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トップレビュー1969年、新宿PIT INNからはじまった あべのぼる自伝/上田賢一、黒田征太郎

1969年、新宿PIT INNからはじまった あべのぼる自伝/上田賢一、黒田征太郎

2012.10.09   CULTURE | BOOK

K&Bパブリッシャーズ / 1,800yen

 あべのぼる(阿部登)といえば、一般的にはいざ知らず、関西の音楽シーンでは非常によく知られた存在で、1971年から始まった「春一番」のプロデューサー、ザ・ディランII、ソー・バッド・レビューのマネージメント、日本のインディーズの草分け「オレンジレコード」の設立者などいくつもの顔を持った人物だ。還暦直前の2010年に亡くなってしまったが、それから2年、あべのぼるの生涯を追った自伝が発売された。タイトルに「1969年、新宿PIT INNからはじまった」とあるように、あべは大阪から無一文で新宿に上京し、当時モダンジャズの中心地であったPIT INNにウエイターとして潜り込むのだが、18歳でなんと山下洋輔トリオのマネージャーに抜擢された。そこは「宇宙が誕生する前の、ものすごいエネルギーに満ちあふれた」(by 山下洋輔)時代の中心地だった。日本のカルチャーが最も自由で、活力に満ちていた瞬間を切り取った貴重なドキュメントとしても読める、痛快な自伝本だ。(加藤梅造)

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