2ndフルアルバム「ポタリの2」完成! 今まで通りのポタリも、さらには全く新しいポタリの1面もうかがえる、ワクワクの1枚に仕上がった今作。1月30日の下北沢SHELTERを皮切りに、リリースツアー・東名阪ワンマンも控えた彼女たちから、2018年も目が離せない。[interview:義村智秋・安 佳夏(下北沢SHELTER) ]
結成のきっかけはチェーンメール!
——Rooftop初登場になります。まず、ポタリの結成の経緯を教えて下さい。
Vo.鈴木奈津美(以下、なつ):ポタリは、高校1年生のときに「これを何人に送らないと呪われる」っていうチェーンメールみたいな感じで「こんなガールズバンドやりたいです、やりたい人募集」みたいなメールを送ったら、Gt.のえみが反応してくれたところから始まってるバンドで、もともと学校が一緒とかでもなんでもなくて。最初メールがきっかけのメンバーが4人いたんですけど、その後メンバーチェンジもあって今のメンバーになって、5年目です。
Gt.中西詠美(以下、えみ):私がバンドをやりたいっていうきっかけになったフェスがあって、そのフェスのオープニングアクトに出られるオーディションを元ベースの子が見つけてきたんですけど、それに応募して、でも最終選考の前にそのベースがやめてしまって(笑)。そこでサポートであいこに入ってもらって、初めて今のメンバーでライブをしたんです。そこでまさかの優勝をして(笑)。
Dr.茄子川(以下、なすかわ):途中ベースの音が出なくなっちゃったりトラブルもあったからまさか優勝すると思ってなくて、賞金の100万円欲しいよねぇ〜くらいの感じでした(笑)。
えみ:自分が夢をもらったフェスに、自分が出られるということになったのは凄く嬉しかったし、その時から、この4人なら、ポタリならいける! という思いが強くなって。今に至ります。
——めずらしい経緯ですね。ポタリというバンド名は、カタカナ3文字で印象に残りやすいですが、どんな由来があるんですか。
なつ:これは、涙が落ちる、しずく、ポタリ。みたいなインスピレーションで。
えみ:前身のバンドも似た名前で、「ポタポタリボン」略して「ポタリン」って呼ばれてて、それをそのまま使ったというのもあります。
なつ:嬉しい時とか悲しい時とか、気持ちがピークに達した時に涙が出るよなぁって思っていて、そんな、気持ちの動く瞬間に立ち会えるような音楽をつくれたらいいなぁっていう思いを込めています。
——ポタリの皆さんはどういう音楽から影響を受けてきましたか? ルーツとなる音楽、メンバーそれぞれあると思いますが、宜しければ教えて下さい。
なつ:もともとテレビから流れてくる、J-POPみたいな音楽ばっかり聴いてて、浜崎あゆみとか…いわゆる歌手、みたいな人たちしかしらなかったんですけど、バンドっていうのを初めて意識したのはORANGE RANGE。もうめちゃめちゃ世代で凄くハマりました。明るい音楽とか気持ちがハッピーになるような曲が好きです。あとは尾崎豊とかも大好きで、阿部麻央とか、シンガーソングライターのように自分で曲を作って思いを書いてアツく歌うような音楽も自分のルーツになっていると思います。
えみ:バンドにハマり始めたのはELLEGARDENがきっかけで、あとはSHAKALABBITSとかもなんですけど、初めて行ったライブがさっき話したELLEGARDENが出てるフェスで、そこでライブをみて、バンドやりたい! ってなったのが中3の時で、高校に入ったら絶対にバンドをやるって思ってたらタイミング良くメールが回ってきて(笑)。よくわかんなかったけど、そのメールに当時なつが歌ってる動画が載ってて、オリジナルをやってて、同い年でもうそんなことをやってる人たちいるんだって感動して。そこから始まってますね。
Ba.内田愛子(以下、あいこ):音楽に興味を持ったきっかけはASIAN KUNG-FU GENERATIONさんが、NARUTOの主題歌をやってたことです。アニメを観ててその曲がかっこいいなって思ってたら、うちの母がすごくバンドが好きで、家で流したりしていたのでいろいろ知っていきました。ベース的にすごく聴いたなって今になって思うのは、Earth, Wind&Fireとか、Jamiroquaiとかすごい練習したなって、今になって思います(笑)。で、ポタリになってからは、スピッツとかサザンとか松任谷由実さんとか、J-POPに近いものを聴くようになったかなぁ。
なすかわ:ドラムを始めたきっかけは、お姉ちゃんがライブの主催をしてたからです。小学生の頃から地元のバンドの人を観てて、地元の人でもこんな楽器が出来るのかっこいいな〜って。その頃、中学校の先輩にCDを3枚貸してもらって、それがHI-STANDARDとSHAKALABBITSと、GOING STEADYだったんですけど、その3枚を借りてからバンドってめちゃくちゃかっこいいやん! ってなって、主にSHAKALABBITSに影響を受けはじめて。高校入ってからは洋楽ばっかりだったんですけど。メタルとかも聴きます。
ポタリの中のロックを追求したい
——2ndフルアルム「ポタリの2」を聴かせて頂きました。ラブソングが多めという印象を受けたんですが、曲はどんな風に作ってるんですか?
