Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE MACKSHOW(Rooftop2016年10月号)

昭和九十一年十月十六日、エキサイトした日比谷伝説が新たに生まれる──!
スピードとスリルあるロックンロールが野音の夜のショウダウン!

2016.10.01

いいロックンロールをやるのが僕らの使命

──『狂騒天国』以降のモードですね。

KOZZY:うん。原点に戻ってまたこの3人で活動して、必要最低限の荷物だけでやっていける形のほうがいまの時代に即してると思って。『狂騒天国』と『スリー・ホット・ミニッツ〜3人はアイドル〜』で身軽に戻れたし、いまやアメリカにだって身軽で行ける。沖縄や北海道へ行くのと同じ感覚でアメリカへ何度も行ってレコーディングしたり、ライブをやれてるからね。いまのマックショウならアメリカに限らず、どこにだって余裕で行けるよ。それがシンプルなロックンロール・バンドの本来の良さであり、役目なんじゃないかと思ってる。そんな意識で作ったのがここ3作のアルバムなんだよね。3人だけでシンプルにやるには強力な楽曲ときちんとした演奏が必要だってことで根詰めてレコーディングしたものの、こんなレベルじゃダメだって一からやり直してさ。それくらいの突き詰めた覚悟がないといけないっていうのは、初期とは全く違うところだよね。

──皆さんほどのキャリアと技量があれば、余興である程度のものはすぐに作れてしまいますしね。

KOZZY:この3人の名前で出せば何でもいいっていう初期みたいなシャレではもはや済まされないし、ちゃんとした責任を持った活動と楽曲作りをして若い連中の見本にならなくちゃいけないと思ってるからね。そんなことを言うガラじゃないのは重々承知の上でさ。若いヤツらの手本になるような活動ができないようじゃ人前に出るべきじゃないと思うし、生半可な気持ちで音楽をやってる地に足がついてないヤツらは自ずと淘汰されていくだろうしね。まぁそうは言っても、こんな歳にもなってこれだけキツい思いをしなくちゃいけないの!? って思うことは正直あるよ。他人から見ればただ遊んでるようにしか見えないだろうけどさ(笑)。

TOMMY:楽しそうにカープを応援してるだけにしか見えないかもしれないよね。カープの応援は実際楽しいけど(笑)。

──二度目の野音の公演プランはもう固まっているんですか。

KOZZY:ステージのセットとか構成がいつもとはちょっと違う程度で、やることはいつもと変わらないね。セットリストは今回のライブ盤と似たようなものになるだろうし、それにフルマックとか+αの要素が入る感じかな。時間の許す限り精一杯のことをやるつもりだけど、やっぱり第二期の集大成みたいなライブにはなるだろうね。それ以降はまたマックショウとして新たな形を模索していく段階になると思う。

──コージーさんの師匠にあたる森山達也さん率いるザ・モッズがマックショウの前日に同じ野音でライブをやるというのも象徴的なことだと思うんですよね。

KOZZY:モッズのほうで野音が2日連続で当たったので、森やんから「1日どうだ?」って誘われてね。僕らは僕らで何年かぶりに野音が当たって、最初は別の日にやる予定だったんだけど、せっかくの師匠からのお誘いだったので日にちを交換してやることにした。違うタイプかもしれないけど、老舗のロック・バンドを2日続けて見るのも面白いんじゃないかな。野音を聖地にした張本人の後にライブをやるプレッシャーはあるけどね(笑)。

──雨の野音、「TWO PUNKS」ですからね。

KOZZY:「野音という伝説の場所でライブをやるのはどんな気分ですか?」なんて訊かれても、僕らとしてはいつも通りにいいロックンロールをやって踊らせて、お客さんに楽しんで帰ってもらうしかないんだよ。それが僕らの使命だし、すべてはそれに向けて生きてるって言うかさ。いまさらカッコつけたところでカッコもつかないし、ただ純粋にいいロックンロールをやるだけ。

TMS_0037.jpgmackshow B.jpg──こうなったらもう、マックショウもカープにならって野音で優勝あるのみですね。

KOZZY:カープみたいに地道にコツコツと鍛錬を重ねて優勝するしかないね。今回の優勝の原動力は黒田(博樹)と新井(貴浩)、それと緒方(孝市)監督というベテラン勢の頑張りだったのが僕らも励みでさ。みんないい歳でいつ野球をやめてもいいはずなのに、わざわざカープみたいな弱小球団一筋で孤軍奮闘するからシビレるんだよ。

──その一途な姿勢はロックンロールにも通じるものですよね。

KOZZY:そう思うし、だからこそシンパシーを感じるね。いまの時代、野球なり音楽なりに情熱を傾けるのは熱いどころか暑苦しいと思われる部分もあるだろうけど、そうやって生きていくのも一つの大事な選択肢だと僕は思う。「情熱を持って生きる」なんて、口にするとダサいけどさ。でも、僕らが見習うべきは黒田や新井みたいに一本気な生き方だからね。

