投票により上位5曲を収録したベスト盤的ミニアルバム
── 今回ミニアルバム『はじめてのチャレンジ』をリリースしますけど、結成して3年。初の全国流通盤リリースということで、バンドに大きな波が来ている感じがありますね。
沢チャレ:最初は5人しかいなかった船に、どんどん人が乗って来てくれている感覚はありますね。これまでは下北沢ガレージで毎月ライブをやっていて、ライブをやれば満員になる状況ではありましたけど、そこに籠もっている感もあったんです。そしたら今年の初めに、今僕たちを担当してくれているディレクターと出会い、その人がいっきに背中を押してくれたんです。そこで、いよいよ外海に出るか、と。外海に出たら船に乗ってくれる人が増えてきている感触がありますね。みんな面白そうだからって、乗っかってみたくなるみたいで。
── 今作に収録された5曲はライブで演奏されている曲が多く、今のザ・チャレンジを表すベストな内容になったんじゃないかと思いましたが、この5曲を選んだのはどんな理由があったんですか?
沢チャレ:困ったらTwitterでお客チャレンジに聞くようにしていて、「アルバムを作るなら、どの曲を入れて欲しいですか?」って聞いて、投票結果を僕がエクセルで集計して票が多かった5曲を収録しました。実際自分たちが選んでもこの5曲だっただろうなと思います。
── お客チャレンジもバンドの大事な一員なんですね。
沢チャレ:あの人たちがいないと僕たち何も出来ないですから(笑)。最近も、「Tシャツのデザインはどれが良いですか?」って聞いて反映させてます。
── ちなみに1位はどの曲だったんですか?
沢チャレ:1曲目の『お願いミュージック』です。
── 『はじめてのチャレンジ』が出来上がって、手応えとしてはいかがですか?
チャレマック:CDを聴いて、みんなすごいなって思いましたし、その中に自分の声が入ってるのが幸せだなぁって思いました。
沢チャレ:センターに立っているのは沢田なのに、1曲目の最初がチャレマックの声から始まってるという作品で(笑)。なかなか違和感がありますよ。
ヤンチャレ:結果チャレマックのバンドと言えなくもないんです(笑)。
── タラチャレさんの手応えはいかがですか?
タラチャレ:名刺代わりの1枚としてはとても良いと思います。
── …終わり…ですか?
沢チャレ:そう。この3人(ヤンチャレ・タラチャレ・チャレマック)は、特にないんです。
ドラチャレ:じゃあ、バンドについてどう思ってるか聞いてみようか。
タラチャレ:バンドについて…。僕も以前バンドをやっていて、ボーカルを執ったり曲を作ったりするというのを経て、作家というか作曲と編曲の仕事を何年かやっていたんですけど、このバンドをやるにあたり、その活動をしていなかったらそんなに面白いと思わなかったかもしれないですね。自分がメインで前に出るのではなくて、歌が上手いボーカルのチャレマックがいたり、パフォーマンスをすごく頑張る人(沢チャレ)がいたり…。
沢チャレ:僕はパフォーマンスをすごく頑張る人です(笑)。
タラチャレ:でも、誰かにアドバイスをもらって、それを純粋に頑張る人ってなかなかいないから、沢チャレさんは今までにない逸材だと思っていて。それがフロントマンというのも面白いし、リズム隊の2人は自分がやってきた音楽に遠からずの心地良さがあるというのを客観的に見ることが出来るようになっていて。ロックバンドを俯瞰して見る位置も面白いなって。このバンドの中では、それが自分に合っているような気がするんです。うまい具合にみんな役割があって、そこにすぽっとハマってる感じ。そこが意外と絶妙だったんです。
沢チャレ:本当にバランスが絶妙なんです。役割もキャラもかぶらなくて。音楽的リーダーは完全にタラチャレなんです。ミュージシャンとしてのスキルはズバ抜けていて、編曲でも音楽的な厚みはタラチャレが出してると思う。ヤンチャレさんは常にバンドを一歩引いた状態で客観的に見てる。チャレマックは点取り屋のフォワードで、僕はバンドのコンセプトやアイディアを考えるのが好きで、ドラチャレはムードメーカー。この人熱いんですよ。打ち上げに行くと、気付いたら知らないバンドともハグしてハイタッチして、全員と電話番号交換しているみたいな感じのところがあって(笑)。僕がメンバーを誘っていて、仲良くしてくれる人を選んでるから、みんなすごくイイヤツ(笑)。あと、それぞれが以前組んでいたバンドのリーダーで、船頭が5人集まってるのに全然揉めないというのも面白いですね。
── 俺が俺がというのがないというか。ボーカルが3人いるのに、それぞれ特長があって声質も全然違うから良いバランスになってますよね。作詞は沢チャレさん名義で、作曲はザ・チャレンジ名義の曲が多いですね。
沢チャレ:全員作曲が出来るので、それぞれパーツを持ち寄りながら作ってます。3曲目の『サマーライダー』は、スタジオでサビを鼻歌で聴かせて、みんなが「あぁ、どうしよう…」ってなりながら、後半のメロディーを作っていきました。5曲目の『恋をしようよ』も「“こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!こい!カモン、恋!”みたいな曲をやりたいんだよね」って伝えて、「全然イメージわかないわー」ってタラチャレに言われたりして(笑)。たいていイメージがわかないんだよね?
タラチャレ:音楽に聴こえない。
── 何に聴こえてるんですか?
タラチャレ:昨日見た夢の話を聞いて、舞台化したいって言われてるような感じ(笑)。
沢チャレ:それでせっかくタラチャレが良い曲作ってきてくれても、「僕とお墓に入ろう」(『ウエディングソング』より)っていう歌詞が付いたりしますからね。
タラチャレ:一般公募した歌詞が乗ったような感じですよね。こんななっちゃったんだって、がっかり度はすごいですよ(笑)。
ドラチャレ:でも中毒性もあるんですよね。歌ってみるとハマリがよくて耳に馴染むから、気付くと口ずさんでいるんです。
タラチャレ:歌いやすい歌詞とか、発音しやすい感じが自分の中にあって、自分で歌詞を乗せると自然と歌いやすい歌詞を付けるんですよ。それを沢チャレは一切考えてないから新しさはありますね。
── タラチャレさんはボーカルを執りますが、ご自分で歌うとどうですか?
タラチャレ:歌いづらいです(苦笑)。
沢チャレ:歌いづらい言葉をサビの一番高い音に乗せてきたりとか、考えないでやるから、すごい怒られますよ。「高音で“か”とかやめろ」って。
タラチャレ:あと、歌詞が紛らわしいというか。『ウエディングソング』を歌ってますけど、すごい間違えるんです。
沢チャレ:体の部位がいっぱい出てくるから(笑)。
── チャレマックさんもボーカルを執る曲がありますが。
チャレマック:僕は毎回歌詞に関しては、すごいなと思ってますけどね。僕だけ曲を一から作って渡したことがまだないんですけど。言葉の選び方とか面白いなって思いますし、ここの母音は歌い辛いなというのはよくあるけど、差し引いても面白いなって思いますね。
沢チャレ:僕はチャレマックに変なことを言わせたいっていう、一種のプレイみたいな感覚があって(笑)、いかに良い歌声で変なことを言わせるかというのは考えますね。タラチャレにはまだ言わせられてないですけど。