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【ライブレポート】ザ・ルースターズの最終形"Z"、一夜限りの再結成ライブ 2011.06.14

THE ROOSTERZ
FOUR PIECES LIVE AGAIN
2011年5月21日(土)福岡サンパレスホール

文:椎名宗之
写真:高橋由香利(GATE40)

散在していた四片のジグソウ・パズル、一夜限りの華麗なる再現──

RZ_zentai.jpg2011年5月21日、福岡サンパレス。昨年7月7日に我が新宿ロフトで行なわれた花田裕之の生誕祭2日目『Hiroyuki HANADA AGE 50th GIG“NAGARE PREMIUM”DAYS 2』以来10ヶ月振りに体感するTHE ROOSTER“Z”である。花田裕之(vo, g)、下山 淳(g, vo)、穴井仁吉(b)、三原重夫(ds)、サポート・メンバーに朝本浩文(key)という鉄壁の布陣による再々結成、単独公演としては実に23年振りとなる。震災のために順延となった『ARABAKI ROCK FEST.11』への出演がメンバーのスケジュールの都合で適わなくなったため、この日限りの復活を果たすという意味でも奇跡の一夜だったと言えるだろう。
定刻から10分ほど押して暗転、流れてきたオープニングSEが1988年7月のラスト・ツアーと同じものだったことにまず不意を突かれる。三原のブログによると、元の音源が存在しないためライヴ盤に収録されていたSEをSONARに取り込み、歓声のない部分を選んでループさせたものだという。メンバーが登壇し、上手に下山、中央に花田、下手に穴井という並びが新鮮だ。よく見ると、下山のマーシャル・アンプがステージの左右に2台置かれたステレオ仕様となっている。バンド・カラーとも言うべき煌びやかな青の照明がステージを彩る中でSEと被るように放たれたのは、言うまでもなく『GUN CONTROL』の轟音イントロ。これ以外には考えられない至上のオープニングに否応なく感情が昂ぶる。続くこの編成では珍しい『TRANSMISSION』の後に花田らしく短いMC。「ルースターズ、“Z”です。みんな生きてます」
ロフトでのセットリストをベースとしつつ、去年はこの面子では披露されなかった『NEON BOY』、『STRANGER IN TOWN』、『CRAZY ROMANCE』といった珠玉のナンバーが矢継ぎ早に披露される。同じく去年のセットリストにはなかった『LADY COOL』や『BURNING BLUE』を含め、ひとたび“FOUR PIECES”の手に掛かれば楽曲の強度が格段に増し、中には『HURT MY LOVE〜LAND OF FEAR』のようにオリジナル以上に重厚なダイナミズムをスリリングに交錯させる楽曲もある。淀みなく流れゆく構成の見事さもさることながら、当時からジャンル的なカテゴライズを楽曲自体が拒むようなレパートリーの普遍性の高さには改めて感服した。あれから23年を経てもなお彼らの音楽性は体よく懐メロにもクラシックにも安直に収まることなく、“φ”という空集合の記号のように異端の存在感を放ち続けているのだ。
ロフトの時よりも遙かにビルドアップした演奏の妙味も素晴らしかった。武骨で一本気なヴォーカルとギターを聴かせる花田に限らず、変幻自在な極彩色のギター(あのギブソンの青のL-6S!)を奏でる下山も、思わず溜息が出るほど手練手管の限りを尽くす穴井も三原も、適材適所で楽曲に彩色を施す朝本も、放たれる音塊やその凛とした佇まいからは23年前の追憶やブランクなど微塵も感じられない。これが本当に平均年齢50.6歳のバンドなのかと疑いたくなるほど迫真のアンサンブルなのだ。

RZ_zentai_02.jpgとりわけ、質実剛健と言うべき三原の抜けの良いドラムはロフト以上に調和性を増し、適度なアドリブを挟みつつも花田と下山の雄渾なギターとヴォーカルに寄与していた。白眉はオリジナルともロフトでのライヴともアレンジが微妙に異なる『STRANGER IN TOWN』(恐らく“FOUR PIECES”としては初披露ではないか)で、ギターとシンセの親和性が高まった今回の理想的なアレンジは三原の過不足ないドラムがあってこそ成立していたように思う。また、個人的にも渇望していた『BURNING BLUE』は三原が若干走り気味だったからこそ生まれた得も言われぬ躍動感があり、オリジナルを凌駕するベスト・アクトのひとつだった。本編終盤の『LADY COOL』〜『BURNING BLUE』〜『PASSENGER』という流れは神懸かり的な気迫があり、僅か7ヶ月しかなかった最終編成“Z”時代を遙かに上回る凄味に満ちたライヴ・パフォーマンスだったことを強調しておきたい。各人が未だに第一線で活躍しているがゆえだろうが、現役時代を凌ぐ圧倒的な妙技を見せ付けられるバンドなどそういるものではない。とにかく圧巻の一言だった。
鳴り止まないオーディエンスの大歓声と拍手に応え、アンコールは2回。『CRIMINAL ROCK』と『NO NO NO』という、花田と下山が共に“Z”のベスト・アルバムとして挙げる『KAMINARI』からのナンバーで締め括られたことが興味深い。当初は『OH! MY GOD』もセットリストに組み込まれていたものの当日になって急遽外されたらしいが、The Byrdsのカヴァー『ROCK'N'ROLL STAR』で各自ソロ・パートが用意されるなど趣向を凝らした演目もあったので何も申し分ない。最終形“Z”の23年後の進化と深化を十二分に堪能できた2時間弱の至福のひとときだった。
客電がつき、耳から離れない爆音の残響にしばし酔い痴れる。そうだ、この感覚、23年前と同じだ。極めて獰猛でありながらもこれほどまでに物柔らかな余韻を残してくれる爆音を僕は他に知らない。四片のジグソウ・パズルがいつの日かまた“Z”という名の四つ辻でそれぞれの人生を交差させることを願う。

RZ_zentai_03.jpgPLAY LIST
01. GUN CONTROL
02. TRANSMISSION
03. NAKED HEAVY MONN
04. 再現できないジグソウ・パズル
05. NEON BOY
06. STRANGER IN TOWN
07. EVERYBODY'S SIN
08. CRAZY ROMANCE
09. 鉄橋の下で
10. HURT MY LOVE〜LAND OF FEAR
11. 曼荼羅
12. (Standing at) THE CROSS ROAD
13. LADY COOL
14. BURNING BLUE
15. PASSENGER
EN-1
16. CRIMINAL ROCK
17. (So You Wanna Be A) ROCK'N'ROLL STAR
EN-2
18. NO NO NO

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