関西カルチャー、メディアと共に歩んできた玉置泰紀。新聞記者を経て福武書店（現ベネッセ）、KADOKAWAと編集者を経験。長年、媒体で自分を表現し、今年4月にKADOKAWAウォーカー情報局統括局長へ。9/26「太陽の塔ウォーカー」発売を機に、10/28(火)ロフトプラスワンウエストでイベントを開催。皆お馴染み玉置さんが、今コーナーに登場！(interview：松本尚紀/ロフトプラスワンウエスト)
関西カルチャー、世界と繋がる！？
──関西ウォーカー編集長から、KADOKAWAウォーカー情報局統括局長になられて、仕事面で大きく変わった点などありますか？
玉置：これまでは何か伝えたければ、すぐに自分の媒体で発信出来ました。今は編集長やwebディレクターを指揮する立場になり、ワンクッションおいて説得しなければいけない訳です。いつかは来ると思っていた変化ですが、まだ慣れていません。ついつい、9/26発売の「太陽の塔ウォーカー」と言う本を作ってしまい、編集長に瞬間戻りました(笑)
──玉置さんが持つ関西（大阪）カルチャーのイメージ、変化してきた点などをお聞かせください。
玉置：僕の青春時代であった70年代後半から80年代前半は音楽ではパンク～オルタナティブ、思想ではポストモダン、構造主義の時代でサブカルやオタクの生まれてきた時代です。音楽面で表がロッキンオンなら裏で引っ張ってきたのが阿木譲のロックマガジン、ポストモダンは浅田彰だったわけです。前者は大阪・ミナミ、後者は樟葉育ちで京都大学。また、ドラマ・漫画で評判の同時代の大阪芸術大学を描いた「アオイホノオ」のガイナックスの面々など、東京に対するラジカルな立ち位置が実にすごかった。これは常に変わらない気がします。勿論、大阪の代表的企業の本社がどんどん東京に移り、絡めとられていく部分もあるわけですが。例えばアートでも、ヤノベケンジ率いるウルトラファクトリーや名和晃平率いるSANDWICHなど、京都市立大学や京都造形芸術大学出身者が大きな存在感を示しています。そこには東京でないがゆえに独自の価値観を流行やメディアにすり減らされない、梁山泊のような強さがあると思います
変化としては、ネットの深化、SNSの発展で独立性を保ちながら、東京はもとより世界とつながった広さに徐々に影響を受けている気がします。これは世界中お互い様ですが、今と30年前なら”出会い”が全く違う訳で、ロフトプラスワンが大阪に来る時代になったわけです。
LPOWで開催！"太陽の塔祭り"
──ロフトプラスワンウエストの印象はいかがですか？
玉置：新宿のロフトプラスワンなどもお邪魔していたのですが、大阪に、東京のプレイヤーが来るのは良いと思います。良い意味でこんな変な人がたくさんいるんだ、と実際に観て経験出来るのは素晴らしいです。大阪のオモロイ奴らも、これまで活躍してきた場所とはまた違った空気感で、東京組と異種格闘技するのが良いですね。イベントスペースは多種多様で戦い合うのが健全だと思います。
──「太陽の塔ウォーカー」と10/28ロフトプラスワンウエストでのイベントについて教えて下さい。
玉置：9/26に発売する「太陽の塔ウォーカー」は史上初、太陽の塔ばかり280個出てくる珍本です。1970年の大阪万博当時、小学3年生だった僕は3回行って、強烈に刻み込まれたわけで、この本を出せたのは実に本懐です。岡本太郎さんにはお会い出来ませんでしたが、秘書でありパートナーであった岡本敏子さんには生前何度かお会いしまして。メキシコで作られ行方不明になっていた「明日の神話」の発見、復元、公開には雑誌編集者として深く関わりました。
しかし今回は、当時の思い出や岡本太郎にはあえて深く触れず、万博の後も吹田に立ち続ける太陽の塔自体が発するパワーに注目。特に今回は、海洋堂が144分の1太陽の塔まで広げてきたフィギュアや漫画、小説に描かれて二次創作されてきた太陽の塔。9/27発売のバンダイ超合金40周年記念の太陽の塔のロボ、豪華アーティストの描き下ろしまで集めました。10/28のロフトプラスワンウエストでは、太陽の塔ウォーカーに参加していただいた海洋堂の宮脇社長と、万博ミュージアムの白井館長という思いが深いお二人を迎えて、太陽の塔祭りを開催したいと考えています！！
