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岡崎京子「ヘルタースケルター」- 退廃どん底を描きつつ「再生」も主題...主演女優に届きますように

2019.12.06   CULTURE | CD

祥伝社
1,320yen(tax in)

退廃どん底を描きつつ「再生」も主題…主演女優に届きますように

 
 格差、美醜、承認欲求、プラセンタ的治療。相手を気遣うようで支配強める「毒親」のような存在…昨今流行る「呪いの言葉」の概念も出てくる! 1996年発表とは思えない。ツイン・ピークスの影響深い絵が出てきたり何十もの健康な子宮や卵巣を摘出したとされる「富士見産婦人科事件」(1980年発覚)のモチーフや自死現場写真から描いた? コマがあったりするのは、事件や死体について敢えて知ることで生を意識しようとする風潮があった90年代らしいが、芯からクールで全く古びず普遍的な漫画だ。
 主演女優の逮捕を機に映画を観て改めて原作を再読したが、むしろ2012年公開の映画の方が古い価値観かもしれない。漫画の主人公りりこは男にも執着薄くとにかく小気味いい。死と皮一枚の退廃どん底にいながら自分で生きる術見出すしたたかさは二十年余も変わらず多くの女性を勇気付けてきた。「再生」という主題も主演女優に届くことを祈りたい。(澤水月)
 

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