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愛国と憂国と売国 / 鈴木邦男

2011.12.05   CULTURE | BOOK

集英社 / 735yen

 久しぶりに大好きな鈴木邦男さんの著作を読む。勿論今、思想家の書く本はまずは3.11の震災と原発問題を避けては通れない。困った。たった200ページ弱の新書本なのに、序章だけで天皇・自衛隊・核武装・憲法、そして右翼左翼の問題まで本気で入り込む。むずかしいキーワードが多すぎるがそれらの問題を一刀両断の如く軽々と数行で断じる。この時点で鈴木邦男はこれらの日本の行く末の諸課題を完全に乗り越えた存在と言っていい。また、この本を読んで行くうちに「果たして鈴木邦男は右翼なのだろうか?」という疑問への回答が見つかった。「もう40年も改憲運動をやって来た。しかし〜九条の精神は守るべきだと思っている。右翼はみんな改憲派なのになんだかつじつまが合わない。〜日本の伝統を守ろうとするのが真の右翼なのだから、やはり私は右翼なのだ。」は説得力がある。後半は著者の幅広い人間関係や学生時代の思い出になっていく。本書は著者の極私的個人史として読み進めるといいのではないか。鈴木邦男をさわって見たい人、特に若い人には是非読んで欲しい。(平野悠)

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