えみ:基本は誰かが主体になって進めてて、できたものをみんなで意見を出し合って変えていったりします。
なつ:こうしたほうがもっと伝わると思うよ〜、とか。
——歌詞は女子としては共感できる部分が多かったのですが、実体験なのかなぁ〜と妄想したりしながら聴いてました(笑)。
えみ:実体験あったかなぁ(笑)。
なすかわ:自分の中から出てるものっていうのはもちろんあるのかなと思います。妄想して書くことが多い人もいたり、人の話聞いてそれ曲にしよう! っていうのもあるし、曲によりますね。
なつ:4人で車でツアーに出たりすることも多くて、そういう時は4人で女子トークみたいなのをずーっと喋ってるんですよ。その会話の中にヒントがあったり、こんなの曲になったらよくない? みたいなのとかもあったり。
なすかわ:不意に生まれる、恋愛トークからの名言みたいな(笑)。これ歌詞になりそうじゃない? って(笑)。そういうのもありますね。
——アルバムの中で特に制作が大変だった曲はありますか。
なつ:う〜ん。「MUSIC」かなあ。
えみ:歌詞をすごい悩みました。主になつが中心で書いたんですけど。
なつ:「MUSIC」っていうタイトルなだけに、メンバーみんながそれぞれの音楽観を書いてくれて、それをどういう方向でまとめようかすごく悩んで。
なすかわ:音楽のあり方ってそれぞれどうしても違うじゃないですか。最終的になつのものにまとまったというか、いい歌詞になったなぁって自分で思っちゃうくらいですね(笑)。
——メンバー間で意見を交換し合う場面が多そうですが、喧嘩とかしたりすることもありますか?
なつ:あ〜、言い合いはありますね。製作中に、ここはこうしたい、とか。
なすかわ:でも、そんなの当たり前だよね、って思っている。
なつ:大きい声を出してもめたりとか、殴り合いとかないけど(笑)。強く意見を言うとかはあるかな。
なすかわ:いいものにしたいもんで。みんなそう思ってると思うから。
えみ:でも、ファーストアルバムを作ってる時よりかは心にちょっと余裕ができたというか、曲を作るにしてもちゃんと1歩引いて聴いたり、時間を作っていろんな言葉を選びながら、ということができたアルバムなのかなって思ってます。前作は作ることに必死で、今できる全てを出したっていう感じだったんですけど、それもあったおかげで、次の作品はもっと前から余裕を持ってみんなでやろうって。
なつ:前向きにできたよね。どんな作品にしたいかって時に、ポタリの中のロックっていうのをちゃんと追求したいということを決めて作り始めたところが前回とは違うよね。前回は必死だった。
——このアルバムをもって、1月30日の下北沢SHELTERからツアーがスタートするわけですが、ポタリの皆さんにとってSHELTERはどんな場所ですか。
えみ:ずっと、東京行くってなった時はO-crestが多かったんですよ。他に長くお世話になってるところもなかなかなくて、でもSHELTERに出た時に、義村さんにインスピレーションを感じたっていうか(笑)。何かを感じました(笑)。
あいこ:波長が合うのかなあ(笑)。
えみ:ちょっと攻めたらちゃんと返してくれるなあっていうか(笑)。次の予定とか聞いてくれるんですよね。相談にものってくれるし、ちゃんと私たちのこと見ててくてるんだなっていうのが伝わって。そういう、コミュニケーションがちゃんととれるのが嬉しくて、また来たいなあって思えるライブハウスだったので、それからSHELTERで結構イベントを打つようになりました。
ずっと4人で音楽を続けていく
——皆さんの、今後の展望や目標などを教えてください。
えみ:ずっと4人で音楽を続けていくっていうのは根底にあって。そこは絶対にそうありたいから、今回のアルバムタイトルも「ポタリの2」ってつけたので。
なすかわ:ずっと自分たちが掲げている目標に「武道館を2daysソールドさせる」っていうのがあって、時間がかかってでもやりたいなっていうのはあります。
なつ:ワンマンライブは1年に1回は絶対にやって、それを続けてその規模をどんどん大きくしていけるようなバンドではいたいなと思います。
——では、最後にRooftopの読者にひとことずついただけますか。
なつ:これで初めてポタリを知ってくれる人が絶対おるもんね。1回曲を聴いてほしいなぁ〜。YouTubeとかだけでもいいから、1回ポタリっていうバンドの音楽に触れてみてほしいし、ライブではまた化けると思うので気になったらライブに足を運んでほしいなと思います。
えみ:アルバムがほんとに自信作になったので。いろんな気持ちになれるいろんな曲ができたなって思ってて、1曲でも誰かに刺さるような曲が入ってるんじゃないかなって。CDを手にとって、歌詞カードとかもこだわってるからそれも見てほしいなって思ってます。
あいこ:フルアルバムとしても自信をもって楽しい1枚になってるし、その曲をライブでやれるっていうのは、自分たちでもまだ見えてないような新しい世界が広がったライブができるなって思うから新しい人にも見てほしいし、今まで応援してくれた人たちでもポタリってこういうふうに成長したんだなってところを見てほしいので、東京のワンマンライブにも、聴いて来てほしいし、自分たちでも楽しみにしています。
なすかわ:気になった方は、YouTubeを観てください。(笑)。そして、気に入ったら、来てください。待ってます!