Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューHANAKUSONS(こういちハナクソン(大堀こういち)・とおるハナクソン(細川徹))(Rooftop2016年2月号)

世の中のあらゆることが“どうでもよくなる”伝説の脱力ユニット、いよいよロフトプラスワンにて再始動!

2016.02.01

「ハナクソンズ」とは...? 役者・大堀こういちと、脚本家/演出家・細川徹が作った"脱力映像"(しかも全てVHS!)を、3時間以上かけて上映しまくる謎のユニット。2月20日(土)ロフトプラスワンにて8年ぶりとなるトークイベント開催決定!【Interview:石崎典夫/一木義彦 (LOFT /PLUS ONE) 】

どうせオレたちハナクソレベルだし……

──それでは「ハナクソンズ」結成の経緯からお聞かせください。
大堀こういち(以下:大):まず「ハナクソンズ」の前に、「VTRS」(ブイティアールズ)っていうユニットをやってたんだよね?
細川徹(以下:細):そう、寸劇あり映像あり、最後にちょっとトークみたいな。このイベントで初めて、それぞれが映像を作ったんですよ。
大:その時って、2人ともトークとかしたことがないから、なんかモジモジしちゃってね(笑)。
細:うん、終わって幕が閉じた途端に「失敗だっ!」って叫んで(笑)。まだお客さんいるのに(笑)。
大:「ダメだぁ〜!」って(笑)。なにを見せたいのかもよく分かってなかったよね。それで話し合って、映像をもっと見せようってことになって。
細:で、「VTRS」っていうのもアレだし、なんかオレたちにふさわしい、どうでもいい名前にしようとなって「ハナクソンズ」に変えたんです。どうせオレたちが作る映像、ハナクソレベルだってことで(笑)。
大:基本的に自分達で撮って編集するわけですから、たいしたモノできねーなって(笑)。
細:大堀さんは、パソコンに基本で入ってるフォントとかエフェクトばっかり使ってるから、ホームビデオみたいなんだよね(笑)。テロップの位置とかも変なんだけど直せない(笑)。でもこれはプロじゃ出せないアジだから。
大:すべてが妥協だから。やっぱりハナクソ作品だっていうね(笑)。
 

都会の笑い、わかんねぇんだな!

──「ハナクソンズ」名義でDVD『HANAKUSONS』も出されていますよね?
大:あぁ、あれはシュールなビデオだよね。アレって「男子はだまってなさいよ!」の事務所で撮ったんですよ。クーラーが無いから、とにかく暑くて、そこにカメラセットして、2人きりで……オレたち何やってんだって(笑)。
細:こんなもん発売しちゃダメだよ(笑)。
──その2人のトークに副音声を付けているのには笑いました。トーク観ながらトークしてるみたいな。
細:おんなじ奴らが(笑)。
大:田舎の友達に「お前が監督でDVD出したのか!」って言われてDVDあげたら、「なにがおもしれぇんだか全然わかんねぇんだよなぁ」って。「コレもういらねぇよ」って返されて(笑)。
細:やっぱ都会の笑いだから(笑)。
大:そう!俺、言ってやったよ!「お前らは都会の笑いわかんねぇんだな!」って(笑)。
細:都会の笑いってより、ただ貧乏くさいだけだよね、四畳半だし(笑)。
──ビデオって何本ぐらいあるんですか?
大:旅行用のバッグにパンパン。チャックが閉まんない。もう捨てたくなるんだよ!(笑)
細:捨ててもいいやつもあるでしょ(笑)。
大:いや、でも捨てられないじゃない(笑)。しかし「ハナクソンズ」の時はイイ加減に撮ってたねぇ。
細:1回のイベントで5本ずつくらい撮って撮影日数は全部で3日くらいだよね。
大:大体、細川君の家で撮ってた気がするなぁ。
細:家とか、知り合いの家とか、道とか……。
大:そう、道が多いんだよね(笑)。
──土手とかも(笑)。
細:学生の自主映画だと学校も使えるじゃないですか? だからまだ色んな画が撮れるんだけど、俺たち学校が使えないから道と土手(笑)。だからロケーションが学生映画以下なんだよね(笑)。そういえば大学生の時、成城の映画研究部だったから多摩川の土手で映画作ってたよ。卒業しても同じ事やってるなって思ってたもん(笑)。
 

カバンを開けるところから始まります!

