Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー女王蜂(Rooftop2014年3月号)

下北沢SHELTERで2daysライブ開催!
より鋭く、そして華麗に。活動休止期間を経て“完全体”となり再び飛び立つ時が来た!!

2014.03.01

 2013年2月22日にSHIBUYA-AXで行なわれた単独公演「白兵戦」を最後に活動を休止していた女王蜂が、昨年12月2日に行なわれた1st LIVE DVD『白兵戦』の特別先行上映会にて待望の活動再開を発表。その再始動ライブとなったのが、2014年2月22日に開催されたSHIBUYA-AXでの単独公演「白熱戦」である。
 活動休止中はメンバーそれぞれが女王蜂というバンドに向き合い、"完全体"となって活動を再開した彼女たちは、3月26日・27日の2日間に渡り下北沢SHELTERで単独公演「灼熱戦」の開催を発表した。250人キャパの下北沢SHELTERが確実に灼熱地獄と化すだろう2日間の公演「灼熱戦」に向けての意気込みや、活動休止を経て彼女たちは今どんな思いを持って再び歩み始めたのかなど、vocalのアヴちゃんにお話頂いた。(interview:やまだともこ/Rooftop編集部)

今年の2月22日は女王蜂を解体するライブにするつもりだった

6X7A6351.jpg── 女王蜂の再始動を心待ちにしていました。活動休止をしていた1年はファンにとってすごく長かったですが、アヴちゃんにとってこの1年はどんな時間でしたか? 長かったですか?

「長かったですね」

── 2012年の12月30日に活動休止を発表して2013年2月22日に休止前のライブをSHIBUYA-AXで行なった時には、1年後には活動を再開していたいというイメージはあったんですか?

「なかったです。でも、2014年の2月22日にライブをやるっていうのは決めていました。ラストライブの1ヶ月後に“来年の2月22日にもう1回AXでやりたい”って話をして、それを解散ライブにしようと思っていたんです。昨年のAXでのライブは、また女王蜂をやるかもしれないっていうライブだったんですけど、やしちゃん(Bass)が脱退するという話にもなっていたから、1年後の2月22日のAXでは女王蜂を解体するというか、なかったことにするライブをしようって思っていたんです。もう1回晴れがましくやるよという気持ちは全くなかったですね」

── いつぐらいから再始動するという方向に向かっていったんですか?

「昨年の秋頃ですかね」

── それは何かきっかけがあったんですか?

「やしちゃんが戻ってくることになったんです」

── やしちゃんが戻ってくるとなって、アヴちゃんはどんな気持ちでした? 再始動出来るんだ! 嬉しい! という感じ?

「嬉しいという気持ちはすごくありました。今も高揚してます。でも、私意外と若いんで(笑)、1年という時間はけっこう大きいんです。この1年の間に考え方も変わって、嬉しい反面冷静にやらないとまた休まざるを得ない状況になるなっていうのは思っていて。以前とは違うやり方を探していこうって思っています」

── 若いとおっしゃいましたけど、活動再開にあたり、若いからこその勢いってあったと思いますか?

「というわけではないですが、私自身初期衝動っていうものはあまりない人間だと思うんですけど、今はバンドを結成した当時のような初期の気持ちでバンドと向き合えています。バンドを結成した当時はあれよあれよという間にフジロックのROOKIE A GO-GOのステージに出演していたり、映画に出させてもらったり、映画の主題歌をやらせて頂いたり、大きい会場でライブが出来るようになっていましたけど、一度お休みを頂いたことで、今は結成当初のような気持ちになれています。それと、これまでもスタッフやファンの方などたくさんの人が関わってくださっていますし、この1年の間にも素敵な出会いがたくさんありました。でも悲しいこともいろいろあって、その中で今年の1月に関係の深かったカメラマンの女性が亡くなってしまったことは私の中ではすごく大きくて。彼女の撮った女王蜂の写真が“EYESCREAM”という雑誌の裏表紙で掲載されたんです。表紙ではないんですけど彼女はそれをすごく誇らしく思ってくれていて、私もその写真が好きだったんですけど、その時の雑誌“EYESCREAM”が彼女の棺の中に入っているのを見た瞬間に、女王蜂をやる意味がやっとわかったというか、全てを悟ったような気になったんです。この1年の間には、たくさんの素敵な出会いが再始動を後押ししてくれた感じがありますけど、決定打となったのは今年の1月でしたね。辛いことってこれからもたくさんあるんでしょうけど、人間だからいつ死んでしまうかもわからないし、出来るだけ納得がいくものとか納得してもらえるものをやろうって思ったんです。それで“灼熱戦”のような、東京と大阪のライブハウスで2daysというのをずっとやりたかったから、きっと面白いことが出来るんだろうなって、語り継がれるようなものを常々やっていきたいなという気持ちになったんです」

 

頑張るから楽しみにしていてねという気持ちのほうが強くなった

_MG_0618.jpg── 今回の再始動にあたり、ナタリーさんに掲載されていたインタビューでは“バンドが無敵になった”とおっしゃっていたり、オフィシャルサイトのトップページには“女王蜂は完全体になった”と書かれてましたけど、この1年でどんなものが女王蜂に備わったと思いますか?

