"ザ・チャレンジ"が、初の全国流通盤となるミニアルバム『はじめてのチャレンジ』を9月4日にリリースする。ザ・チャレンジとは、2010年の9月にVocal & Centerの沢田チャレンジの「やっぱりバンドやりたいな」というTwitterでのつぶやきをきっかけに結成したバンド。結成からこの3年間下北沢を拠点に活動し、今年7月に下北沢ガレージで開催した2デイズのワンマンは即日ソールドアウト! 着実に動員を増やした彼らが、満を持して下北沢から全国流通という形で世に出ていくことになった。今作は、サングラスをかけてイケメンとなった5人が届ける、泣いて笑って、笑って泣ける究極の愛を歌ったラブソング集。見た目でイロモノの印象があるバンドだが、本人たちは至って真面目。実際CDを聴いても、ライブを見てもそのクオリティの高さに驚くことだろう。
今回は『はじめてのチャレンジ』リリースを記念して、ザ・チャレンジ"はじめてのインタビュー"を敢行。結成の話から現在に至るまでを含めてお話を訊いた。web版はロングインタビュー!!(interview:やまだともこ/Rooftop編集部)
左から:ヤンキーチャレンジ(Bass)→チャレンジオノマック(Vocal & Guitar)→沢田チャレンジ(Vocal & Center)→タラコチャレンジ(Vocal & Guitar)→ドラゴンチャレンジ(Drums & Ei Ei Oooh)
バンド人生の再出発というわけではないんです
── 奇跡のイケメンバンド“ザ・チャレンジ”は、Twitterの沢チャレさんのつぶやきがきっかけで始まったバンドだそうですが、バンド結成のいきさつをお話し頂いても良いですか?
沢チャレ:僕はザ・チャレンジの前にもバンドをやっていて、それが活動休止して少し音楽から距離を置いていたんです。それで、半年ぐらい経った頃に、「やっぱりバンドやりたいな」ってTwitterでつぶやいたら、ドラゴンチャレンジが「やろうよ」って言ってくれて、その10分後ぐらいにはヤンキーチャレンジさんが「俺ベース弾くよ」って言ってくれてリズム隊が揃ったんです。そこからメンバーを探していたら、チャレマックが乗ってくれて、最初はタラチャレがいなくて別のメンバーがいたんですけど、最初のライブで脱退して。基本は僕が前のバンドをやっていた時に知り合って、僕が好きだったミュージシャンがたまたま賛同してくれて始まったんです。その流れを見て、まわりが面白いって言ってくれて手伝ってくれたり、「お客チャレンジ(ザ・チャレンジのお客さんの意)になります」って言ってくれたり。ライブハウスもTwitterで「ライブをやらせてほしいんです」ってつぶやいたら、下北沢ガレージが「○日あいてます」って返信くれて。
── バンドの始まりは、ちょうど3年前の2010年9月だそうですが、当時はCDを全国流通するとか、今日のようにPVを撮影しているという形になっていることは想像してました?
沢チャレ:みんなは違うかもしれませんけど、僕は趣味でやるつもりはなかったので、そうなったら良いなと思ってました。ヤンチャレさんは「こんなに続くとは思っていなかった」って前に言ってましたけど。
ヤンチャレ:今も思ってます(笑)。
沢チャレ:僕はこのメンバーが揃ったら絶対に面白いことが出来ると確信していたので、そこは今もぶれてないですね。
── 今のような音楽性はバンドが始まった当初から変わっていないんですか?
沢チャレ:最初に作った曲が今作に入っている『お願いミュージック』で、今も名刺代わりの曲なので変わってはいないと思います。
── 結成当時、こういうバンドになりたいとか、めざしていたものってあったんですか?
沢チャレ:音楽的にこういうのをやりたいというのは特になくて、とにかく楽しいことをやりたい、楽しくバンドをやりたいという気持ちが強かったですね。
ドラチャレ:僕は前のバンドを辞めて半年ぐらい仕事しかしてない状態だったんです。気持ち的には落ち込んでいて、物足りないなって思ってるタイミングでさっきのいきさつがあって、ザ・チャレンジが始まって最初の1年はすごく楽しくて、2年目は試練の年で、今丸3年ですけど、最初にみんなで音を合わせて『お願いミュージック』を作った時から、ストーリーを紡げるバンドだなというのは思ってましたね。当時はどういうアプローチでやるかはわからないけれど、可能性を感じてました。
── 試練の年だったという2年目は何があったんですか?
ドラチャレ:このバンドがどこに向かっているのか、みんながわからなかったんです。
── このまま続けて行くのかどうかも?
ドラチャレ:お遊びでやるには荷が重いぞって。ライブは月に1回ぐらいがマックスだねなんて言っていたのに、だんだん誘いが増えてきたりして、お断りするようにもなっていたんです。最初は楽しいだけでやっていたけど、しっかりやらなきゃって背負っちゃうものが出来てきて、そうなると重たくなってくるんですよね。そこで、メンバーみんなで何度もミーティングしたし、言い合いもしたり、打ち合わせをすごく重ねました。
沢チャレ:その時に乗り越えることが出来たのはお客さんが僕たちの活動をすごく楽しみにしてくれていたから、もっと応えたいという気持ちが共通してあって、「この先どうする?」って言った時に、みんな待ってくれてるからやろうよっていう気になったんです。
── それぞれがこれまでにバンド活動をしていて、休止や脱退を経験していますが、そこでもう一度新たにバンドをやろうと思ったきっかけってなんですか?
沢チャレ:それぞれ状況が違いますが、単純に音楽が好きでバンドをやりたいという気持ちが強かったんです。
ドラチャレ:タラチャレが昔言っていたけど、最初に出来たのが『お願いミュージック』で、この曲にひっかかるものがあったから、やってもいいかなって思ったって。シンボリックな曲が最初にあるかないかで、直感として行けるか行けないかってあると思うんです。あと、メンバーと合うとか合わないとか。それが合ったから、その衝動みたいなものが背中を押してくれてたのかなという感じがしています。
── バンドで再出発という感じはありますか?
沢チャレ:やっぱり再出発って見えますか…?
ヤンチャレ:俺は再出発した感がないから、その言葉にはけっこう違和感があるんです。
沢チャレ:みんな再出発じゃないんです。
ヤンチャレ:沢チャレさんがバンドをやりたいって言って、俺ベース弾くよっていうノリだったので、このバンドで再出発ですという感じはなくて…。「1枚目が出て良かったね」っていう感覚に近いというか。
沢チャレ:みんなそうだと思います。どちらかと言うと沢田プロジェクトを手伝いたいって船に乗ってくれてる感じ。僕はザ・チャレンジが一番やりたい音楽ですけど、他のメンバーはそれだけじゃない部分もあって。
ヤンチャレ:チャレンジとしてデビューしたというのはすごく嬉しいし、これをみんなでかっこいいねってやってるのはあるんだけど、前のバンドを辞めて再出発してるということではないんですよ。
── ということは、このバンドでもう一度やりますという感じとは違う?
沢チャレ:3人(ヤンチャレ・タラチャレ・チャレマック)が「うん」って頷いてます(笑)。
ヤンチャレ:前にバンドをやっていたとか関係なく、この5人が集まって1枚目を出しますよというところで。1枚目だけど俺たちの以前の活動を知っているから、まわりがストーリーを作り上げてる感じはしていますね。
沢チャレ:だから最近、前にやっていたバンド名を出さないようにしたのも、みんなが挫折してこのバンドでリスタートってわけではないからなんです。もっとピュアに楽しんでやってます。