彼らを知るきっかけとなった『七色のダイス』に収録されている「蝉時雨」の鮮烈な印象のお陰で、以降ずっと彼らの楽曲を聴き続けている。全国津々浦々をライブしながら、よくこんな良質印な楽曲が詰まった作品をハイペースでリリースできるなと思わず感心してしまうほどです。流行に流されることのない真っすぐで確かな歌の数々は、“日常”にそっと寄り添い、時には強く、時には優しく背中を押してくれるかのよう。私にとって良い曲はみんな共通してそんな印象であり、この作品も紛れもなくそんな印象なのです。

　関西から全国へとその軌跡を確実に残し、たくさんの素敵な景色を見てきた彼らだからこそ唄える楽曲があり、ライブがあるということを改めてこの作品から教わったような気がします。聴くのに早いも遅いもないので、私がとても信頼しているココロオークションにぜひ触れてみてください。（新宿LOFT：樋口寛子）