Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー根本宗子(Rooftop2016年7月号)

19歳で劇団を旗揚げし、作・演出を務める根本宗子がロフトプラスワンにて毎月イベントを開催!!

2016.07.01

 月刊「根本宗子」の主宰であり、作・演出を務める根本宗子が放つ極上エンターテイメント・イベント『根本宗子の面談室』。根本宗子が今一番話したい人を毎回ゲストにお迎えするこのイベント、根本宗子が面談したり、されたり...どっちがゲストか分からない回もあるかもしれません!(笑) BILLIE IDLE?のファーストサマーウイカさんがゲスト出演するVOL.3も乞うご期待!(interview:日野弘美&東健太郎[LOFT/PLUS ONE])

中学・高校時代に年間120本ほど演劇を鑑賞

──5月よりロフトプラスワンで毎月イベントを開催していただいている根本さんに、今日はいろいろとお聞きしたいと思います。まず、どうして演劇を始められたのですか。
根本:母親が演劇好きで、小さい頃から歌舞伎とか三谷幸喜さんとか大劇場の芝居をよく観に行っていて、そこに入っているチラシとかを中学生くらいから気にしだして、それから自分でも大きいものから小さいものまで舞台をよく観に行くようになりました。中学・高校と年間120本は観に行っていましたね。そこから演劇をやろうと思った時、最初は役者になりたくて演劇雑誌で見たENBUゼミナールという演劇の学校に行きました。
──ENBUゼミナールで赤堀雅秋さんを講師に選んだ理由は?
根本:当時、学校で講師を選べて、その中でTHE SHAMPOO HATの赤堀さんが好きだったので選びました。最初に赤堀さんの舞台を観た時はあまり好みではなかったんですが、その次にやっていた舞台を観たらすごく面白かったんですよ。当時、演劇人の赤堀さんブームみたいなのがあって、いろんな人が「赤堀さんはすごい」みたいなことをインタビューで言っているのを読んで、どんな人なんだろう? と思って。
──講義を受けてみていかがでしたか。
根本:赤堀さんは、松岡修造さんみたいな熱血先生な感じでした(笑)。もちろんプロの役者さんに教えるのと、生徒に教えるのでは違うんだと思いますけど、「演劇を今後も続けてくれたらいいな」と思って教えてくれていたんだと思います。ただ最近、私もENBUゼミナールの講師をやりだして分かったのですが、学生によってモチベーションが違うんですよ。何となく演劇に興味がある人から、すごく演劇をやっていきたい人がいるし、私の芝居を観たことない人も生徒にいるので、実際やるといろいろとやり方を考えます。
 

自分の名前を劇団名にした理由

──卒業してすぐに劇団を旗揚げされましたが、劇団名の由来は?
根本:劇団を作る時に、グラビア雑誌の【月刊「○○」シリーズ】がもともと好きだったのと、当時流行っていた本谷有希子さんが「『劇団、本谷有希子』という劇団名にした理由は、どんな劇団名を付けてもあとで後悔する気がするけど自分の名前だったら後悔しないと思う」と言っていて、自分も当時ネーミング・センスに自信がなかったので命名しました。
──自分の名前を付けるのは勇気がいるんじゃないですか。
根本:誰も知らない状態で始めたので、私が旗揚げしてもお客さんが来ないんじゃないかと思って、何か引っかかりが欲しくて。劇団名を見て本谷有希子さんのパクリが出てきたのかな?(笑)と、良くも悪くも覚えてもらえやすいかなと思って付けました。
──本谷有希子さんといろいろ比べられたりはしませんか。
根本:最初は本谷さんのパクリかなと思って来て下さった方でも、全然作風が違ったと言われることのほうが多かったです。当時はもっと会話劇が中心で、地味な話が多かったので、どちらかと言えば赤堀さんの演出に近かったです。でも、比べられるにしても全然本谷さんのほうが先輩ですしね。今は特に観に来てもらえたら全然違うのが分かります、多分。
──大森靖子さんとの出会いを聞かせてください。
根本:私が大森靖子さんのファンで、当時インディーズで活動していた大森さんがカバーしていた曲を、その時の『夢と希望もなく』公演に出演していた長井短さんに唄ってもらって、その曲を聴いた私と大森さんの両方を好きなファンの人が繋いでくれたんですよ。そのファンの人が、私が行けなかったライブで、私が大森さんを好きなことをご本人に伝えてくれて、Tシャツとかに「ねもしゅーさんへ」と書いてもらったのを持ってきてくれたんです。大森さんはいつも、誰だか分からない「ねもしゅーさん」にサインを書いてくれていたんです(笑)。そしてそのファンの人が、「どこどこで舞台やっていますよ」と大森さんに伝えてくれたりしていたんです。昨年の『夏果て幸せの果て』という舞台でご一緒するお話をいただいて、そこから大森さんが舞台を観に来てくれたりで、繋がっていったんですよ。
 

