Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューつばき×メレンゲ('10年3月号)

祝! つばき結成10周年!!
変わらずに走り続けてきた三人の、第二章が今始まる!!

2010.02.19

 2010年4月10日をもって結成10周年を迎えるつばき。現メンバーになって8年の間には事務所やレコード会社から離れたり、解散の危機もあり、それでもバンドを続けてこれたのは、多くの人との出会いや支えがあったからこそだろう。現在はメンバーのみで活動をしているというだけに、バンドとして多くのものを経験し、もっともっと精神的にもバンドとしても強くなっていくに違いない。10年とは言わず、15年、20年と活動を続けて欲しいと切に思う。
 今年は毎月10日につばき企画のイベントを開催し、これまで以上に精力的に活動をしている彼ら。結成の記念日でもある4月10日には、新宿ロフトで朋友のメレンゲを迎え2マンライブを開催!! 10年を迎えても、がむしゃらに走り続けるつばきの勇姿をぜひ見てもらいたい。今回はつばきのボーカル&ギターの一色徳保が、メレンゲの3人それぞれと対談を行なった。一色にとっては超ロングインタビューとなったが、疲れた顔を見せず取り組む姿は、この人柄が多くの人に愛されてバンドが続けられていることを物語っているようだった。長きに渡り両バンドを応援しているロフトプロジェクトの樋口寛子女史も参加し、当時から現在を語り尽くす!!(text:やまだともこ)

一色徳保×クボケンジ編

一色徳保×クボケンジ編


俺は俺で勝手に売れるから!!

── つばきは結成から10周年を迎えますが、振り返ってみてこの10年はどうでしたか?

一色:楽しい時期も面白い時期もいろいろあった10年ですよ。今思えば、バンドを始めた時期が一番ワクワクしていたような気がします。東京に来てバンドをやり出して、お客さんが10人から20人に増えだして期待感もありましたね。バンドをやっていく上で不安感があまりなかった。それが、21歳ぐらいの時。何も怖いものがなかったですからね。

クボ:僕もそうだったよ。

── 世の中のことがだんだん見えてきたのは、何年目ぐらいになるんですか?

一色:意外とすぐだった(苦笑)。フルアルバムを出した2004年ぐらいからは、だいたいこんな感じなんだって思い始めてましたね。事務所に入って、スタッフの方と一緒にやっていた時も楽しかったんですけど、バンドを始めた当初に感じていた何も考えない楽しみとは違ったんです。アドバイスしてくれる人がいて、アイディアがいっぱい出てきたので、それをひとつずつ形にしていくという作業もあり。

── メレンゲは何年になるんでしたっけ?

クボ:結成して8〜9年ぐらい。2002年かそのちょっと前にカセットテープで出しているから、それぐらいだと思う。メジャーデビューして6年目です。

一色:テープの時代だったのか。時代を感じるね。

── 時代ですね。今でこそ情報はネットからが主流ですが、その頃は次のスケジュールはライブでの告知とバンドが配っているフライヤーでしか情報がわからなかったりしましたからね。

一色:でも、昔からフライヤーは撒かなかったです。自分があれを撒いて何になるんだろうとずっと思ってた。ライブハウスのスタッフの人にも撒けって言われたけど。

クボ:俺も1回も撒いたことない。それだけがポリシーだった。バンドマンがフライヤー撒くなんて超ダセーって思ってたから(笑)。今まで言えなかったけど...。うちのメンバーは誰も撒いてないと思いますよ。SONG-CRUXの時は、全部樋口さんに任せてた。

一色:そこは僕らも一緒ですよ。スタッフが撒いていたと思う。物販は自分でもやったけど、フライヤーを俺が撒いても意味ないと思ってたから。

クボ:俺らがつばきと出会ったのは2003年ぐらいだったっけ? 最初に出会ったのは、CRJ-tokyoのイベントでネストだった記憶がある。ネストの後はロフトとかいろいろ対バンして。

一色:しばらくして、メレンゲと渋谷クアトロでイベント"初恋の空"をやって。(*1「初恋の空」はメレンゲとつばきの共催企画)

クボ:その時出演してくれたハックルベリーフィンやNANANINEはメジャーデビューしてて、すごく先輩のイメージがあったよね。それで一緒にやれたのはすごく嬉しかった。

── 最初はお互いどんなイメージを持ってました?

