シリーズ累計八千万部。全世界で大ヒットし、ハリウッド映画化もされたミレニアムの最新作。前著者スティーグ・ラーソンは現代のスウェーデン社会への大きな風刺を織り交ぜつつ、魅力的なキャラを用いてカタルシスを与える上質なサスペンス作品を作り上げた。ミレニアムは出版社に勤めるミカエル・ブルムクヴィストとその友人、リスベット・サランデルを中心に話が進む。しかしラーソンは前三部作を書き上げ急死、シリーズも未完に終わってしまう。多くの謎を残したまま未完となり、世界中のファンが悲嘆にくれた。だが彼の意思はダヴィド・ラーゲルクランツが見事に引き継いだのだ。ラーソンの作品を読み込み研究し、彼の残した世界を新たに書き上げる。それが前三部の系譜を受け継ぎ、新生ミレニアムシリーズの幕開けとなる本作なのだ。是非ラーソンのミレニアムを読み、その後新たな書き手、ラーゲルクランツの新しいミレニアムを堪能してほしい。(ネイキッドロフト:立川陸生)