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亀和田武 / 60年代ポップ少年

2017.02.01   CULTURE | BOOK

小学館
1,650yen+tax

 亀和田さんはワイドショーのキャスターの印象があるが、実は作家で、ビニ本時代の名編集者なのである。悲しくもキラキラした60年代後半から70年代に青春を謳歌した同年代なのでその一つ一つのセンテンスが実に私の生き方とリンクする。今から45年前「西荻窪ロフト」にはいつも競馬新聞片手に来ていた人だ。たそがれのバリケード、ツイスト、キューバ危機、ファイテング原田、哀しき少年兵、長島慎二、風月堂、ジャズ、ビートルズ、ピンク映画、新宿騒乱、ベトナム戦争、東大闘争、三億円事件、吉本隆明、あしたのジョーとその一つ一つを私たち青年は熱狂した。あのドラステックな政治の季節を謳歌した若者たちは強烈な思い出を持っている。いわゆる旧世代からの脱却を目指し、文学、演劇、映画、を中心に多くの文化に火がついたのだ。ただのじじいの回顧録でなく、文章が平易に生き生きとしているんだ。「こんな時代だったんだ」という意味も込めて若い人に読んでほしい一冊だ。(平野悠)

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