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鮫肌文殊(捕虜収容所)(Rooftop2017年10月号)

 君は伝説のoiパンクバンド"捕虜収容所"を知っているか? 売れっ子放送作家・鮫肌文殊率いる、80年代の大阪パンクシーンでカルト的人気を誇った"ホリョシュー"が、なんと24年振りにニューアルバムをリリース! なぜ今、再始動なのか? 体力的に大丈夫なのか?(笑)当時の大阪パンクシーンの思い出と共に、鮫肌氏に語ってもらいました。【interview:石崎典夫(LOFT9 Shibuya)】

再始動した理由とは

――24年振りの新作、聞かせて頂きました! 最高ですね、イイ音で聞く『チンコマンコ音頭』は(笑)。

鮫肌文殊(以下、鮫):そうですか、ちゃんとレコーディングしたからね(笑)。

――まず、Rooftop読者の為に“捕虜収容所”とは、どういうバンドかというお話からお願いします。

鮫:もともとは僕が高校生の頃、1982年に結成しまして、当時は文化祭バンドでアナーキーのコピーとかやってたんですけど、それからオリジナルを書き溜めて20歳ぐらいの時に大阪のライブハウスに初めて出て、それこそ難波ベアーズとかその辺のアングラシーンにズブズブ入っていって……。例えばボアダムスのデビューライブで対バンしたりとか。

――え、そうなんですか!

あと、アマリリスとか、少年ナイフとか。関西のシーンってものすごく狭いんで、1人友達になるとみんな芋づる式に友達になるんで、そのシーンで色々やってたんですけど、その内バンドブームが起きて、皆メジャーデビューとかしていくんですけど、僕らのバンドだけ代表曲が『チンコマンコ音頭』なんでそんな話も一切なく(笑)、大阪でシコシコやってたんですよ。

――その後に放送作家デビューされるわけですか。

そう、僕が24歳の時に東京に出て、そのタイミングでバンドも休止したんですけど、やっぱり未練があったんで、1993年に『GREAT COCK HITS』っていう1stアルバムを出したんですよ。それがパンク雑誌の『DOLL』で激賞されたりして、一部カルト的なファンが付いたんですけど、それから活動したりしなかったりの時期が続いて、ちょうど12年前かな、バンドメンバーが死んじゃって、自殺しちゃったんですよ……。それがショックでしばらくバンドを休止してたんですけど、ちょうど僕が50歳になった時、以前、中島らもさんがね、「50になったら俺、好きなことやる」って言ってたのを思い出して。らもさんって50歳になってから、エンターテイメント的な小説をやめて、純文学的な小説を書き始めたり、本当に好きだったバンド活動を始めてみたり。

――前に鮫肌さんにインタビューさせてもらった時の記事(Rooftop2016年11月号)にもありますよね、すごく印象に残ってます。
 

*鮫肌文殊インタビュー「それぞれの心の中にいる中島らもがイベントで復活!」(Rooftop2016年11月号)
 

らもさんに倣って、僕も50歳になった時にそういう宣言するのおもろいなと思って。テレビの仕事はあるんですけど、他にやりたいことはなんだろって思った時に、本を書くことと、バンドをやることで。バンドは捕虜収容所があるから久々にメンバーに声掛けて、それで去年かな、12年振りぐらいに集まって練習してリハやって、今年やっとアルバムを作ったんですよ。その7割が死んで行ったメンバーが作った楽曲なんです、それを形にして残してあげたかったというのがあって……。ある種の弔い合戦みたいな。それが24年振りにアルバムを作ろうと思った動機でもあるんですけど、それでまぁ1年間リハビリで練習を重ねて、やっと皆さんにお見せできるレベルに戻ってきたんじゃないかと。

――去年、新宿JAMでやったライブ映像を拝見しましたけど、すごい鬼気迫るものを感じましたよ。
 


 

あれはまだリハビリ中で(笑)、とりあえずライブをやってみようかと、知り合いの山内圭哉くんが誘ってくれて出たんですけど、ほんとね、バンド始まって以来ですよ。あんなにお客さんがいる中でライブしたのは(笑)。

 

「ウンコ撒いていいですか?」

――捕虜収容所のFacebookページもできてますよね。あれで好きなのが当時の大阪パンクシーンの話で、クレイジーSKBがライブ前に「ウンコ撒いていいですか?」って聞いてきた話とか(笑)。

そうそう、当時そんなのばっかりで、ライブ前日にバカ社長から電話が掛かってきて、「明日ウンコ撒いていいですか?」ってマジなんですよ(笑)。「ちょっとウンコはやめてくれるかな」ってこっちも真剣なトーンで答えたら、「じゃあ、わかりました」って、どういう会話やねん(笑)。当時のパンクシーンではそれが当たり前でしたから。

――“大阪のパンクシーン”って、それだけで独自のものを感じますよね。

当時の大阪のライブシーンって、ひとつのバンドがひとつのジャンルなんですよ、ボアダムスはボアダムスというジャンルであって、この人たちはどういう音楽を聞いて育ったのかが全く分からない、お里が知れない所があって、個性的なバンドが多かったですね。未だにホームにさせてもらっている「難波ベアーズ」という“魔窟”みたいなライブハウスがあるんですけど(笑)、大阪ですら相手にされなかったバンドが、店長の山本精一さんという磁場の下に集まってくる(笑)。当時、保山宗明玉という人がいて、その人はお客さんなんですけど、ものすごく個性的な踊りをするので、客である保山さんに追っかけが付いて、今度こういうライブを見に行きますって保山さんがチラシ配ったら、保山さん見たさにお客さんが来るという(笑)、そういうよくわからん状況もありましたね。

――鮫肌さんから見て、ボアダムスの山塚アイさん(現在の表記は「EYE」)って、どんな方でしたか?

僕ら同じ近畿大学で、アイちゃんが学年が1つ上なんですけど、すごく先輩面してくるんですよ(笑)。で、ずっと僕のことを“鮫肌くん”って呼ぶんで、彼と親しい人に聞いたら、山塚は自分がバカにしている人を“くん”付けで呼んで、認めてる人は呼び捨てで呼ぶって聞いて、それ聞いてものすごくショックで、ずっとアイちゃんにバカにされてたのかと(笑)。あと山本精一さんもホントにスペシャルなミュージシャンですけど、まぁ変わり者で、すっごいネガティブなんですよ。「鮫肌くん、全然あかんわ」、「何もやる気せぇへんわ」とか、前向きな言葉を聞いたことがない(笑)。その2人は当時から目立ってましたね。

 

捕虜収容所 / GREAT COCK HITS VOLUME2

2,160円(税込)

1. 第二次性徴期のうた2017
2. 犯されたら哭けばいい
3. チン毛にシラッガー
4. 生理中の彼女が握ったオニギリが喰えない
5. 宗右衛門町で逢いましょう
6. 人間なんて
7. VIVA LA EVOLUTION
8. レッツゴーホスピタル
9. がんばれハクホウ
10. アイアンメイデン
11. イタリア
12. 女はみんなワキ毛を剃れ! 2017
13. I BELIEVE IN SAKE 2017
14. チンコマンコ音頭

Live info.

『捕虜収容所レコ発ライヴ関西編』

10月28日(土)18:30/19:00 

前売¥2,000(税込)

会場:難波ベアーズ

※予約は難波ベアーズHPにて。