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チャンキ / 森達也

2015.12.01   CULTURE | BOOK

新潮社 / 2400yen

 先週に続いて森達也である。このところ「人間臨終考」(小学館)「私たちはどこから来てどこへゆくのか」(筑摩書房)と森達也の最新作を続けて読んだ。たぶん森達也「三部作」と言っていいのだろう。これはれっきとした小説なのだ。いやはや私は森達也の著作のファンで、そのほとんどは読んでいるが、この著書はビックリするくらい凄い。550ページと言う長編推理小説に挑んだ森達也。テーマは「人間の生と死」なのだろう。2033年、突然日本を襲う「自殺衝動」という突然死する「タナトス」が日本だけに蔓延する。いつ自分にも「自殺衝動」で死ぬのかわからない社会になるのだ。主人公は18歳の高校生チャンキである。そんな中で世界からの支援を受けながら日本社会は静かに何事もなかったかのように営まれる・・・・実に面白いシチュエーションだ。推理小説じみている。まるで村上春樹の1Q84を読んでいる感じで躍動感に溢れている。しばらくは他の小説を読みたくない気分だ。優れた作品とはこういう本のことを言うのだと思った。(平野悠)

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