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施川ユウキ「おかえりなさいサナギさん」- 大人になった今、欲していることだらけのサナギさんワールド #とにかく癒されたいときのカルチャー

2020.04.06   CULTURE | CD

施川ユウキ「おかえりなさいサナギさん」

秋田書店

大人になった今、欲していることだらけのサナギさんワールド

 ほわっとしたおだやかな性格の主人公「サナギさん」と、無表情でクールなのに誰よりもボケ上手の「フユちゃん」を中心をしたほのぼの…と思わせておいて攻め攻めな4コマ漫画「サナギさん」シリーズ。
 
 鼻風邪をひいて鼻がピーピー音がしてしまうフユちゃんが「もう私には(鼻の音の)音楽しかない…」と泣き崩れたり、虫歯が痛くても「虫歯と人間が手をとり生きる未来を信じたい」と言い出して歯医者さんに行かなくてすむ屁理屈を言ったり、蚊にさされたサナギさんにむかって「他人のかゆみがわかる大人になる!」と高らかに宣言してただ眺めていたり。
 
 どんな不条理なことを言い出しても、びっくりしたりしつつもなんとなく受け入れていく雰囲気は、否定しないツッコミで人気のお笑いコンビ・ぺこぱを見ていると安心する気持ちに似ています。
 
 子どものときにもっていたちょっぴりの毒や、友だちどうしのギャグや(よく考えると、子どものころっておもしろくて気に入ったフレーズを何度も繰り返して口に出しては笑っていたけれど、それってオヤジギャグと同じ発想ですよね)、すごく単純でなんでもないことをわざと難しい言葉で事務的に言ってみるだとか、大人になった今、わたしたちが欲していることがつまっているサナギさんワールドは、すっかり大人になってしまって斜に構えざるをえない人でも、数ぺージ読めばあのときの気持ち思い出せます…だってかわいいふりして圧がすごいから! 漫画の中からグイグイくるから!
 
 秋田書店のweb漫画サービス「マンガクロス」でも読むことができるので、気持ちが疲れてきたらぜひアクセス。嫌になって泣いちゃうまえに、トイレにかけこんででも読んでみてください。そんなつもりがなくてもつい笑ってしまえるはず…そうだったらいいな。
 なんでもない日常となんでもない会話、身にしみて大切な今、どうか世界よ優しくあれ! と念仏のように脳内で唱えています。(成宮アイコ)
 

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