かい部分はコミックのカバー下に掲載するタイミングで考えています。趣味なんかは、スタッフと一緒に考えています。
――楽しそうな仕事場ですね。
ふなつ:楽しいですよ。
――キャラクターのベースは妖怪ですが、人間の姿も取るじゃないですか。誰かをモデルされたりしているんですか。
ふなつ:モデルはいないです。各キャラの元になっている妖怪に沿って作り上げています。例えば、(鈴鳴)ニアは猫又なのでツンデレでスレンダーなキャラになっていて、(糸重)姫瑠依(キルエ)は女郎蜘蛛なので蜘蛛をイメージして上半身は細いけどお尻や太ももを太くしています。(真壁)いちゑは水木先生のぬりかべがデカいイメージなのでその逆にしました。
――そうなんですね。各キャラクターのファッションや髪留めなどの小物も含めて凝っているので、描き込みのスゴさにも目を惹かれます。
ふなつ:キャラクターは意外とそうでもないですよ。背景はスタッフが頑張ってくれています。そこまで描きコ込まなくてもいいとは言ってるんですけどね。
――『モンスガ』は擬音も面白いです。第13怪の「ぱかま-ん」はギリギリだなって思いましたけど(笑)。
ふなつ:実はそのシーンは僕も迷ったんです(笑)。さすがに下品すぎるかなって、まぁいっとけとそのままにしました。
――爆笑しましたよ(笑)。
ふなつ:いいでしょ。「ぱかまーん」と「まぎーん」は広めたいと思っています。
――担当の方の反応はいかがでしたか。
ふなつ:軽く頭を抱えてました(笑)。オノマトペでなにか言われることはないので、こんなの見たことないっていう意味ですけど。
――あ、そっちなんですね(笑)。ほかにも『モンスガ』は各キャラが扉絵でコスプレもしていて、そこも秋葉原的で楽しかったです。
ふなつ:ありがとうございます。許可取りは、ほとんど自分でやったので大変した。
――全部通しているんですか。
ふなつ:ちゃんと通しています。第31怪のカラー扉絵では9キャラそれぞれ違う作品だったので、2ヶ月くらい前からラフを描いて送っていたんですけど、O.K.が出たのがギリギリになった会社もあって大変でしたけどね(笑)。
――こういったコラボは基本、嫌がるところはないですよね。ふなつ先生だとクオリティーも確かなので、お話をいただけた方も嬉しいですよ。
ふなつ:僕も描いていて楽しかったです。
――貴重なお話をたくさんありがとうございます。イベント当日がさらに楽しみになりました。イベント当日は、どういったことをされたいですか。
ふなつ:ざっくばらんに交流会みたいなノリがいいですね。酒を酌み交わしてだべろうぜみたいな感じで。
――ロフトのイベントですからそういう形が一番盛り上がります。
ふなつ:もう、見に来ないで参加しに来てって感じです。僕も当日が楽しみです。