妥協は死
——神風動画の作品は、テンポや作中の遊びのセンスがすごく良いなって感じるんです。
水崎:好きな作品の影響でもありますね。遊び心みたいなのをどこかしらに作りたい気持ちはあります。ただそこは自己満足にならないように気をつけています。
森田:昔から水崎さんはそういうところの感覚は鋭かったですね。僕は長編が好きなので、物語の方に力を入れてます。こだわってくれる人が周りにいると嬉しい位です。
——「妥協は死」っていうのは経験からですか?
水崎:そうですね。あるMVの制作で1ヶ月ろくに寝ることが出来ないほど忙しかったんですが、ココでウチは化けるぞって凄く力を入れていたんです。ところが編集室で、その作品のあるカットでジャギーが出てしまったに気がついたんです。いつもだとタクシーで会社に戻ってもう一頑張りするんですけど、その日の朝には納品しなくてはいけなかったのと、体力的にも限界だったということもあり、みんな何も言ってないからいいかと怠けてしまったんです。でも自分だけはわかってるので、見るたびに後ろめたさを感じてしまいます。勿論、仕事だと納期や予算の問題で妥協しなければいけない部分もあるんですけど。他人は気付かなくても自分ではわかっているので、責任は負わなくてはいけないという意味ですね。流石にしちゃいけないとまでは言わないですけど。
森田:わかります。そういう時って胃が痛いですよね。
水崎:ただコレを言ってしまったがために帰れないことも多いです(笑)。「妥協するんですか?」て言われたら、「しねぇよ」って感じで。
桟敷:逆手にとられるんだ(笑)。
——若手で注目されてる方はいらっしゃいますか?
水崎:外の方はわからないですけど、うちのスタッフはすごいなって思いますね。古い考え方って言われるかもしれないですけど、「アニメ観てアニメ作る」ことに対して否定的だったんですよ。でも今はそういう世代が良いものを生み出していて、考え方変えたほうが良いのかもしれないなって最近思うようにはなりました。
森田:ああ、なんか分かる。
水崎:デジタルっていうものが普通になっていて、アナログだなんだっていう垣根がないですね。昔は否定派だったんですけど、結果良いものができているなら否定する理由はないなってようやく言うようになって来ました。
桟敷:自分もそれは感じてます。
森田:最近はそれが普通なんでしょうね。
——今後の展開は?
森田:アニメを監督として作っていきたいですね。
桟敷:結果としてゲームのキャラや絵の仕事が出来ているので、このまま継続して画を続けられればと。
水崎:僕も割とやりたいたいことが出来ているので、風通しのいい会社を作ってココでみんなの思いを弾けさせたいと思っています。早く世代交代したいですね(笑)。
——ロフトの印象は?
水崎:お客さんとして参加している立場ですと、ここ仲良いんだなとか、思っていた話と違う話が始まったっていうライブ感が好きです。
森田:僕はゲストで出たことがあるんですが、あのユルっとした感じが好きですね。お客さんもそれがわかって来ていますからセミナーと違って楽でいいです(笑)。
桟敷:僕も飲み屋形式のユルっとしたのが好きですね。
——お客さんに対してのメッセージをお願いします。
水崎:まだ認知をされている会社ではないですけど、作品は見たことがあるものが多いと思います。いろんなことに取り組みつつズンと前に出ていないのかなど秘話をお話できると思います。爆発できるネタもあるので発信側として皆さんと一緒に楽しませればなと思っています。
森田:楽しんでもらえるように、噛まないように頑張ります(笑)。
桟敷:僕は基本裏方なので、描いて持っていったものを見て楽しんでいただければと思っています。
水崎:桟敷くん話すとめちゃくちゃ面白いんで、それを引き出せれば勝ちだなと思っています。