バラエティ的にはかなり広がりました
── 新作『ONE SHOT WONDER』は今までにないバラエティ溢れた内容となっていますが、個人的にはスローな『茜色』や『見上げた空に』がとても印象的でした。
首藤:セカンドミニアルバム以降はKEYTALKの特徴を絞って曲を作っていて。これまでは四つ打ちでテンポが早くて、ライブで乗れるというテーマで曲を作っていましたが、今回のアルバムは自然体で思い付いた曲をそのまま作ったので、バラエティ的にはかなり広がりましたね。
── KEYTALKの特徴となる部分がありつつ、聴かせる曲もあって、気付いたら最後まで聴き終わっていて、1曲目に戻ってました(笑)。
八木:狙い通りですね。
── ミニアルバムが主流となっている今、アルバムは12〜13曲は収録されているからボリュームが多いと感じる事もあるけど、『ONE SHOT WONDER』は気付いたら繰り返し聴いています。そして歌詞も響きました。歌詞はスムーズに書けましたか?
首藤:曲によっては歌録り直前まで書き上がっていないものもありました。僕は曲が先で歌詞を後に乗せるのですが、イメージしやすい曲と、歌詞に起こづらい曲がありましたね。
── 首藤さんが書いた曲では、5曲目『S.H.S.S』と12曲目『見上げた空に』が特に好きです。普段のライブでは聴けそうで聴けないのですが、ワンマンでは聴けそうですかね?
首藤:ワンマンでは全曲やるかと思います。
── それは凄い楽しみです!
首藤:長尺のライブが増えてきているので、そんな時に落ち着いた曲も混ぜつつ緩急が付けられたらいいなと思っていて。そういう意味では今回のアルバムは長尺のライブ向きなのかなって。
── 今だからこそ言えるレコーディング時のエピソードがあったら聞かせてください。
首藤:ドラムが最初に録り終わるので、八木君はその後はみんなの飲み物とかご飯とか買ってきてくれるパシリをやってくれました(笑)
八木:パシリスキルはめっちゃあがりました(笑)
首藤:八木君がこなしてくれて、それがなかったら発売出来なかったと思います。
── 相当、頑張ったんですね(笑)!
八木:ドラム、パシリ担当で(笑)
──他のパートの皆さんはどうですか?
首藤:ベースは楽勝ではないですけど、割とサラッと。歌は毎回大変ですね…。
── 寺中さん(Vo&Gt)さんもですか?
首藤:2 人ともですかね…。でも、巨匠(寺中)の方が無難に終わっている気がします。
八木:義勝(首藤)はダブリングと言って2回重ねて歌っているので、2倍の時間がかかるんです。
首藤:2回歌って重ねるとちょっと加工した感じになるのです。今までずっとそれでやっていました。録る時は大変ですね。2 回歌わないといけないので。
── 巨匠さんが書いた7曲目『茜色』も凄い好きな曲です。個人的にはストリングスを入れてみたいと思わせるような広がりを感じた曲ですね。
八木:伝えておきます。
── 今までのKEYALKを聴いてきたお客さんからしたら『茜色』を聴いた時の反響ってどうなのかなって気になります。
八木:良いね! と言ってくれる人が多かったです。違和感なかったんでしょうね。
── 曲順を決めるのも一筋縄ではいかないように感じますが、どうでしたか?
首藤:かなりゴタゴタしましたね。
八木:二転三転四転しましたね…。
── そんな中、曲順の決め手は何だったですか?
八木:『茜色』という曲が最初は後ろの方にあったのですが、「少し前の方に持ってきて」とコガさんの一言が決め手でした!
首藤:コガさんの心を動かした1曲ですね。
八木:究極のJ-POPです(笑)。
── 確かに! だから私もストリングスを入れても良いかもって思ったのかもしれない(笑)この曲は今後のKEYTALKの可能性を広げるような楽曲でもあるなと思います。
八木:最初は6曲目『ブザービーター』にあるような、賑やかな曲が最後だったんですが、これもコガさんの一言でこの順番になりました。コガさんが決めました(笑)。
── 曲順で1曲1曲の生き方が変わるから、本当大事ですよね。ちなみに1曲目『UNITY』は決まるのが早かったですか?
八木:『UNITY』は不動の1番バッターでしたね(笑)ザ・KEYTALKという楽曲ですからね。
── 1曲目に『茜色』がきたら皆さんびっくりしちゃいますよね(笑)
八木:みんな視聴したら驚きますね(笑)
── このアルバムがきっかけでまた新しいお客さんがつきそうですね。
八木:今回の新作が初見だったら、バラードの曲とかすんなり入りそうな気がしますね。
── また本作はプロデューサーとしてTGMXさんを迎えましたが、一緒にお仕事してどうでしたか?
八木:一緒にスタジオに入って無駄な所をバッサリと削った感じのアドバイスが多かったですね。
── この作品を聴いているとTGMXさんと皆さんの相性が良いのだろうなと窺えます。
首藤:今回は特にそう感じます。過去3作手掛けてもらっているので、本当に相性よくやらせてもらいました。
八木:スムーズでした。
── TGMXさんから歌詞のアドバイスをもらったりするのですか?
首藤:どちらかと言えばサウンド面でのアドバイスが多いですね。
今回はストーリー性や情景描写とかを意識するようにしました。
── 『ONE SHOT WONDER』をリリースしたばかりですが、次作は見えていたりしますか?
首藤:結構な数の曲を作っていますよ。どんどん作っていければと思います。
── 今回の新譜は歌詞が入ってくるというか、歌が伝わりやすいと思ったんですが、そういった事を今までよりも意識して作ったのでしょうか?
首藤:以前よりももうちょっと伝わりやすい言葉で作りたいなと思っていたかもしれないですね。ストーリー性や情景描写とかを意識するようにしました。
── 歌詞は自分に向けて書いていたりするのですか?
首藤:よく言われるんですが、意外と想像で書いています。巨匠は自分の事も書くと言っていました。
── 巨匠さんが作った曲では2曲目『B型』もとても印象に残っています。
首藤:2番のBメロとか(笑)。
── リアルだなと感じました。
首藤:レコーディング時は、その曲に「馬鹿野郎」と入っていたのですが、カットになりました(笑)。
八木:怖すぎてカットになりました(笑)。
──今のツアー中では更なる新曲は聴けそうですか?
八木:タイミング合えば。どうなんでしょうね(笑)?
── また今回の新作は皆さんの武器でもある4つ打ちキラーチューン以外の可能性を大いに感じた1枚でした。こういった事は意識されましたか?
首藤:今作の方が今までよりも自然体のKEYTALKのような気がします。
八木:今までは4つ打ちキラーチューン攻めじゃないですけど、それに絞って曲を書いていた部分がありましたが、今回は曲数も沢山あるので自由に作ったと思います。