衝撃の結成から1年足らず、Zantöが早くも1st album『Kill KATANA』を7月4日にリリース! これを聴けば彼らが何をしようとしているのか、どこへ向かおうとしているのかがわかる、マニフェストとも言えるアルバム。リリース後すぐの7月19日には最高の味方であり最高の敵でもあるSMORGASとのツーマン@新宿LOFTも控えているZantöの、初メンバ−4人全員インタビュー!! [interview:柳沢英則(新宿LOFT)・安 佳夏(下北沢SHELTER) ]
塔山がOKだったら
──初めてのメンバー4人全員インタビューということで、まずZantöの結成の経緯を教えてください。
ナカヤマシンペイ(dr.):経緯は、まず僕がバンドをやりたいなと。かつ、Rage Against The Machineみたいな、ドラムをドッカンドッカン叩いて、お客さんも大暴れするようなバンドをやりたいなと思ったんですけど、日本でザック・デ・ラ・ロッチャみたいなやつを探すのはちょっと大変だなぁと思ってる時に0.8秒と衝撃。のライブで、曲中じゃなくてMCとかで喚いている塔山のイメージが浮かんで、あのテンションだったらいけるんじゃないかなと。美登一は前から一緒にバンドやってたし、寛茂はなんでもできる器用なやつだからその前に声をかけてたんですけど、塔山がOKだったらこのバンドをやろう、ダメだったら方向性は変えるけどとりあえずこういうことやりたいんだ、ということを打診したら塔山は意外とやってくれそうだったんです。
塔山忠臣(vo.):0.8秒と衝撃。のラストライブの時にきてくれて、散々色々しゃべったあと最後の最後に、照れ臭かったのかお酒を飲んでから小耳に、「バンドやんない?」って(笑)。
一同:(笑)
塔山:FEVERと、名古屋の時と両方来てくれて。多分逃さないように駄目押しできてくれてたんだろうけど(笑)。趣味みたいな感じだから、遊びだからって言ってたのに、こんながっつりやるなんて。リリース早っ!(笑)
ナカヤマ:1年でここまでこれたので。しかも命を削るようなライブをするとはね(笑)。
──美登さんと藤木さんには先に声をかけていて、フロントマンを探していたんですね。
ナカヤマ:美登一は前にやってたバンドを俺がやめる時に、もう一個なんかバンドやることになったら一緒にやってほしいって話はしてて。ギターどうしようかなって思ってたんですけど、なんでも器用にできる寛茂が浮かんで、酔っ払ってる時に、「バンドやるか」って。でもバンドやろうって言ってからしばらく泳がせましたけどね(笑)。
塔山:うわ〜。そういう女性嫌いだなぁ(笑)。
藤木寛茂(gt.):なかなか連絡こないなと思ってました(笑)。どういうことなんやと。
塔山:寛茂くんはシンペイさんから連絡くるまで何やってたの? 自分で作ったりしてたの?
藤木:そうですね。ちょこちょこ作ったり。Rage Against The Machineって言われて、それっぽいやつとかを。
塔山:寛茂は音楽全然聴かないのにガンガンリフ作るんですよ。どういう感じでやってんのかなと思って...
男がかっこいいと思う男
美登一(ba.):寛茂はレイジは知ってたんだ?
塔山:このバンドやっててその質問が出ること自体がおかしいからね...(笑)。
藤木:知ってました(笑)。知ってましたけど、どっちかっていうとリフを聴くっていうよりはトリッキーな部分を勉強したりしてました。スクラッチとか、エフェクティブみたいなところとか。元からトム・モレロは好きなんです。
塔山:ギタリストとしてすごいもんね。寛茂はめっちゃリフのアイディア出してくるんですよ。でも音楽は全然聴かないから、一体どういう人なんだ、と...
藤木:音楽、聴きますよ(笑)。でもあんまり知らないですね(笑)。
──自分の中から自然にリフが湧いてくるんですかね。
藤木:う〜ん...自然というか、生み出します。でも全部難産です(笑)。パッと出てくる時もあるけど、基本難産ですね。
──ではメンバーみなさんRage Against The Machineを念頭に置いてやっているわけなんですね。
美登:そうですね。そういう方向で進んでますね、最初から。
塔山:レイジのすごいところは、僕もいろんな音楽聴いててダンスミュージックとか好きなんですけど、「レイジみたいなバンド」って言われた時に好感しかないというか、すごくいいと思ったんですよ。僕はレイジが1番好きなわけではないけど、そういうバンドだったらやりたいと思って。そう思わせるところがレイジにはあるというか。それから今までのバンドのメンバーとか、見に来てくれてた人、近しい関係の人たちにレイジって言っても伝わらないみたいなところも萌えるんですよ。女性にはわからない、男がかっこいいと思う男のバンド、みたいなのをやりたいという心意気も実はあるんです。それで今逆にすごいと思うのは、結構僕らのライブに女性も来てくれてるんですよ。あのグルーヴの格好良さとか、女性にもわかる人にはわかるんだなと思って、僕の方が全然わかってなかったなと思わされたり。そこはやってみての驚きですね。
美登:逆に新鮮なのかもしれないですよね。レイジを通ってない若い人がライブを見てくれたりしてるし。
Zantö流の曲作りが見えてきた
──今回1st Album『Kill KATANA』を7月4日にリリースされます。曲作りはどのように進めているのですか?
ナカヤマ:基本的には、ベーシックに寛茂のリフがあり、1stに関して言えば1から10まで寛茂がトラック作った曲も3曲くらいあるんですけど、基本は寛茂のリフを聴きながらみんなでいじっていくっていう感じですね。で、オケができたら1stに関してはとりあえず僕が歌メロ入れてみて塔山に渡して、塔山との揉み合いがあり、最終的に上がってきた全体図を見ながら歌詞をはめていくっていう感じですね。
塔山:結構バンドっぽいですよ。健全なバンドっぽい。Nirvanaの言葉じゃないですけどやっぱりミュージックナンバーワンというか。4人で曲に対して1番よくなる形をそれぞれ考えて力を出し合っていくので、音楽が最優先にあるというか。
ナカヤマ:後半やっとそうなってきたよね。曲作りの仕方に関しても僕らまだ試行錯誤しながらやってたので。曲を作ってたのが塔山だけだったけど、塔山はとりあえず僕はタッチしませんと。あなた方でやってみてください、みたいな(笑)。
塔山:前のバンドで全部やってたから、逆にどうやって作ろうかってなったときに、なんとなく自分の方法論はあるじゃないですか。だけどやっぱり誘ってもらって、シンペイさんの中でレイジっていうテーマがあったので、一度テーマを思いっきりぶつけてほしいから、僕が口をだすんじゃなくて一旦みんなの音を聞きたいなと。それで出てきたものをみんなで揉むというか。で、曲のカタができた後にライブで揉んでいくって多分普通のバンドマンは結構みんなやってることなんだと思いますけど、僕は前のバンドでは僕が全部設計図を作ってメンバーに渡してたので、ライブで揉んで曲の形が変わっていくっていうことを経験したことがなかったんですよ。今はライブでお客さんの反応をみてちょっとカタを変えていったり、やりながら変えていくのが面白いですね。
ナカヤマ:歌の譜割りはそれでものすごい良くなったよね。