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怪談現場 東京23区 / 吉田悠軌

2016.07.01   CULTURE | BOOK

イカロス出版
1,512yen+tax

 出だしが平成の超有名某犯罪にまつわる怪談! それだけでなく本書の特徴は怪談の発生現場は暗渠(あんきょ。今は遊歩道など蓋をされた川。遊歩道の多くは下に水が流れている)、埋立地など水回りが多い…とし、江戸切り絵図など参照しつつ現在のマップと重ね検証するという点。この二つの軸が非常に斬新で生々しく面白い。忘れ去られた遊郭の記憶が時空を超えこちらを覗いているかのような艶かしく悲しい怪談からごく最近のものまで網羅。ちなみに自分の家の周り、ヤバイとこだらけだった。そして今も実際、事件事故で騒がしい…。また、本書のラストがかつて呑気に遊びに行った公園だったのだが昭和史に残る残虐犯罪の現場だったのだと知り、怖気を振るう。東京は水辺をどんどん埋め立て何事もないような顔をしているが人々のイド(無意識)は惨事を稗史(はいし。公の文書等には残らないが民衆が語り伝える歴史)とし、表立って言えないことが怪談となり噴出することを実感させてくれる本。(尾崎未央)

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