Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー中島卓偉(Rooftop2015年6月号)【完全版】

5月22日、6月16日、7月22日のマンスリーで対バン・イベント「TAKUI NAKAJIMA Respect. insideout」を新宿LOFTにて開催!

2015.06.01

昨年、デビュー15周年を迎えた中島卓偉が、新宿LOFTでの初の対バン・イベントを開催!
初日の5月22日に椎名慶治との2マン・イベントを大成功で収め、このまま6月、7月へと突き進んでいく。
"熱い男"の代名詞が似合う中島卓偉が、その内面を、そしてイベントを開催する想いをぶちまけてくれた!!
 (interview:河西 香織/新宿LOFT)

熱くなれる部分の反面、実はとてもドライな面も!?

——まずは卓偉さんの経歴について質問させて下さい。卓偉さんが音楽を始めたのはいつ頃ですか? 
卓偉:2つあって、エレキギターを持った中学校1年生の13歳の時と、“歌でやるんだ”と決めて、夢を掲げて上京して来た15歳の時ですね。
——13歳でギターを始めた時はボーカルもやってたんですか?
卓偉:やってなかったです。いきなり最初からボーカリストになろうっていうんではなくて、和音が出るからギターいいなって思ったんですよね。
——憧れのギタリストはいたんですか?
卓偉:そういうギターヒーロー的な人はいなくて、当時MTVが放送され始めたばっかりで、MTV JAPANとかに分かれてなくて、ひたすらPVが垂れ流しになってるところで、ピストルズ(Sex Pistols)の『Pretty Vacant』っていう曲を見て、「ギター弾いてみてーな」って。スティーヴ・ジョーンズ(Sex PistolsのGt)とかジョニー・ロットン(Sex PistolsのVo)とかシド・ヴィシャス(Sex PistolsのBa)がどうこうとかっていうんではなくて、ひとつの集合体としてピストルズとかクラッシュ(The Clash)が格好いいと思ったんです。ジョー・ストラマー(The ClashのVo&Gt)はギター・ボーカルで、ジョニー・ロットンはギターを持ってませんが、何となくギターを弾きたいっていう衝動に駆られたんですよね。
——そう言えば、私が学生の頃、ギタリスト率が多かったです。
卓偉:あぁ、今でもそうでしょうね。
——音楽を始める最初として入りやすいですよね?
卓偉:そうですね。僕は、それ以前にビートルズ(The Beatles)が好きで、ただ唄うだけではなく、自分で和音を出して弾いて唄いたいっていう感覚でしたね。ギターソロとかを弾きたいと思ってギターを手にしたわけではないっていうのが大きな違いなんですよね。ギターヒーローの子たちは、ソロやこのフレーズを弾きたいっていうのがあると思うんですけど、そういうのはさらさらなくて。そういうスタートでしたね。 
——15歳の時にボーカルをやろうと思ったきっかけは何ですか?
卓偉:きっかけは、中1の時は自分でちまちまギターを練習していて、中2ぐらいの時に何となく学校の人間同士で集まってバンドをやるかってなった時に、サイドギターでハモってたんですけど、ボーカルが究極にド下手で。主旋をちゃんと唄ってくれないから、ハモってもハモれない感じだったんですね。で、結局、バンドをもうちょっとちゃんとやるために作り直すかってなった時に、「ボーカルやるわ」って感じで、その時はもうギターを持たないイメージでしたね。中3の時に文化祭でZIGGYのコピーを唄った時に、それまで美容師にもなりたいって思ってたんですけど、「いやー、人の髪の毛を切ってる場合じゃねーな」って。何かできるかもしれないって思ったんです。その時は曲を書いてたりもしたんですよね。
——中3でオリジナルって、早いですね。
卓偉:そうですね。結構浮かぶものがあって。勉強もできないですし、受験とかもせずに自分を信じて上京しようかなって。
——凄いですね。中3の時に上京ってなかなか行動に移せないですよね。
卓偉:今思えばね〜。親戚の子どもや、俺と同い歳でも早く結婚してる人からもうすぐ子どもが高校受験だとかって話を聞いて、その子に会ったりすると、「いやー、こんな歳で決断したか!」って、やっぱ思いますけどね。思うんですけど、当時の自分の心境を考えると、いろいろ家庭環境もあったんでしょうけど、義務教育じゃなくなるわけじゃないですか、高校って。これは凄く自分にとってはでかくて。悪いことをしてるわけじゃないですけど、何か怒られることがあったり、先生に対しても因縁をつけられたら、反抗したところで辞めなきゃいけなくなる。で、行くんだったら、途中で辞めるのとかは嫌なんですよね。義務じゃないんだったら、行く必要があるのかって思って。そういうのは結構ドライに中学校2、3年の時に考えてたんですよね。やりたくないんだったら、勉強しに行ったってしょうがないんじゃないかって。そういう淡白な子どもでしたよね(笑)。
——(笑)いやー、でも決断力が凄いですよね。やっぱり卓偉さんは熱い方だなって思いました。
卓偉:いやいやいや、違うんですよ。僕ね、よく熱い人って言われるんですけど、半分は実はドライなんですよ。物凄く冷めてる部分もあるけど、自分が熱くなれる部分だけを人に見られてるような気がしますね。たとえば、ロック好きです、歌やるんです、夢があったんです、ってみたいなところって、まぁ熱いじゃないですか。そこだけをフォーカスを当てられてると確かに熱いヤツなんですけど、そこを熱く思う分、自分にとって関係ないって言われているところに関しては、もうすっごい冷め切ってる子どもだったんですよ。本当にちっちゃい時から。学校で教えてくれることも、自分にとってYES、NOがはっきりしてたもんで、こんなのを聞いていても身になんねぇって思う話は聞く耳を持たなかったですし。自分自身に対して熱くなれるものとかは強く(関心を)持てるんですけど、興味がないものに関しては「はっ、何?」みたいな感覚でしたね。共感できるものとできないものも凄い区別がはっきりしていて、そういう子どもでしたね。
 
