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監督失格9月3日より六本木ヒルズにて公開

2011.09.07   CULTURE | MOVIE

9月3日より六本木ヒルズにて公開

 生きていて必ず不可避なもの、それは死である。当然自分の死はラストに控えているのだが、それまでの「死」は大抵自分の周りの大事な人間の存在の消失である。そしてそれは大抵予告なしでやってくる。この『監督失格』はかつて恋人であった女優の謎の突然の死をのり越えられないがために次の一歩が踏み出せず、作品が撮れないある映画監督の苦悩や葛藤、絶望や再生を見つめたドキュメンタリー作品である。死者に残された生者たちは、果たしてどうやって死者に取り憑かれた自分自身の生を取り戻すか、という大変難しいテーマを扱っている。正直立ち直れているとは思えないし、タイトル通り監督失格じゃないかと思う観客もいるかもしれない。しかしその混乱が真の死に立ち向かう人々の姿であるとも言える。ただ、本作中にでてくる嘘偽りのない「死の映像」が胸に迫る緊迫感、心の揺さぶり方はどんな映像でもなかなか得られない物だ。時間の流れがそこだけ止まり、妙に白っちゃけた異空間のようなあの「死の時間」を映像に捕まえることができた希有な作品であるとは思う。本作を越えて、平野氏の次回作に注目したい。(多田遠志)

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