Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューacari(WEB Rooftop7月)

スリーピースになって進み出したacariが見据える先

2012.07.24

三浦調べのアルバム人気曲とは?

樋口:今回は、タワレコメンにも選ばれていたけれど、反響はどうだったの?

三浦:とても良い感じです。これまでもタワレコで展開してもらってたのですが、今回は店員さんの熱量が全然違うんです。発売日にお店に挨拶に行ったら、店員さんが3人ぐらい出てきてくれたところもありました(笑)。ちゃんと届いてるんだなと感じてます。

── 何曲目が人気が高いんですか?

三浦:僕調べなんですけど…(笑)。1曲目『観覧車』と2曲目『花束』は、ラジオのテーマソングやMVになっている曲なので聴いてもらえる機会が多い分人気も高いです。あと、アルバムの後半に入っている曲で『属性』と『点と線』も好きだと言ってくれる人が多かったですね。

── 『属性』はファンクの要素が入っていて良いですよね。私も好きです。

三浦:『属性』は予想以上に反響があったんですよ。今回たくさん曲を作った中から、アルバムに入れる曲を選んでいったんですけど、最後に一味違う曲を入れようっていう、すごくアバウトな提案をして、それをテーマにレコーディングの直前に作った曲なんです。タイトル曲の『陽がよく当たる』と一緒で、スタジオで1〜2回合わせたぐらいでけっこう良い形になって録音までしちゃったんです。

斉藤:他の曲と雰囲気が全然違うじゃないですか。一味違う曲という、テーマ通りになったという意味ではすごく良かったです。自分たちとしても今回このアルバムを聴いて、次にまた何か繋がるじゃないですけど、まだまだいろんなことが出来るというのが見せたかったし、意外と評判良いよね。

── 今までに開けていなかった扉が開いた感じがしますね。『点と線』はストリングスを使用して、また新たな一面を見せた曲になっていますし。

三浦:とあるミュージシャンから突然電話がかかってきて、「『点と線』が良かったよ」とただそれだけを言ってきた人もいました(笑)。今までの僕らを好きな人にも聴いてもらえて、なおかつ今回初めて聴いてくれる人もたくさんいると思うんですけど、初めて触れてくれた人にも次のアルバムを聴きたいと思わせるような作品にしたいと思っていました。

斉藤:自分たちとしてのチャレンジもあって、今回のアルバムも出来ましたし、もっと新しいことも出来るんじゃないかなと思います。

── 先ほどの話に戻ってしまいますが、今回は新しいことにチャレンジをしていこうというのがテーマとしてあったんですか?

三浦:『属性』に関しては一味違うことをやろうという、狙いというかそういうテーマで曲を作ろうというのはあったんですけど、アルバム全体としては1曲1曲、良い曲を作って、良い楽器の音で、良いプレイをしようというのが一番でした。前作から2年もあいているし、いろんな人から3枚目が勝負だと言われることが多くて、これで地元の京都に帰っても後悔しないような曲を作ろうというのはありましたね。

今まで経験してなかったことの連続だった

── 今回音の幅がずいぶん広がりましたが、3人のモチベーションが変わったという以外に、今まで自分が聴いてきた曲が影響されているというこもあるんですか?

三浦:『プリズム』は片寄明人さん(GREAT3, Chocolat & Akito)がプロデュースをしてくださって、その時にいろんな音楽を教えてもらったんです。片寄さんセレクトのスペシャルCDを聴かせてもらったり、気に入った曲のそのルーツとなっているアルバムを買ったりしてました。昨年はかなりたくさんのCDを買って聴きましたよ。音楽の絶対数がすごく増えた一年でしたね。

── だから音楽の幅が広がったとも言えますね。

三浦:ホントそうです。今まで自分なりにはいろいろ聴いていたつもりだったんですけど、まだまだ聴かないといけない良い作品がたくさんあるなぁと痛感しましたね。片寄さんが持ってくるCDの中には、ものすごくマニアックなものとか、売ってないCDとかもあって。「このCDすごく良かったんですけど、どこで売ってるんですか」って聴くと、「シカゴの友達のバンドだよ」とか(笑)。海外のオフィシャルサイトでしか聴けない音源とかもありましたから。