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歌詞は自分がホットでいられるかが基準

——私は卓偉さんの歌詞に、身近さや共感を感じたり、メッセージ性も強く、背中を押してくれると感じたりするんですが、そういった歌詞はどうやって生まれてくるんですか? 実体験も含まれているんですか?
卓偉:そうですね、15〜16年もやらせて頂いてますんで、色んな時期に書いてた気持ちとか、蓄積してきたものがどうしてもあるものですから、20代前半の自分の書き方はもはや覚えてないですし、5年前にどんな風に書いていたかっていうのも、もううる覚えみたいな感じで。常に自分が今思うことを書き留めなきゃっていう感覚でいるんですけど、むしろ20代の頃の方が、わりかし人に共感してもらいたいとか、背中を押したいじゃないですけど、正直、おこがましい気持ちを持って詩を書いてた時もあるんですよね。今年37になるんですけど、30過ぎて、だんだんと人じゃなくて、自分自身に問いかける、話しかける、自分自身の背中を押すみたいな感覚じゃないと、唄ってても、ステージにいても、自分に対する説得力を感じなくなってきてるんですよね。活字を読むのが好きなんで、本を毎日読むんですけど、フィクションが入ってこないんですよね。自伝とかノンフィクションのリアリティがあるものじゃないと、自分も入っていけなくなってて。不思議なもんで、たとえば、映画『あっちゃん』(ニューロティカ結成30周年を記念して創られた、Voアツシを主演としたドキュメンタリー映画)は、あっちゃんの人生を描いているはずなのに、多分僕は感動しに行ける気がするんですよね。人の人生なのに感動できる、そこに全く関係のない自分が何で感動できるかって言うと、多分リアリティがあるからだと思うんですよ。凄くリアリティがあるものじゃないと、自分が納得できないっていう風になってきてるんで。だから、河西さんから“背中を押してくれるような気がする”って言われるのは、物凄く嬉しいし、光栄なことなんですけど、実を言うと入り口は、誰かの背中を押してやろうと思っては書いてないんです。そういう前向きな詩を書いていても、ある時凄く落ち込むことがあって、それでまたステージで唄った時に、「そうだよな、自分だってこうやって書いてきたんじゃないかよ」って、自分自身を鼓舞できるような、そういう感覚になってきてるんで。だから書き方で言うと、経験値でリアリティで書くこともあれば、自分に「こう言って欲しい」「こう言われたい」っていう感覚で書くっていう、多分この2つしかないんですよね。
——なるほど。自分の実体験と自分が言われたいことを書いてるんですね。
卓偉:そう言われて「あ、そうしよう!」と思えるかどうかですよ。やっぱりそう言われた時に「そんなん別に関係ねーし」って言うんじゃ、多分自分にも伝わらない。そこが基準ですかね。
——だから身近に感じられるんですかね。架空じゃなく、自分も感じられる言葉で、と言うか。
卓偉:そうですね。もちろん、フィクションの詩もたくさんあるし、この先もそういうことを書いても行くんでしょうけど。そういう設定のね。たとえば『あっちゃん』っていうストーリーの詩だって書けると思うんですよ。普段は駄菓子屋のお兄ちゃんだけど、パンクロッカーでって。そういう詩が書けたとして、本当にこの人がいなかったとしたらフィクションですけど、いたとしたらリアリティっていうぐらいの違いで。自分にとって熱くなれるものって、さっき話したんですけど、詩は多分、そこっすね。フィクションであっても、リアリティであっても、その詩でもって自分がホットでいられるか。そういう基準ですね。
 
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LIVE INFOライブ情報

TAKUI NAKAJIMA Respect. insideout
〜supported by SHINJUKU LOFT〜
【日程】
・2015年5月22日(金)
・2015年6月16日(火)
・2015年7月22日(水)
【会場】
新宿LOFT
【時間】
OPEN 18:30/START 19:00
【チケット】
前売り 4000円/当日 未定(共にD別)
※未就学児童入場不可
【出演】
中島卓偉 [musicians] Guitar生熊耕治/Bass鈴木賢二/Drums石井悠也
・ 5.22出演:椎名 慶治
・ 6.16出演:ALvino
・ 7.22出演:BULL ZEICHEN 88
【チケット発売】
・LOFT店頭
・ぴあ(6.16…P:260-232/7.22…P:260-233)
・ローソン(6.16…L:75368/7.22…L:75371)・e+にて発売中!
【キャッシュバック学割有り!】
入場時、学生証提示で500円キャッシュバック学割有り!
・ 小学校、中学校、高等学校、短期大学、大学、高等専門学区(高専)、専修学校に在籍の方は、会場にて500円キャッシュバックいたします。
・ 小学生以外の方は学生証を、小学生は年齢を証明できるものをご持参下さい。
・ キャッシュバックは当日、会場に来られた方に限ります。
・ 当日、学生証をお持ちにならなかった方へはキャッシュバックはいたしません。
【企画・制作】
ジェイピィールーム株式会社/SHINJUKU LOFT
【後援】
BEAT&LOOSE/アップフロントワークス
【問い合わせ】
DISK GARAGE 050-5533-0888(weekday12:00〜19:00)
 
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