ルージュ、スクリューバンカーズ、不正療法、ジャングルズ、THE GOD、町田町蔵+北澤組、dip、山口冨士夫バンドなど、1970〜80年代から活動を続ける名だたるロッカー4人が集まり、2014年に結成されたThe Ding-A-Lings(ザ・ディンガリングス)のデビュー・アルバムが登場した。粗野で凶暴で、しかも気持ち良く身を任せられるようなロックンロールは、村八分やハートブレイカーズなど、伝説のバンドたちの軌跡を彷彿とさせるが、懐古的な所は全くなく、とりわけ原発や現政権を激しく批判した歌詞などは現代の社会状況に真っ向から対抗しているバンドのスタンスをはっきり示している。「遊ぼう」「泥沼」「ふけろ」などにみられる虚無と享楽を体現した曲も素晴らしい。故・青木真一(元・村八分、フールズ、ティアドロップス)作の曲「Funny Day」、ルージュの名曲「New York Baby」なども聴き所だ。(Rooftop:加藤梅造)