一色:メレンゲはやたら声が良いと思った印象がある。

クボ:つばきは3ピースなのに音圧が良くて、4人で演奏しているぐらい音がしっかりしているという印象でした。3ピースバンドにあんまり出会ってなかったのと、出会ったとしても音圧が足りないと思っていたんだけど、つばきは音圧もあったし、ギター教えて欲しいなって思ってました。

一色:と言ってますけど、その時はほとんど話とかしてないですよね。ふわっとしか喋ってないと思う。

クボ:ボーカル同士ってなかなか...。喋りたいというのはあるんですけど、同じ作詞・作曲をしている人だったし、どうも喋りづらかった。こうやって喋るようになった数少ない人ですよ。

一色:昔は特に、ボーカル同士が話しかけることもしなかったと思う。お互い若かったし。

クボ:看板背負ってます、みたいなムードはありましたね。

一色:オマエらとは違うし、一緒にすんなよって思ってた(苦笑)。メロコアのシーンとかって、レーベルでひとつシーンを作るとか、みんなで頑張ろうぜとか仲が良いじゃないですか。でも、俺らの世代ってそういう風潮は全然なかった。俺は俺で勝手に売れるからって(笑)。仲良くなったらすごい仲良くなるんですけどね。メレンゲとは、その後すごく自然に付き合っていくようになったんですよね。ただ、今もめちゃくちゃ仲が良いとかではないんです。

クボ:普段飲みに行くわけでもないし。

一色:でも俺は尊敬しているんですよ。

クボ:よく言いますわ。そんな話したことないじゃん(笑)。

一色:してるって、心の奥底で。クボ君の曲が素晴らしいとは当時から思っていたよ。なんでこういうメロディーが書けるのかなって今でも思うし。いつの間にか曲を提供する側にもなってたりして、そりゃそうだよなと思いますけどね。尊敬しているところもあるから、普通にワーッって仲良くはなれないけど、メレンゲの動向はいつも気にしてます。休止していた時は、クボ君どうするのかなとは思ったけど、ヤマちゃんやツヨシ君の方が心配しましたよ。電話してみようかなって。

クボ:ツヨシは心配されてたみたい。人が良いんですよ。...本当は悪いけど(笑)。

一色:本当に悪いです。

クボ:中身ねえけど(笑)。

樋口:でも、社交的だし人当たりが良いからね。

バンドはずっとうまくいってるわけじゃない

── ところで、4月10日がちょうどつばきが結成した日となりますが、その記念日にメレンゲを誘おうと思ったのは?

一色:好きというのと、ずっと昔から一緒にやってきてますからね。またメレンゲと一緒にやるのを見たいという声もちらほらあるし。

クボ:それはうちらも感じます。

一色:だから、この4月10日に一緒にやりたいなって思ったんです。バンドを10年やっていると、バンドも生ものなのでメレンゲもつばきも昔に比べて音楽的には変わってきてるけど、一緒にやれたらすごい楽しいなって迷ったあげくお願いしいます! って。せっかくの記念日なので、初対面のバンドを誘うというのもどうかなって思ったし。

クボ:10年の間に解散の危機ってなかったですか?

一色:あったあった。でも、メンバーが不思議と辞めたいって言わないんです。事務所やメーカーに在籍していた最後の方は、自分やスタッフのモチベーションが下がっていくのを感じて、こんなんじゃ意味がないと思った時期もあった。「このまま事務所にいてつばきを続けても良いんだけど、それなら1人でもやらせてくれ。ソロでも本気でデビュー狙うわ」って言ったら、メンバーがそれはどうかなって。他にも、辞めるかも辞めないかもって迷ってる時に、メンバーはやろうぜって言ってくれる。そういうのが、これまでの活動の中で2回〜3回あったかなぁ。だいたいベースの小川君が、やろうぜって言ってくれるんです。

クボ:そういうのって、あとになって感謝するよね。

一色:そう。あの時ナイス! って。でも、メレンゲもあったでしょ?

クボ:休んでいた時にね。解散ライブとかはしたくないから、たぶんスルッと終わっていくかとしか考えてないという話もしていたんです。でも、とりあえずライブをやり始めようという話になって、やり出してからはそんな話はなくなりました。

一色:バンドって、必ずしもずっとうまくいってるわけじゃないですからね。歳が歳だからそういう話もちらつくけど、それを乗り越えた時が一番強い。気持ち的にも盛り上がっているから。俺らは今年相当盛り上がってますよ。毎月10日のライブ以外にもいっぱい入れてますし、4月からはレコーディングをする予定でいるし...。メレンゲも今相当盛り上がっているんじゃないですか? 次の作品もすごいものが作られるんだろうなって楽しみですよ。

クボ:次もうちらは変わりますよ。できているデモの中には、わりとライブも意識した曲はある。

一色:メレンゲの曲は基本的にはアップテンポの曲が多いわけじゃないから、ライブとかを意識した曲と言ってもワーって盛り上がるのがライブというわけじゃなくて、静かな曲をホールみたいなところで聴かせる感じでやってもいいと思うけど、そういう曲ってこと?

