Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューJUMBO MAATCH、RYO the SKYWALKER、NG HEAD(Rooftop2016年2月号)

なにわレゲエ界を代表する3人がLPOWに集結!このイベント、ホントにホントに歴史的なんです!

2016.02.01

90年代初期から大阪のレゲエシーンを牽引してきた、JUMBO MAATCH、RYO the SKYWALKER、NG HEAD。更なる高みを目指す3人が選んだ次の活動は、ズバリ「レゲエを語るトークイベント」。日本レゲエ界初の試みを控えた3人に、インタビューを敢行。記念碑的なものになるであろうイベントを前に3人は何を想う!?[interview:松井良太/平松克規(Loft PlusOne West)]

なにわレゲエの黎明期

——みなさん90年代初期の頃から活動されているとのことですが、どのような関係性なのでしょうか。
RYO(以下:R):「トキワ」っていうレゲエグループで一緒にやってた仲間ですね。NG HEADがリーダー的な存在で一番先にマイクを握ってて、僕やJUMBOもそこに集まって次第に歌うようになりました。懐かしいですね、もう20年くらい前の話です。
——当時はどのような活動をされていましたか。
R:最初は大阪だけでしたけど、じわじわ全国でも知ってもらえるようになって。営業でいろんな場所に歌いに行くようになりましたね。その頃は、東京でもレゲエシーンがどんどん出てきた時期で、大阪と東京で情報交換するようになって繋がりも生まれて。僕もそうですけど、ジャマイカに行く人が現れたりしましたね。
——その頃から大阪でレゲエ文化は活発でしたか。
R:そうですね。もうすでにシーンもありましたし。
JUMBO(以下:J):80年代後半からいろいろとあったみたいですけどね。
——やっぱり大阪はアメ村を中心とした文化だったんでしょうか。
J:基本はそうですね。梅田にもあったみたいなんですけど、そんなに大きくなかったんで。
R:梅田はもっと普通のお客さんを取り込んでいたイメージがありますね。
J:確かに。梅田の方はバー要素が強かった。よりクラブっぽいのがアメ村でしたね。
——キタとミナミでやっていることに差はありましたか。
R:そこでの差はそんなに無かったですね。やっぱり90年代初期やと、ジャマイカ人がレゲエで歌っていることを日本語でもやりたいっていうのが、みんなの中にまずあったから。
J:一番始めはジャマイカ人の言ってることをそのままコピーしてたんですけど、日本の国柄と合わないことも出てくる。それをまたこっち側で消化して、ドンドン日本独自のものにしていきましたね。
——その頃はどこから情報を得ていましたか。
J:レコード屋と『リディム』っていうフリーペーパー、それと『レゲエマガジン』って雑誌かな。あと日本人で最初にレゲエDJをしたRANKIN TAXIさんが放送してた『ナッティ ジャマイカ』(FM802)っていうラジオ番組もよく聴いてました。
R:その番組ってFM802の開局から30年くらいずっとやってた番組なんです。終わる頃には、一番の長寿番組になってましたから。RANKIN TAXIさんとダンスホールDJの元祖であるV.I.P.CREWのBOY-KENさんは、レゲエをやる上でもよくお手本にしてましたね。
——大阪のクラブ文化ってアメ村だと思うんですけど、色んなジャンルの人がいるじゃないですか。そことの繋がりはあるんですか。
NG (以下:N):HIP-HOPはライブの形式も似てるから、繋がりも多いですね。というか、昔はレゲエとHIP-HOPはマイノリティーすぎたから一緒にやるしかなかったんですよ。
R:大阪には大阪のHIP-HOPシーンがあるんですけど、やっぱりレゲエと仲が良いですもん。全国的にもそうなんちゃうかな。
——ずっとレゲエをやってるお三方から、現在のレゲエシーンはどのように写っていますか。
N:シーンは大きくなったけど、ほとんどの人がレゲエの表面的な部分しか見てないって印象ですね。ハイエストマウンテン(日本最大級の野外レゲエフェス)も面白くて素晴らしいですけど、そこにいるほとんどの人がまだレゲエの濃い部分を見てくれてない気がしますもん。
R:ハイエストを入口として、もう一歩踏み込んで欲しいよね。
 
 

