昨年、ライブ活動を一旦休止し、各々ソロ活動やサポートミュージシャンとして活動を経て、久しぶりにLUNKHEAD企画「灼熱の夏みかん祭×真夜中の冷凍みかん祭」を持って新宿ロフトに登場! 確実にキャリアを積んでいるLUNKHEADのVo&G 小高芳太朗氏に活動休止やソロ活動の事、主催「灼熱のみかん祭×真夜中の冷凍みかん祭」に関してお話を伺ってきました。(interview:樋口寛子+沢目千鶴子/新宿LOFT)
今は自分達が一番バンドを欲している感じがします
── 昨年の7月からLUNKHEADの活動を休止されましたが、その間もメンバーが個々に活動しているのが印象的でした。
小高:そうですね、俺はソロやっていました。
── 昨年は、新宿LOFT公演にもソロ名義で一度出演して頂きましたし、ベースの合田さんは現在もLOFTBARでたまに営業してくださっていますね。
小高:GDABARですね!! ギターの山下はHermann H.&The pacemakersでギターを弾いています。ドラムの桜井さんはART-SCHOOLもやってたし。
── 個々の活動をしながら、本格的にLUNKHEADとして復帰したのはいつでしたか?
小高:3月にボビーフェス(※LUNKHEADが所属するマネージメント事務所直球の代表取締役ボビー湯浅が昨年急逝したために行われた追悼イベント)に出演したのが表向きには最初ですかね。
── 実際の休止期間はどの位でしたか?
小高:休止期間は8ヶ月位です。レコーディングや曲作り、ベスト盤をリリースしたりと、ライブをしていないだけでバンドとしてはそれなりに動いていました。自分達としては休んでいた感覚はなかったですね。
── バンド活動をしている時と個々がソロで活動をしている時とでは時間の経ち方は違いますか?
小高:全然違いますね。俺はひとりでやっていたので、結構あっという間に過ぎていました。ライブ休止前はバンドでイベントの出演が続くとライブが段々とルーティンワークになってきてて、そういうのを変えたかった。でも、今は一本一本楽しいし、大事にやれている。お客さんもきっとそうだと思うけれど、今は自分達が一番バンドを欲している感じがします。
── お客さんも同じかもしれませんね。
小高:そうですね。昨年、ファンクラブ旅行で温泉に出掛けたのですが、その夜の食事会で約5ヶ月振りにアコースティックセットでライブをファンの前で演奏したんですよ。みんな浴衣着用で(笑)。それですらバンドでやってくれているって感動して泣いている子がいましたからね。
── 今まで5ヶ月ぶりに演奏するような事はありましたか?
小高:今まではひと月空いた事もないんじゃないかな。
── ずっとバンドで走ってきたんですね。
小高:アルバムを作って、出して、ツアーに行って、戻ってきたらまたアルバムを出してみたいな感じでしたね。
── 休止期間がいい意味で自身のリセットになった感じが受けますね。
小高:各々、色んな事を考え直す時間にもなったし、メンバーもLUNKHEADに対しての自分の立ち位置みたいなものを考える時間になったなと今は凄く思います。みんなが凄いアグレッシブにLUNKHEADに対して向き合っているので、そんな風になれて本当によかったと思います。それと休止している間にボビーが亡くなったのですが、公式な復帰ライブがボビーフェスで良かったです。いきなりAXワンマンは怖かったなーって(笑)。ただ、ボビーフェスではcali≠gariの後で大トリでリハなしで怖かったです(笑)。
── 「ボビーフェス」は出演者が多かったですしね。
小高:結構なショック療法だよなって(笑)。そのライブのリハも一回しかやれなかったんですよ。当時、レコーディングをやっていたからスタジオには入っていたので、4人では音は出していたけれどリハ1回で当日リハなし。「これ、ないよね」みたいな感じでした(笑)。
俺らがバンドとしてかっこよくなってきたという自信にも繋がった
── 先日開催されたSHIBUYA-AXのライブは、久しぶりのワンマンライブにあたりますよね?
小高:1年前のツアーぶりなので、13ヶ月ぶりです
── あの日のライブを拝見させて頂きましたが、めちゃくちゃよかったです。
小高:ありがとうございます! 良いライブをするのは大前提だったのですが、ツアーだと色んなセットリストやライブの流れを育てていけるし、最終的にファイナル公演で一番完成したショーを見せられるけど、あの日は一発勝負だったので、どうなるのかな? という不安が自分達にもすごくありました。セットリストもギリギリまでああだこうだと言って。結局何回リハーサルスタジオに入っても本番の感じってわからないじゃないですか。ワンマンは1年ぶりだし…という緊張感はすごくありましたね。
── あの日のライブは、過去のライブでの緊張感とはまた別のものでしたか?
小高:小高:別のものでしたね。あとは曲数が今までで一番多かった。そういう不安みたいなのもちょっとありました。
── あの日のお客さんを見ていたら、若いお客さんが多くいたことに正直驚きました。また、男性のお客さんも多かったですね。
小高:俺ら世代のバンドの中では自分らは毛色が違うな、客層が全然かぶっていないなというのを最近すごく感じますね。
── あの日見た客層に若い男の子が沢山いる事に私はLUNKHEADに未来を感じました。
小高:男の子が増えていることは、それだけ俺らがバンドとしてかっこよくなってきたという自信にも繋がってるんですよね。カッコイイって男が感じるのは、曲とか以上にバンドとしてカッコよくならないとそうならないと思うんですよね。そんな風に俺らはなりたかったし、自分はそういうバンドに憧れて音楽を始めたし。なんか、曲云々というより、プレイヤーとして各々が際立ってきてきたと思うんですよね俺ら。桜井さんがドラムになってから、結構テクニック集団みたいになってきて。あと、俺が圧倒的に自信を持っているのがギターのリフなんですよね。曲を作る時にギターのリフに一番命かけていますね。あとはギターソロ。自分が10代の時や大学生の時にそこに耳がいっていたので、若い男の子に響く要因は、そこだと思うんです。リフはもうどのバンドにも負けていないという自信があります。
── 桜井さんのドラムは男気溢れていますよね。
小高:バンドの方向性もギラギラしたところに戻ったというか、逆にそっちにシフトしていったので、それもきっと男の子に響いたんだろうなと思います。
── 人から憧れられる対象としてすごく分かりやすい存在になったのですかね? 何の飾りもなく、シンプルな感じが今のLUNKHEADからすごく伝わります。
小高:やっぱりその分、自分らでも色々な事をすごく考えるようになったし。山下君が大分、出来るコになってきてね。昔はただボーッとしていたのに(笑)。
── 今回、8月に新宿ロフトで開催して頂く「灼熱の夏みかん祭×真夜中の冷凍みかん祭」のイベントに関しても、山下さんはいつもマネージャーと2人で熱心にロフトまで打ち合わせに来てくださいます。
小高:すごい率先して動くようになって。まぁそれまでに色々な流れがあったんですよね。スタッフから説教を受け、「ちょっとアンタ達ヌルいんじゃないの?」って。スタッフのことももっとドキドキさせてよ! と(苦笑)。
── スタッフさんの愛情を感じますね!
小高:何でも周りがやってくれてると思うんじゃない! と。結構俺たち、メジャー病だったんですよ。何から何までこっちが準備するからいいよ、と。だから俺らも結構ボーッとしてしまい…。そこで自分らで出来る事をどんどんやっていこうと思い直し…スタッフに活を入れてもらったし自分らで頑張ってみようよ! となりましたね。