Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー渡辺千春(おせっかいサロン代表)×オケタニイクロウ(Rooftop2015年4月号)

ナベ会を主催しまくる特撮好きな男と人の相談に乗ることを主にしたサロンを経営している男の邂逅!

2015.04.01

 ラジオ・パーソナリティにして俳優、ナベ会主催で生活し、世の中の<変わったもの>が大好きなオケタニイクロウが目をつけた、「おせっかい社長」とのトークライブ! パッと聞いただけではサッパリ分からない肩書のふたりが開催する、なんだか押しの強そうなライブの全容とは!?[interview:齋藤 航、小柳 元(NAKED LOFT)]

怪人ナベ男、週3で呑み会

──そもそもオケタニさんは何の人なんですかね?
オケタニ:できることがいっぱいある人! 無限の可能性を秘めた若手!
──はい(笑)。ではいわゆるサラリーマンでない仕事をしつつ、ネイキッドロフトでレギュラー・イベント開催に至るきっかけは何ですか?
オケタニ:バイト先の友達の演劇を観に行ったことですね。最初はお笑いがやりたかったんですけど、進学校から一人だけドロップアウトする勇気もなく。でも、俺がやったほうが面白いと思ったんですよね。この人たちよりは上へ行くぞっていう根拠のない自信だけはありました。それで劇団☆新感線のいのうえひでのり先生のクラスを出て、演劇の登竜門と呼ばれるオーディションも全部受かったりと、演劇ではエリート街道だったんですけどね。でも、ホントはラジオがやりたかったんです。演劇をやっているうちに「なんか俺、普通に演劇やってしまってるわ。そんなんやりたかったんじゃないのにな」と。それまでパソコンなんて触ったことなかったんですけど、ポッドキャストで2005年に番組を始めました。ポッドキャストは日本ではその時まだ数ヶ月目で番組も少なくて、これはすぐ1位になれるわ! と思って。でもそのうちやっぱりネットでは我慢できずに、生でトークライブをやりたくなっちゃって…最初は下高井戸でやったんですよ。普段は居酒屋で、空手の道場にも貸してるっていうバーで(笑)。その時のゲストの森若香織さんから「オケタニさん、ロフトでやればいいじゃん!」ってネイキッドロフトを紹介されたんです。
──ラジオやイベントはどんな雰囲気なんですか?
オケタニ:世間ではマニアックだと思われている自分の趣味を、OLにも分かって欲しいんです。OLが聞いて分からない話はオタクだと思ってますから。僕は絶対にオタクじゃないので、特撮とかボディビルとかを紹介する時もOLが分からないような説明はしないって決めているんです。
──OLさんでも分かるようにっていう観点でイベントやっている人、ロフト界隈では少ないかもしれません。それとオケタニさんと言えば、ナベ会の主催で生活されてますよね。
オケタニ:最初は「オケタニ会」っていう居酒屋の呑み会があったんですよ、週3で。
──結構な頻度で(笑)
オケタニ:すぐそこ(新宿)の魚民で。でも30回目ぐらいで若手たちが「お金がもたない」って言い出したんですよ。自分もお金がなくなってきて、じゃあ家で、と。それなら会費も抑えられるし。あと、ナベ会の一番いいところは「今度呑みに行きません?」ってちょっと言いづらい人にも「ナベ会を病的にやってるんです」って言うと、みんな興味を持ってくれるんです。売れてる先輩だとか、たまたま知り合った女の子とか。それぞれ必ず一人で来るっていうルールがあるんで、来ればとりあえず知り合いは増えます。あと下ネタ言わない人を選んでます。ライブでも下ネタ言わないって決めてますし、いくつかルールはあります。
 