クボ:そっち系だね。そのすごい速いテンポの曲とかは全く意識してないです。俺がそれをやると、歌が全然届かないんだよ。サウンドだけでやるっていうものもやりたかったんですけど。

一色:サウンドが繊細だから、ミドルとかスローの曲で隙間が多くて、イントロとかに印象的なリフとかフレーズがあるというのが一番かっこいいですよ。だって、『underworld』とかめっちゃかっこいいよ。

クボ:俺もあれはすごい気に入っているんですよ。

一色:イントロとか、自分にはできないから尊敬するんです。どうやってやるんだろうって一瞬考えて、チャレンジしてみて無理だって諦める。ちょっとできても似てるだけだから。

クボ:でも葛藤しましたよ。バンドを始めた当時ってロックバンドが多くて、キーボードが入ってるバンドも少なかったし、だからと言って、ただのポップスバンドみたいな見え方は一番ダサイと思っていて、そこはすごく気にしてた。それと劣等感があって、みんなギターで曲を作るけど、俺はピアノでしか曲を作れないんです。だから、リフとかのバンド感を出したいとも思っていたし、そういうライブができる人は憧れだった。つばきみたいに3人で成立できるというのは理想でしたよ。

── その劣等感は今でもあるんですか?

クボ:今もありますよ。

一色:俺もありますよ。クボ君みたいな感じでやりたいです。

クボ:ないものねだりですよね。

一色:でも、俺がメレンゲのようなことをやってもメレンゲのほうが良いに決まってるし。

クボ:俺らもそう。メンバーとも、ライブバンドを目指してお客さんを増やす。ただ、ライブバンドを目指しすぎてもやってるヤツには絶対に勝てないから、違うやり方でうちららしさを出さなきゃなというのはよく話すんですよ。

一色:そうなるよね。俺らライブやり倒してますもん。3人だけでどこまでやれるんだって。

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LIVE INFOライブ情報

4月10日(土)新宿ロフト
つばき 10th Anniversary 「正夢になった夜」 〜結成日編〜 with Rooftop

OPEN 17:30 / START 18:30
ADV ¥2800 / DOOR ¥3300
つばき/メレンゲ

4月10日(土)新宿ロフト
つばき 10th Anniversary 「正夢になった夜」 〜番外編〜 with friends

OPEN / START 23:30
ADV ¥2500 / DOOR ¥3000
一色徳保(つばき)/ 小川博永(つばき)/ 岡本奈穂子(つばき)/ マスザワヒロユキ(テルスター/ザ・ガールハント)/ ピストン大橋(ウラニーノ) / nano sound museum / 関谷謙太郎&ヨシムラヨウヘイ(UNDER THE COUNTER)/ 永友聖也(キャプテンストライダム)/ 海北大輔(LOST IN TIME)/ 大岡源一郎(LOST IN TIME)/ 他
※250名限定ライブ!!!

つばきライブインフォ
3月4日(木)大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
“YU-JI ROCK TOWN 2010”
W)plane / e-sound speaker / あすなろ

3月10日(水)下北沢GARAGE
“つばき 10th Anniversary「正夢になった夜」vol.3 〜VS編〜with i-Radio”
W)セカイイチ
SOLD OUT!!

3月21日(日)HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
とちぎテレビ “Rock to the Future”

W)Dirty Old Men / アンダーグラフ / American Short Hair

http://www.tsubaki-net.com/

メレンゲライブインフォ
“ONE MAN 4series 〜起承転合”

4月13日(火)SHIBUYA BOXX ※ワンマン
5月13日(木)SHIBUYA BOXX ※ワンマン
6月13日(日)SHIBUYA BOXX ※ワンマン
7月22日(木)SHIBUYA BOXX ※ワンマン
7月17日(土)富士急ハイランド・コニファーフォレスト“フジフジ富士Q”
フジファブリック / 奥田民生 / PUFFY / 藤井フミヤ / スカパラホーンズ / 氣志團 / 片寄明人(Great3,Chocolat&Akito) / 和田唱(TRICERATOPS) / 安部コウセイ / クボケンジ(メレンゲ) …and more!!

http://www.merengue.jp/

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