Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー豆魚雷(Rooftop2016年4月号)

輸入トイSHOP・豆魚雷が今年で20周年!

2016.04.01

知らない人は全く知らないが、知ってる人はものすごーくお世話になっている輸入トイSHOP・豆魚雷が今年で20周年! 日本のポップカルチャーを彩る様々な各界の著名人も愛してやまないこのお店。昨今のアメコミ人気はいわずもがなですが、アメコミ以外のフィギュアも実はたーくさんあるんです! お店の成り立ちから扱っている商品のこだわりまで、20年を経た豆魚雷の今を聞きました。[interview:齋藤航(Naked Loft)]

開店→即日閉店の危機!?

ーそもそも20年前の1996年に『輸入トイ専門店』をオープンするというきっかけは何だったんですか?
黒須:社長の岡島は、もともと古着屋をやるつもりだったらしいんですが、アメリカまで古着の買い付けルートの開拓に行った時、友人に頼まれたアメリカントイのアクションフィギュア雑誌を現地で買って持ち帰りまして、帰国してから興味本位でFAXで注文して個人輸入してみたのが楽しかった、っていうのがきっかけですね。開店と同時期に出たばかりの『アメイジングキャラクターズ』という書籍も「原点だ!」と言ってました。
ーあの本は自分も持ってましたよ。豆魚雷さんとも関わりが深いイラストレーターのロッキンジェリービーンさんのイラストが表紙でしたね。あれはスポーンブームの当時にアメトイブームを決定的にした本でした。
黒須:それで大宮の一号店は、オープン初日にお店の商品が全て売り切れまして。
ー全て! 二日目はどうしたんですか?
黒須:もう、いろんなところからかき集めて、大変だったみたいです(笑)。スポーンが流行っていたころは、店のバックヤードにまでお客さんが入ってきちゃったりして。まだあるんだろ! って。
原田:アメリカントイのお店として認知されていると思いますが、お店としては【『キャラクター』を売っているお店】という風に説明していますね。もちろんトイが中心になっていますが、Tシャツも雑貨もコミックも扱っていますし、そういったモノが好きな人が集まるお店ですよ、という意味で。
ー20周年記念ということで、HPには本当に豪華な著名人の皆様からの記念コメント(イラスト含む)が掲載されていますが、これはどうやって集めたんですか?
原田:基本的には、自分と黒須のイベントや、ニコ生などの活動からの繋がりがほとんどですね。いや、ご来店いただいている方や、通販をご利用いただいている方や、商品が届いたとツイートしていただいている方々で有名な方もいらっしゃるんですが、それをきっかけに「伝票で見ました! ○○さんですよね!」とご連絡することはできないですからね(笑)。単純に僕たちが人見知りな部分もあって…。感謝の気持ちを込めてRTするぐらいが限界ですね(笑)。コメントを寄せていただいた方からご紹介いただいた方も、たくさんいらっしゃいますよ。
 
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韮沢靖さんとの思い出

一昨年の豆魚雷主催のイベントにゲスト出演していただいた、デザイナーの韮沢靖さんとの思い出は…。
原田:高円寺店がオープンする日、開店前からヒロモト森一さんと一緒に並んでいただいていたと聞いてます。20周年記念にあたって当時のお店の写真を集めたんですが、韮沢さんのお写真ばっかりで…。
ー相当なレベルで常連だったんですね(笑)。
原田:基本的にいつもいらっしゃっていたみたいです。
黒須:当時、平日はほぼ毎日って感じだったらしいです(笑)。韮沢さんがクリーチャーデザインでヒロモト森一さんが漫画を描かれた『荒野の女囚ライダー』では豆魚雷限定版のフィギュアを出したこともありました。
ーイベントでは昨年、界隈で異常に話題だったあの映画のすごい裏話も話していただきましたよね。
原田:あの話は相当、貴重な話だったんですよ。完全に表に出ていない話なので、クローズドの空間でしか話せないとあとでおっしゃっていました。
ーそうだったんですね! それも豆魚雷さんとの信頼関係からだったんでしょうね。
 
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最近これキてる!

ー最近の売れ筋はどんな商品なんですか? やっぱりスターウォーズ関連とか?
原田:それがねぇ…。スターウォーズはそんなにキてないんですよ。
黒須:ウチはストロングスタイル(笑)! プレデターとかが相変わらず出てます。
原田:あまりに一般化したものは弱いかもしれないです。もっとニッチな…メーカーでいうとNeca(#1)とか(笑)。そういえば今度、Necaのフィギュアの原型師を東京観光案内することになりました。中国に行っていた時に、そのへんをジョギングしていたアメリカ人から「それ、映画『ゼイリブ』のTシャツだろ!?」って急に話しかけられまして。そんなきっかけで知り合いました(笑)。主演のロディ・パイパーと肩組んだ写真とか見せられて、聞いてみたらお互いフィギュアの仕事をしていて…って。
ーよりによって15億人もいる中国でよく知り合えましたね(笑)。
原田:勝手に映画『IT-イット-』のフィギュアの原型を完璧に作って、「これを出せ!」って会社にかけあったりしているみたいです。聞いてみたらNecaの原型師はみんなやっぱりみんなオタクですね。
黒須:あとはMezco(#2)が最近良いですね。
ー海外メーカーの商品で、豆魚雷限定の商品も多くあるようですがどうやって決まるんですか?
原田:Mezcoから出した映画『キックアス』のヒットガール・リビングデッドドールVer.はこちらから企画を出しました。でも基本的には向こうから指定されることが多いですね。最近キてるメーカー…というかずっとなんですが、やっぱりキャラクターへの愛のある商品を出しているメーカーはいいですね。映画などの作品のキャラクターを実物のままに作るというのも、もちろん素晴らしいんですが、愛のあるアレンジがあるとこちらも嬉しいです。そういうメーカーの商品はやっぱり売れますね。
黒須:チョイスも、DCコミック系の新シリーズラインナップにいきなり『シャザム!』とかマイナー寄りな作品があったりすると、『我慢できずに作ってしまった感』が伝わります(笑)。
ーNecaでもプレデター目線の色変えサーモカラーフィギュアとか、ゲーム魂斗羅Ver.とか、それ出す!? って感じのアレンジ商品は狂ってますよね。
原田:会議のブレストで出るような、笑い話で終わりそうなアイデアをそのまま商品化している感じ(笑)。もう原型師が先に作っちゃってから上層部にプレゼンしてるんじゃないかな?
黒須:それぐらい本気度が凄い。この作品が売れているからこれを出しておけばいいんでしょ、的じゃ全くない。
 
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LIVE INFOライブ情報

4月29日(金・祝)
【豆魚雷のアメイジングコマンドーDX】
門外不出の創業20周年記念トークライブ!@ネイキッドロフト
 
【ゲスト】ギンティ小林(映画秘宝ライター)and more!
【出演】原田プリスキン、B.黒須
 
<第一部>~アメリカン・キャラクターのココノトコ20年史~
<第二部>「キャプテン・アメリカ シビル・ウォー」公開記念!~観てはいけないアメコミ映画~
<第三部>大プレゼント大会
 ■20周年限定カラーTシャツの販売アリ!
 
※前売詳細はネイキッドロフトスケジュールページにてご確認下さい。
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