──アスリートと違って、バンドマンには現役を引退するべき年齢の明確な線引きがないからハードですよね。

KOZZY:そうなんだよね。たとえば森山師匠もここ数年はコンディションの不調に悩まされて、ファンに対して思うようなライブを見せられないジレンマがあると思うんだよ。師匠はこれまで何度もピークを体験してきたし、僕なんかはもういつやめてもいいんじゃないですか? とすら思うけど、それでもやっぱり突き動かされる何かがいまだにあるんだよね。理由なき何かがさ。だからどれだけ体が故障してもステージに立とうとする。それは僕らも一緒、って言うとおこがましいけど、待ちわびるお客さんの前に立って演奏しなきゃいけないって気持ちは常にある。まぁ、僕らには師匠みたいなメッセージ性はないけどね。「ツイスト踊れば ロックンロール」なんて唄ってるだけだから(笑)。でも、それこそが僕らの役目だし、その役目をこれからも精一杯果たしたいと思ってるよ。
 


 

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今夜はショウダウン

2016年10月12日(水)発売
SPACE-001/価格:3,700円+税
発売元:株式会社スペースエイジ
LABEL:B.A.D RECORDS UNITED

amazonで購入

【収録内容】
<DISC-1>(スタジオ録音盤)
01. 今夜はShowdown
02. トゥイスティン・ナンバーワン
03. 喜八露留(CAROL)
04. 真っ赤なチェリー
05. あの娘のファラウェイ・アイズ
06. OH! CAROL
07. LONG DISTANCE CALL
<DISC-2>(ライブ・ベスト録音盤)
01. 情熱のロカ・ローラ(S88.4.21 日本青年館)
02. 彼女はフィールグッド(S89.4.13 東京キネマ倶楽部)
03. 狂騒天国(S89.4.13 東京キネマ倶楽部)
04. ノーバディ・ガール(S90.4.12 リキッドルーム)
05. ロックンロール・スルー・ザ・ナイト(S88.4.21 日本青年館)
06. 恋のマジック・ドライヴィン(S88.4.21 日本青年館)
07. 首都高ムーンライト(S88.4.21 日本青年館)
08. いとしのキャンディ・ガール(S88.4.21 日本青年館)
09. あの娘はバタフライ(S90.4.12 リキッドルーム)
10. 消えたサマー・ラブ(S86.12.4 ラフォーレミュージアム原宿)
11. 100メートルの恋(S86.12.4 ラフォーレミュージアム原宿)
12. キャンディー・ゴールド・サンセット〜燃えるサンセット〜(S85.4.7 広島クラブクアトロ)
13. アイスキャンディー・ボーイ(S87.12.9 新宿風林会館)
14. リンカーン・コンチネンタル(S89.4.13 東京キネマ倶楽部)
15. 恋のスピードウェイ(S89.4.13 東京キネマ倶楽部)
16. 2分8秒の恋(S85.4.7 広島クラブクアトロ)
17 熱帯ドライヴ(S86.12.4 ラフォーレミュージアム原宿)
18. 83413(今夜は最高)(S88.4.21 日本青年館)

LIVE INFOライブ情報

ザ・マックショウ全国ツアー『真夏のショウダウン '91』特別公演
今夜はショウダウン イン 日比谷野音

昭和91年(2016年)10月16日(日)日比谷野外音楽堂
開場 16:00/開演 17:00
前売 5,500円/当日 6,000円(小学生以下無料・中学生以下2,000円)
プレイガイド:チケットぴあ/ローソンチケット/イープラス
チケット販売協力:
《北海道》札幌・PIGSTY(011-868-8658)/札幌・RANSKY(011-688-5161)
《東北》宮城・A DAY(022-723-8302  20:00以降)/福島・ヒローズファクトリー(024-545-8644)/Magical Rocket(024-502-5455)
《関東甲信越》新潟・sexycat(025-222-3830)
《関東》原宿カウンターアクション(03-3423-8227)/足利ミラクルウーマン(0284-41-6647)/熊谷ガレージパラダイス(050-1130-1950)/千葉・SODA POP(047-326-5999)
《東海》CREAM SODA静岡(054-272-7585)/三重・LIVE&CAFE HERO'S(0594-41-5060)/愛知・JBムッシュ(052-823-1933)/JRoyal Master Dress Cafe(0564-21-1770)
《関西》和歌山・K-PLACE(073-482-3123)
《四国》高知・BLUE SKY(088-848-0225)
《中国》広島・GALLERY SPACE 5.15(0829-30-3007)/山口・D.T TATTOO(0836-43-7374)
《九州》福岡・ARTOMIC(092-711-0092)/佐賀・ROCK BAR THE ROOTS(090-4344-2016 ジュリア原)
*当日は全席指定・整理番号順に入場となります。中学生以下の入場ご希望の場合、一旦前売チケット(5,500円)をご購入いただき、コンサート当日に野音キャッシュバック受付コーナーにて差額の3,500円を返金いたしますので、お手数ですが生年月日の分かる身分証明書をご持参ください。
問い合わせ:DISK GARAGE 050-5533-0888

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