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トップレビューまさかジープで来るとは / せきしろ×又吉直樹

まさかジープで来るとは / せきしろ×又吉直樹

2011.02.04   CULTURE | BOOK

幻冬舎 / 1,470yen

 前作「カキフライがないなら来なかった」より一年半。妄想文学の鬼才せきしろと、雑誌での連載も多数持ち、太宰治をこよなく愛すピースの又吉直樹による待望の新作、しかも帯には俵万智の推薦文とあって、発売のその日を心待ちにしてきた。二人によってことあるごとに書き溜められきたであろう自由律俳句607句は、日常の雑踏の中に埋もれてしまった風景や感情を独特の、そして時に過剰ともいえるセンチメンタルな感性で切り取り、なんとも潔い言葉をもってその喪失感を表している。どシンプルな言葉であるのにすぐにその情景が浮かび、さらにその情景に耐えている、または無理矢理順応しようとしている筆者の姿を想像し、二重の笑いが降ってくる。そんな一晩置いた翌日のカレーのように、一句一句読み進めるごとに独特の風味を醸し出す、非常に中毒性の高い一冊である。(Asagaya/Loft A 轟木愛美)

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