── ということは、まずは片寄さんとの出会いが大きかった、と。

三浦:ずっと前からGREAT3のファンだったんです。そんな憧れのミュージシャンと実際にレコーディングを一緒にやらせてもらって、本当に嬉しかったですね。すごいことだなと思います。

伊藤:三浦くんの興奮具合はハンパなかったですよ(笑)。

三浦:興奮しすぎて、一周してわけがわからなくなってしまったこともありました(苦笑)。プリプロで自分たちの曲を一緒にアレンジしていて、コーラスをつけるときに「これはどうかな?」って歌ってくれるんです。その1回で充分理解出来ていたんですけど、もう1回片寄さんの声で歌っているのが聴きたくて、「ちょっとわからなかったんで、もう1回いいですか?」って言ってみたり(笑)。今回はプロデューサーが深沼元昭さん(PLAGUES)なんですけど、深沼さんもハンパなかったです。野球で言うとピッチングコーチみたいな、ギターを弾くフォームから癖から、全部見抜いてこうすればもっと良い音になるってアドバイスをいただいて。それが今まで思ったことも経験したこともない連続だったんです。

── 具体的にどんなことを教えてもらったんですか?

三浦:一番大きかったのは、僕の場合はギターに関してですね。どうすれば良い音で録れるかということだったんですけど、弦を押さえるときに中指の握力が強いみたいで、ちょっとシャープするんです。それで「三浦くんは中指が強いから、中指を使う弦を緩めてみよう」って言われて。それでレコーディングしたものを聴いたら全然違ったんです。今まで音が濁ってるなと思っていたところも全部クリアになって、それがすごく驚いて。深沼さんはすごいですね。ここまでならないと音楽で食べていくのは難しいんだなって思いました。

樋口:片寄さんも深沼さんも職人気質だから、すごく良い勉強になるよね。

三浦:もう、レコーディングの時も楽譜にメモをしまくってましたから(笑)。

── このギターを使ったら? みたいな提案もあったんですか?

三浦:深沼さんのギターを何本か借りて、自分のギターも使って、全部で5本ぐらいを曲によって使い分けています。

── 1曲目『観覧車』のアコギは? すごく綺麗な音でしたけど。

三浦:これは2本混ざってるんですよ。これも深沼さんのアイディアで、2本のギターがあって、ひとつはDのコードを弾いて、もう1本はカポを付けてCを弾く。技術的な話になっちゃいますが、これで同じコードを弾いてるんだけど押さえ方が違うから響きが全然変わるんです。すごく奥行きが出るんですよ。今回アルバム全体を通してそういうマジックがかかってます。最初は、アコギを2本重ねたらアコギだらけになるんじゃないかと一瞬思いましたけど、完成したものを聴いたら「そうか!」と。

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陽がよく当たる

DQC-907 / 2,300yen (tax in)
IN STORES NOW

amazonで購入

1.観覧車
2.花束
3.マドレーヌ
4.さよならフラッシュバック
5.つれてくよ
6.アイスクリーム
7.属性
8.点と線
9.ドキュメンタリー
10.ティアドロップ
11.陽がよく当たる

LIVE INFOライブ情報

8/7(火)東京・新宿LOFT
新宿LOFT_ ghostnote presents
acari / ghostnote / ロマンチップス / GOOD BYE APRIL

開場 18:30 / 開演 19:00
前売 2,300yen / 当日 2,800yen (+1drink)
※LOFT割引:学生証提示で500yen OFF!

8/31(金)東京・新宿MARZ
『タワレコメン vol.3』
acari / きのこ帝国 / 荒川ケンタウロス / 空中ループ

開場 18:30 / 開演 19:00
前売 2,500yen / 当日 未定 (+1drink)

9/22(土)東京・渋谷Milkyway
『“Cloud cutter
前哨戦』
PLAGUES / acari

開場 18:00 / 開演 18:30
前売 4,200yen / 当日 4,500yen (+1drink)

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