「原点回帰というのが近いかもしれないですね。上手い言葉が見つからないですけど、熱量というか、情熱の大肯定というか、頑張るっていいよね! 楽しいっていいよね! っていう、そんな感じ。現実から目を背けていると言われたらそうかもしれませんが、女王蜂やるし、ライブもあるし、大丈夫って言うのが私にとっての無敵感で、それがもう一度備わったというか。そこが結成当初に戻れた気がします。自分がやりたいことをやっていて、ウソもついてないし、私はとても恵まれてるほうだと思うんです。でも、恵まれてると言っても、問題もあるし、悩みもありますけど、AXでスタートを切らせて頂くし、こうやって表紙で掲載して頂けるし、下北沢SHELTERで2daysやらせて頂くし、面白いことを提案してくれるスタッフや手伝ってくれる方がいて、それがすごくありがたくて。ただ、これまでそういう人たちへの感謝に気が回りすぎて、自分をおろそかにしていたところが少しあったんです。ファンの方にもありがとうという気持ちがあったんですけど、きっと私がこうだからみんなが助けてくれるんだ、お休みする前は私がダメなのにみんな付き合ってくれてAXに集まってくれて優しいなって思っていた部分もあって。今はもちろん感謝の気持ちはあるんですけど、それよりも頑張るから楽しみにしていてねっていう気持ちのほうが強くなったというか。まわりから気持ちをもらうばかりじゃなくて、返していく術を持った感じはしてます。昨年のAXの時は、最後にナイフで目を刺してステージを終えようって。それで私をあげるって考えたこともあって…」

── その話は衝撃でしたよ。本物のジャックナイフで左目を刺して終えようと思っていたって。女王蜂に本気で人生を賭けてるんだなって思いましたけど、本当に目を刺したりしなくて良かったなって思います。

「客観視が出来なくなっていたんです。それに語り継げるし、“ロマンティックをあげるよ”じゃないですけど、これロマンティックでしょって。そんな気持ちがありましたね。今やろうと思ったら出来ないし、なんでそこまで追い込まれてたんだろうって思います。昨年の2月22日以降の1ヶ月間どうやって過ごしていたのか覚えてないんです。毎日泣いて、ご飯も全然食べられなかったほどで。でも、不思議と地獄だとは思わなくて、この世には地獄なんてない、なんていうふうにも悟りましたし(笑)。楽しいという意味だけではないですけど、有意義な1年でした」

── その再始動一発目となるSHIBUYA-AXでのライブが間近に迫ってますが(このインタビューは2月20日に行ないました)、直前の今の心境ってどんなですか?

「今は心の海が凪いでいるような、静かな気持ちです。この1年間すごくたくさんのことがあったので、ステージに立ったら寂寞の思いが溢れると思うんですけど、それをライブの前に小出しにしていこうという気持ちはなくて、ライブ当日に自分がどうなるのか楽しみです。もちろん不安な気持ちもないわけではないんですけど、リハーサルに入るとやっぱり女王蜂は無敵だなという気持ちになっているので楽しみですね」

── ひさしぶりにメンバーのみなさんとリハーサルに入った時はどんな感じでした?

「全員でスタジオで音を鳴らした時は爆笑しました」

── どういうことですか?

「私、音がかっこよすぎると笑っちゃうクセがあって(笑)」

── そしたら、女王蜂のライブはもっと音がかっこいいから、笑いを堪えるのが大変ですね。

「ライブ中は歌ってるし、お客さんがいるからバランスが取れてるんですけど、スタジオでメンバーの顔を見ながらやってるとかっこよすぎて笑えちゃうんです。今も思い出して笑えてきた(笑)」

── 幸せそうでいいですね(笑)。

「昨日もスタジオだったんですけど、すごく楽しいんです」

 

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LIVE INFOライブ情報

単独公演「灼熱戦」
3月21日(金・祝)・22日(土)大阪・難波ROCKETS

開場 18:30 / 開演 19:00
3,500円(税込・別途1D代)
一般チケット発売日:3月8日(土)
ドレスコード:若気の至り
公演に関するお問い合わせ先:難波ROCKETS(06-6649-3919)

3月26日(水)・27日(木)東京・下北沢SHELTER
開場 19:30 / 開演 20:00
3,500円(税込・別途1D代)
一般チケット発売日:3月8日(土)
ドレスコード:若気の至り
公演に関するお問い合わせ先:下北沢SHELTER(03-3466-7430|15:30〜23:00)

「灼熱戦〜飛び火編〜」
9月5日(金)札幌Sound Lab mole

開場 18:30 / 開演 19:00
3,500円(税込・別途1D代)
一般チケット発売日:8月2日(土)
ドレスコード:若気の至り
公演に関するお問い合わせ先:マウントアライブ(011-211-5600|平日 11:00〜14:00 / 15:00〜18:00)

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