会社を畳んで「おせっかい」に専念

──渡辺社長! ずばり何の人なんですか?
渡辺:最初はサラリーマンでした。もともと大学時代はものまねタレントになりたかったんですけが、ちょうどその頃コロッケさんが出てきちゃって…ちょっと挫折感を味わいながら、これはムリだと印刷会社で営業をやってました。3年目ぐらいに父が倒れて、印刷工場を継いだんです。それで20年やってきて、『「出会い」戦略』という倉田俊相さんが書かれた本に出会いました。若い人たちが人脈を構築したがっているっていう本で、最後に交流会のお知らせも書いてあったので参加したんです。こんなおじさんだけど、大丈夫かなって(笑)。その時に、当時27歳のITの若手経営者の男の子が「尊敬できる大人がいなくて、それを探しに来ている。相談できる大人とか格好良い大人がいない」って。それを聞いて愕然としちゃった。僕が20代の頃はおせっかいなオジサン、オバサンがたくさんいて、背中を押してくれた人がたくさんいたのが今はいないのか!? と。それを聞いてから草の根活動でもいいから、仕事しながらでも若い人の背中を押せる活動ができたらいいなと思ったのがきっかけで、ランチ会、交流会、カウンセリング、相談みたいな形で印刷工場で話を聞く会をやり始めました。その後、例の3.11の大地震があって…。それ以降、いわゆる「おせっかい」の需要が増してきました。そんな中で、泣き顔で相談に来た人がいろいろ話した後に応接室で笑顔になっているのを見て一念発起しまして、翌日の朝礼で社員の前で辞めるぞって言って。
──20年以上続いた印刷会社を!? 社員のみなさんはどうしたんです?
渡辺:ハトが豆鉄砲喰らったような顔してましたね(笑)。もちろん社員には家族もいるんで、親戚の印刷会社にお客様付きでみんな渡して。嫁と娘にも「給料が少なくなるよ」と話して(笑)。それで2011年10月11日、恵比寿で「おせっかいサロン」をオープンしました。徐々に口コミで広げて頂いて、今は自分が生まれ育った浅草橋に引っ越して3年半経ちました。
──出会いの場と言うと、やっぱり男女の出会いや合コン的な意味に捉えられがちではないですか?
渡辺:そうですね。そんな「おせっかい」もしてます。8組くっつけました(笑)。でも一番はやっぱり誰か頼らなくちゃいけない、頼る人がいたほうがいいって思っているんですよね。そういう人が一人でも来てくれればいいなと。
──社会人は所属している会社の繋がりだけだったりしますからね。無趣味な人も増えてます。
渡辺:「おせっかい」ってどっちかって言うと悪い言葉じゃないですか。でも《「節」度ある「介」入》で「おせっかい」なんです。その意味合いを強く言ってます。去年から東京都で「お節介化計画」っていう子どもたち向けの運動が始まったんですが、大人にも必要ですからね。フジテレビでも『未来ロケット』っていう番組があって、「若者の夢を応援するおせっかいバラエティ」っていうんですよ。そういうスペースの中で、仲間づくりとカウンセリングと人生、人間関係、仕事、あと恋愛関係のおせっかいをしたり、仕事を紹介したりしているんです。
──プライベートに始まって仕事にも活かせるっていうことですね。今までいろんな人が来ていると思うんですけど、相談者のエピソードは何かありますか?
渡辺:GILLEっていうアーティストがいまして、彼女を5年間ぐらいおせっかいしてました。一緒に泣いたり笑ったりして、ようやく2011年にAKB48の『フライングゲット』の英語カバーでメジャー・デビューしました。結構ミュージシャンもウチに来てますね。この前はハウス加賀谷さんも来てくれました。やっぱり、その人が夢や目標を達成してくれると本当に嬉しいんですよね。それが一番です。
 

ロータスさん(?)と、伝えたいホントのトコロ

オケタニ:渡辺さんが本当は何者なんだろう? っていうのはライブっていう体だと聞きやすいんじゃないかと。自分と同じこと思っている人が渡辺さんの周りにもいるんじゃないかな? というのが本当の動機です。まぁ、ライブで渡辺さんのことがすべて知れるわけじゃないですけど、普段あえて聞かないこととかをちょっと聞いてみたいと思います。まだ告知してないゲスト・コーナーもあるんですよね。
渡辺:ロータスさんを呼んで、話します!
──…ロータスさん?
渡辺:ウチの会員であり、Ustも一緒にやってる人です。もともと中学生時代にアイドル・グループのセンターをやっていた方で。もう50歳ですけど。会員さんも20歳から60歳までいらっしゃいますので、そんな方もいらっしゃったりします。みなさんに伝えたいのは、「おせっかいになろう」っていうことですね。「情けは人のためならず」っていう諺もありますが、僕には「感動」っていう意味でもう返ってきています。
──じゃあ、オケタニさん! 今、気になっていることは?
オケタニ:みんなナベ会には来てくれるのに、なんでライブには来てくれないのかな? ってことですね。ライブに来て欲しい!(笑) あと、ちょうどこの4月で大阪のロフトが出来て1周年じゃないですか。ロフトの会長に呼び出されて「お前が大阪の文化を変えてこいよ!」って言われた時期があったんです。90%やろうと思ってました。周りの友達や同業者、ロフトのことを知っている人に相談して、みんな「やったほうがいい」って言ってて。でも結局やらなかった。自分の人生はいつもそうで、全部自分で決めて、責任取りたいんですよ。結果、今の生活のほうが良かったと思ってます。芸能人じゃなくてもみんな語りたいことがあると思うんですよ。おとなしい人でも、自分の好きなジャンルがあると思うので、遠慮せずにロフトで何かやってみたら人生変わりますよ! って。みんなやったらええやん!

LIVE INFOライブ情報

渡辺千春のおせっかいトークライブ vol.2
2015年4月19日(日)お昼@新宿百人町ネイキッドロフト
【出演】渡辺千春(おせっかいサロン代表)
【サポート】オケタニイクロウ
【ゲスト】Noe
OPEN 12:00/START 13:00
予約・前売 3,500円(飲食別)
予約はネイキッドロフトHPにて受付中!
問い合わせ:ネイキッドロフト 03-3205-1556
 
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