ウイカさんと一緒に私の好きなBiSの歌を唄いたい

──年2回の本公演やバー公演、別冊「根本宗子」公演、さらにプロデュース公演など、たくさんの公演をやっていらっしゃいますが、発想はどうやってインプットしているんですか。
根本:劇団の本公演は、自分でどこにいくら予算を使うかなどを考えるので、今一番やってみたいことをやっています。プロデュース公演ではプロデューサーの方と一緒に考えるので、もちろん私のやりたいことが100%やれるわけではないんですが、ある程度制限があったほうがやりがいがありますね。バー公演は、もともと「40分で、女の子だけのコメディ」しかやらないと決めていたんですが、これは本公演よりも気軽に観てもらえないかなと思って始めました。演劇ってなかなか時間が合わないと観れないと思うのですが、土日だけ1ヶ月間やっていれば、おためしで観に来てくれるかな、と。結果、バー公演を観に来ていただいたお客さんが本公演も観に来てくださることが増えました。あと別冊公演は、実験的なことをしようと思って、最初は小劇場であまり女性の一人芝居をやっていなかったのでやってみました。でも、だんだん増えてきたので一人芝居はやめました(笑)。
──初の本多劇場での上演となる第13号『夢と希望の先』公演への思いなどありますか。
根本:どんな劇場でも全力で作っているのでお芝居の作り方が変わるってことはないですが、今までも劇場が変わった節目の公演というのは印象に残っていて、特に本多劇場からは観に来てくれるお客さんが変わるということは感じますね。自分の今の作風だと、一番後ろの席のお客さんまで伝えられる限界が本多劇場だと思っています。それより大きい劇場になると、それなりの「見せる演出」が必要になってくるとは思っています。でも、大きな劇場にどんどん行きたい気持ちばかりではなく、スズナリとかでしかできないこともあるので、これからもスズナリではやっていきたいです。
──最後に、次回7月20日の『面談室 VOL.3』で共演するウイカさんへの思いをお聞かせください。
根本:もともとBiSが好きだったので、ウイカさんのことは知っていたし、女優さんをやっていたのも知っていたのですが、BiSくらい有名なアイドルだったのに、今もアイドルと女優のお仕事をどちらも精力的に続けていて、本当にすごいなって思っています。7月20日には、アイドルのこともお芝居のことも両方お話しできるのですごい楽しみです。あと、私が好きなBiSの歌を一緒に唄ってもらえたら嬉しいです(笑)。
 

LIVE INFOライブ情報

根本宗子の面談室 VOL.3
【出演】根本宗子(月刊「根本宗子」)
【ゲスト】ファーストサマーウイカ(BILLIE IDLE?)
【日時】2016年7月20日(水)OPEN 18:30/START 19:30
【チケット】前売 2,500円/当日 3,000円(税込・要1オーダー500円以上)
※前売チケットはe+にて7月2日(日)12:00より発売。
※6月30日の公演で先行発売したチケットをお持ちの方が最優先で入場できます。
【会場&問い合わせ】新宿ロフトプラスワン 03-3205-6864
 
 
月刊「根本宗子」第13号『夢と希望の先』
【出演】橋本愛、玉置玲央、プールイ、鬼頭真也、小野川晶、大竹沙絵子、長井短、墨井鯨子、鈴木智久、尾崎桃子、根本宗子
【日程】2016年9月28日(水)〜10月2日(日)
※タイムテーブルは後日発表
【会場】本多劇場(東京都世田谷区北沢2-10-15)
※チケットは各プレイガイドにて2016年8月上旬発売開始予定。
 
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