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カルトの子―心を盗まれた家族 / 米本 和広

文芸春秋
1,697yen(tax in)

 どうにもならない問題が発生したときに、あなたはどうするか。アルコールで忘れる人もいれば、バイキングでのやけ食い、浪費をする…人それぞれの手段があるが、どうやらその中のひとつの選択肢として宗教が存在するらしい。この本に出てくるのは、名前がよく知られている大きな宗教団体だ。信仰する本人、巻き込まれる家族、生まれた時からその環境にいる子どもたち。信仰方針として存在する暴力・体罰。しかし殴られながらも子どもたちが想うのは「自分を殴るママなんて死んでしまえ」ではないのだ。「ママの魔法がとけますように。」日常の中に暴力や抑圧があっても、子どもたちが親を完全に諦め・憎みきることは難しい。しつけという大義名分の下で暴力が許されてしまうのか? 冷静に考えてみてほしい。

 どうにもならない問題が発生したときは、多種多様な人間と出会おう。本を閉じたら暴力を捨て街へ出よ! さて、わたしは何か強く信じているものなどあるだろうか。(Rooftop:成宮アイコ)