日本中の鬱屈した若者の心を揺さぶった2枚のアルバム、『DOOR』『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』から10年。長い沈黙を破り吐き出すかのように発表された、アルバム『光のなかに立っていてね』と、ライブリミックスアルバム『BEACH』。安孫子真哉、チン中村、村井守の3人のメンバーが脱退し、峯田和伸が「青春は終わった。これから音楽が始まる」と語ってから1年。銀杏BOYZにとって初の写真集『純血』は、2003年から2014年まで銀杏BOYZの公式カメラマンを務めた村井香が、彼等の包み隠すことのない青春の軌跡を撮りためたものだ。本書は村井香と銀杏BOYZの11年間を纏めた345カットの写真とインタビューで構成されているが、いずれも村井香が女性カメラマンだから撮れた写真では無いと私は考える。彼女と彼等が生の人間としてぶつかりあった結果、生まれた写真なのだ。本書を開く度に思う、彼等の青春は終わっていない、と。(LOFT / PLUS ONE:小川雄太)