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トップレポートWANDS「真っ赤なLip」で幕を開けたWANDS 第5期、初ライブ!「何が起ころうとも気にせずどこまでも突き進んで行こうと思っています」

WANDS「真っ赤なLip」で幕を開けたWANDS 第5期、初ライブ!「何が起ころうとも気にせずどこまでも突き進んで行こうと思っています」

2019.11.18

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 突然の出来事だった。公式アナウンスが発表されたのは、11月13日水曜日、90年代に一世を風靡した伝説的バンド、WANDSが第5期WANDSとして再結成、復活。メンバーは、全盛期を彩った柴崎浩(G)と木村真也(key)、そして新たに加入したヴォーカル上原大史(Vo)。発表の段階で往年の大ヒット曲はもとより新曲「真っ赤なLip」のティーザー映像まで揃えて完全復活を宣言したのだ。
 
 そして、公表から4日後の11月17日、大阪で行われる無料ライブイベント「DFT presents 音都 ONTO vol.6」に登場すると聞き、一目散に駆けつけた。
 
 会場である堂島リバーフォーラム、入場した途端目に入る巨大タペストリー(出演者全員の写真が飾られている)中央にWANDSのアーティスト写真が! 今回のイベントのメインアクトであることを強烈に示していた。
 
  WANDSが登場したのは、「音都」二日目の11/17(日)、11組目大トリでの登場だ。
 
  2000名のキャパシティーを誇る会場は超満員、総立ちのオーディエンスが固唾を飲んで見守る中、スクリーンに映されていたWANDSのロゴとイメージビデオが消えて暗転。メンバーが登場した。
 
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 眼前にはまごうことなきギター柴崎浩、キーボード木村真也、そして中央に新ボーカル上原大史の第5期WANDSが佇んでいた。そして、サポートメンバーのリズム隊は、Sensationより麻井寛史(B)と車谷啓介(Dr)が参加していた。
 
 20年の歳月を経て鳴らされた1曲目のオープニング・ナンバーは? イントロを聴いてもまだ分からない、しかしそれはなんとまだリリースもされてない新曲「真っ赤なLip」だった。
 
 もちろん初披露、会場に集まったオーディエンスの誰一人その全貌を聞いたことのない新曲をオープニングに持ってくるあたり、大胆な意欲を感じさせた。
 
 新曲「真っ赤なLip」、前半部はクールな装いを携えながらジャジーな雰囲気を漂わせ、テクニカルな部分も併せ持っていて一瞬WANDSらしからぬイメージを抱かせる。しかしサビ部分ではJーPOPのきらびやかなキャッチーさを表現し、WANDSならではのサウンドの手応えを感じさせた。この新鮮な衝撃、第5期WANDSが新生WANDSであり、決して過去を振り返るだけのバンドではないことを印象付けた。
 
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 会場のざわめきを感じる中、MCの第一声は柴崎から。
 
「今晩は、WANDSです。この新曲「真っ赤なLip」は第1期WANDSのメンバーである大島こうすけが書き下ろしてくれました。このメンバーでは(持ち曲は)一曲しかないので、この後は昔の曲を演奏したいと思います」
 
 そうして、柴崎がメンバーを紹介した後、言葉を受けて新ボーカリスト上原がメンバーとしての決意表明。
 
「子供のころから、兄の影響でWANDSが大好きでした。そのWANDSにまさか自分が入り、柴崎さん、木村さんと一緒にバンドをやれることになるとは思っていませんでした。めっちゃびっくりして不安ですが、やると決めたからには、腹をくくって、覚悟を決めてやろうと思います」
 
 すごい緊張していると言いながら、強く真っ直ぐな言葉を述べた上原。聞き入っていた会場から静かに拍手が起こった。
 
 「それでは、聞いてください。「もっと強く抱きしめたなら」」
 
 聞き覚えのある柴崎のギターソロ、彼らの代表曲であり1992年のミリオンヒット・ナンバーだ。昨年DAIGOがソロALでカバー、そのプロデュースをかって出たプロデューサー長戸大幸がスタッフの強力な推薦もあり、今回のWANDS再結成へと導いた意義深い曲でもある。
 
 この明るくも美メロ満載誰もが口づさめるほどのナンバーを新ボーカル上原大史はどう歌うのか? しかしそんな杞憂も一瞬でかき消えるくらい彼の歌声、声量、そしてビジュアル・パフォーマンスに至るまで、全く違和感なくオリジナルWANDSのイメージに溶け込んでいる。何者にも臆することのない堂々としたその姿勢は、まさに本物のロックボーカリストのオーラを放っていた。
 
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 ドラムカウントで始まった3曲目のナンバーは「時の扉」。柴崎の印象的なギターリフイントロ、木村の豪快なシンセサウンド。1993年を知る者なら、この曲がこの名前を冠したアルバムが、その年のNo.1セールスであったことを思い出すだろう。力強く壮大なナンバーは、さらにシンプルにソリッドにブラッシュアップされ、サポートのリズム陣と共に力強いバンドサウンドを響かせていた。
 
 懐かしくもビルドアップされて新しい、このモダンさ、その煌めきこそがWANDSサウンドを現代に蘇らせた必然だった。
 
 最後の曲前に上原がもう一度、自分自身の決意を再確認するように言った。
 
 「この先も新生WANDSとしてやっていきます。何が起ころうとも気にせずどこまでも突き進んで行こうと思っています。よろしくお願い致します。最後の曲です「世界が終るまでは…」。
 
 この曲もWANDSナンバーの中では、名曲中の名曲。1994年アニメ「スラムダンク」の主題歌として日本中を熱狂させたミリオンヒットナンバーだ。年月を経てもなお色褪せない楽曲は素晴らしい。それをライブで中実に再現して蘇らせたバンドの底力、そして新たなる地平を切り開いて見せた新ボーカル上原大史。確かに第5期WANDSの始動には年月を超越したソウルが宿っていた。
 
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 日本の音楽シーンが「音楽」そのものの力で光輝いていた1990年代、その栄光が再び戻ってきたかのような感触を感じさせる感動的なライブだった。
 
 2020年、時代は変わる、そして再び新しい時代の扉を開けるのは、第5期WANDSなのかもしれない。
 
(TEXT:斉田才)
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