「レゲエを語るトークイベント」という初の試み

——ハイエストマウンテンを見ていると、最近レゲエがスゴい盛り上がってるなと思いましたが、やっている側の心中は複雑なんですね。
J:ライブは良いんですけど、それ以外のアウトプットがレゲエには全然無いんですよ。RHYMESTERの宇多丸さんとK DUB SHINEさんの『第三会議室』(スペースシャワーTV)イベント版を、新宿のロフトプラスワンでやってるじゃないですか?「ええなぁ」って憧れてたんです。こういうのがないとレゲエも外に広がっていかへんなぁと。
——それでロフトプラスワンウエストでレゲエのトークイベントをやろうと。
J:そうですね。去年、ロフトプラスワンウエストであった『ブレス式』(太華とSharLeeによるHIP-HOPを語るネット番組)のイベントに、飛び入りゲストで出たんです。それがスゴく楽しくて、改めてこういうイベントがレゲエにも必要やなって思いましたね。そのイベントの担当だったロフトの松井さんも同じことを思っていたみたいで、声をかけてくれました。
——「レゲエを語るトークイベント」自体初めての試みなんですよね。
N:そうなんですよ。ライブが無いトークだけのイベントって、俺らにとっても初めてのことやし、お客さんにとっても初めて。だからどういうものかをちゃんと伝えていかなアカンな、と思いますね。ライブがあると思って来られても困るし。
——何で今までレゲエのトークイベントをしてこなかったんでしょう。
R:やっぱり若い頃の俺らには、トークイベントなんて絶対出来なかったんですよ。自分たちがそんなに偉そうにレゲエを語れる訳ないし、語るよりアーティストとしてやらなアカンこともあったから。取材もなかなかしませんでしたし。
J:「俺らの言いたいことは歌に全部入ってる!」って思ってたからね。
N:この年齢やから出来るようになったっていうのはあるよね。
——ロフトプラスワンでも10年くらい前から、ロックの人がトークイベントをやり始めたんですよ。その人達は当時40歳くらいでしたね。
J:俺らと同じ年代ですね。
R:それとシーンが大きくなったっていうのも要因としてデカいですね。レゲエのことが全然知られてないのにレゲエに関するトークしても、「何それ?」ってなるでしょ。年齢とシーンの成長が、今回のイベントをやるキッカケになりましたね。
——レゲエファンの分母を増やしたいと思いだしたのも、年齢を重ねてからですか。
R:いやそれはずっと思ってますね。まぁ増えたらいいって訳でもないですけど。増やし方も大事なんで。
N:深くて濃い部分を面白がってくれる人を増やしたいんですよ。さっきも言ったけど、俺達的に見せたいのはレゲエのもっと深くて濃い部分。昔はそこまで聴いてくれる人を相手にしてたと思うんですけど、最近は上辺だけの人が多いから。
J:外に向けるだけじゃなく、知識を深めるためのイベントやとも思うんで、レゲエ好きの人にもトークイベントの面白さを知ってもらいたいですね。
——初めてトークだけのイベントをすることに不安はありますか。
N:不安ねぇ……。酒入って言うたらアカンことを言うて、誰かに怒られるんじゃないかってことくらいですかね(笑)。
R:誰かの家で飲んでるみたいになってな(笑)。イニシャルトークにする?
J:こんな狭い世界でイニシャルトークしてもバレるわ(笑)。
——そういう際どい話がボロボロ出てきて欲しいです(笑)。さて2/18(木)にロフトプラスワンウエストで開催されるイベントは、どのようなものになりそうですか。
N:なにせ初めての試みなので、正直俺らでもどんな感じになるか分からないですね。でもレゲエについてはしっかり話すので、「なんじゃこら」ってなることは無いはずです。
J:イベントで流す昔の映像資料とかを色んな人に頼んでるんですけど、もう自分でもドキドキしてます。ここで見れる映像や画像はめちゃくちゃレアですよ。
N:俺らも見たことないものが沢山出ると思います。
J:というか、触れたくないものもね。
——見たくない映像もあると(笑)。でもそういうのを今、笑いながら見るのも素敵ですよね。
R:今だからこそ見る覚悟も出来てるしね(笑)。
——では最後にイベントに来ようか迷っている方へメッセージをお願いします!
R:初心者から上級者まで楽しめるイベントになると思います。レゲエにハマりたての人には、イベントで初めて知ることもあるやろうし。詳しい人は、昔を懐かしみに来て下さい!
J:大阪のレゲエの中では新しい試みなので、ぜひそのイベントの当事者になって欲しいです!
N:ホントにゼロから始まるイベントなので、俺たちだけじゃなくて、来てくれるお客さんとみんなで作っていきたいですね。第1歩目を一緒に刻みましょう!
 
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LIVE INFOライブ情報

2016年2月18日(木)
とんぼり文化祭 2016冬
オレラガ! ~なにわレゲエ座談会~
 
OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥2,000 / ¥3,000(共に飲食代別)※要1オーダー500円以上
 
前売券はイープラス、チケットぴあ、ロフトプラスワンウエスト店頭&電話予約にて12/29(火)発
売開始!(イープラス、Pコード:631597)
 
※ご入場は各種プレイガイド並列入場→店頭電話予約→当日の順となります。
電話→ 06-6211-5592(16時~24時)
 
【出演】
JUMBO MAATCH
RYO the SKYWALKER
NG HEAD  
【GUEST】
PROFESSOR CHINNEN , OBA-P (STEREO CRAVA) , ROTTON (kette)
【SELECTOR】
KYARA (MIGHTY JAM ROCK)
 
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