大:時間があったら新作も撮りたいよね。
──構想はあるんですか?
大:構想ですか? 全くないです(笑)。あんまりムリしてやると、結局やらなくなっちゃうんですよ、だからゆる〜い感じでね。最近はみんな映像作るの上手いじゃないですか? だから、たまには足りない作品を観てもいいんじゃないですかね(笑)。
細:現代の上手い人たちが失ってしまった「何か」はあるね。ヘタなところに「何か」がある……いや、なんも無いか(笑)。そういえば、「ハナクソンズ」の映像って、関係者とか一緒に仕事をしてる人に観せたコトがないんですよ。これを観せて誤解されるのイヤだから(笑)。
大:このセンスだと思われたら困るし(笑)。
細:オレが全部の作業やったら本当はこうなるわけだからね。
大:商業映画は全部やらないもんね(笑)。
──では最後に、イベントの見どころをお願いします!
大:今回のライブは8年ぶりなんで、VHSテープが眠っていたカバンを開けるところから始まります!(笑)
細:そんなの売りになんないよ!(笑)。2500円出してカバン開けるとこなんか見たくないでしょ!
大:カバンのホコリを落としたり。
細:ホコリは舞台上がる前に落としてきて!
大:分かりましたよ、ホコリは落としてキレイな形で持っていきますよ。だからそれぐらいのワクワク感でやりたいと思います(笑)。
細:でも、8年前より人間としてはいいかげんになってるから、楽しいイベントになるんじゃないですかね? 映像は8年前に撮ってるから、クオリティーは仕方ないですけど。
大:じゃあ途中でフォークシンガー小象が出てごまかす?
細:えっ!? だって俺が「2部は小象でいきますか?」って言ったら「大丈夫だ!オレたちだけでオールOK!」って言ったよね(笑)。矢沢みたいに(笑)。でもホントにクオリティーの低い映像じゃないですか。カメラも質も。だから本人も見せたくない映像が観られますよ、と。そういえばビデオ自体にもしばらく触ってないけど……、ちゃんと再生できるかな?
大:ビデオメインのイベントなんだから、そこはちゃんとやってくれ!(笑)
 
■細川徹(twitter
脚本家・演出家・映画監督。ドラマ『新★乾杯戦士アフターV』(DVD発売中)シリーズ監督、ドラマ『となりの関くん』(DVD発売中)脚本・監督。今秋、劇映画二作目『オケ老人!』(主演:杏)待機中。
舞台『男子!レッツラゴン』やラバーガールライブの演出、アニメ『しろくまカフェ』のシリーズ構成、
サンリオピューロランドのショーの演出など活動は多岐にわたる。
 
『あぶない刑事にヨロシク』
作・演出舞台 細川徹
2016年4月14日(木)〜4月24日(日) 本多劇場
 
■大堀こういち(BLOGtwitter Official Site
劇団健康(現ナイロン100℃)に旗揚げより参加し、92年脱退。2000年より温水洋一氏との強烈異才ユニット「O.N.アベックホームラン」を結成し、現在までに6回の公演を行う。またフォークシンガー小象(しょうぞう)というキャラクターで、地味に音楽活動もし、ソロライブの他、小林顕作氏(宇宙レコード、コンドルズ)との「フォークデュオ(羊)」ライブや、ソラミミスト安齋肇と『フォークパワージャパン!!東北ツアー』を敢行するなど、多種多様な動きをみせている。
近年は映画やドラマに数多く出演もし、ハッチャケパフォーマーとしてジャンルにこだわらずに精力的に活動中。
 
出演舞台
『【最終章】學蘭歌劇「帝一の國」−決戦のラストダンス』
2016年3月17日(木)〜3月27日(日) アイア2.5シアタートーキョー
 
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LIVE INFOライブ情報

『HANAKUSONS 8年ぶりだよ!ハナクソンズ!〜THE BEST〜』 
【出演】とおるハナクソン(細川徹)、こういちハナクソン(大堀こういち)
2016年2月20日(土) LOFT/PLUS ONE
open 12:00/start 13:00
【料金】前売 全自由¥2500/当日未定(税込・要1オーダー500円以上)
※小学生以下無料(但し大人(中学生以上)1名につき1名まで。要保護者同伴)
(問)H.I.P. 03-3475-9999
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