今夏始まった勁文社時代の『「超」怖い話』平山夢明執筆分の再録、遂に終刊。一番圧が高く(まだ評価受けておらぬ頃で)純粋がむしゃらに怪談が書かれていた90年代初頭から2000年ごろ。コロが出る・ロクちゃんの不気味さは中でも白眉。海の魔物コロは今でも夢で魘される…双子の先生・海外のスターマンの哀感もたまらない。当時、筆は絶好調なのに勁文社倒産を聞き、もう平山怪談は読めぬのか…という絶望に満ちたが、数年して竹書房に「超怖」ブランドごと電撃移籍、今に至る。
現在、今シリーズで平山も繰り返し憂慮を示している多人数の安易な飽和怪談状態…色々考え併せると寂寥感に苛まれもした。
今巻収録作にある映画館怪談でピンク見つつ怪異にあった学生の描写に「何しろ映画も彼もクライマックスだったので」…この突如のユーモア、やはり他が追随できぬと思う。また平山怪談が読める日を待ちつつも小説も期待…ボリビア…!(尾崎未央)