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桃井和馬 写真集「和解への祈り」宗教に裏打ちされた奥深き心理がこの本にはある

2019.01.12   CULTURE | CD

日本キリスト教団出版局刊
2,000yen+tax

宗教に裏打ちされた奥深き心理がこの本にはある

 
 写真家でもあり冒険家でもあるノンフィクション作家・桃井和馬のキーワードは「和解」なのだそうだ。「激動する社会において必要なのは和解だろう」と言う。「和解」とはこれまた難しい。聖書は、キリストが私たちを神と和解させたと言っている。神は人間の友になった。このところから筆者は「和解を通してのみ平和は育まれる」というところに苦悶の末たどり着いて、この本は出版されたのだろう。和解をテーマに筆者は多くの宗教とそこで質素に暮らす庶民との出会いにフォーカスし、サンチャゴ巡礼の旅を経て世界中を旅する。桃井の写真集はたくさん持っているが今回は特に素晴らしい写真の数々。そして鋭い文脈。それはどこか宗教に裏打ちされた奥深き心理がこの本にあると感じた。長いこと教会からも離れていた年老いた自分を見る時、神の存在を身近に感じたいと思わずにいられなくなったのがこの本なのかもしれないと思った。(平野悠)
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