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トップレポート新宿ロフト歌舞伎町移転20周年をヘルマン、HERE、クレ山が祝福! カメラマン主催イベント"UNDERGROUND"でぶつかり合ったギターロックの現在形。

新宿ロフト歌舞伎町移転20周年をヘルマン、HERE、クレ山が祝福! カメラマン主催イベント"UNDERGROUND"でぶつかり合ったギターロックの現在形。

2019.07.05

 カメラマン高畠正人が主催する“UNDERGROUND”が6月9日に新宿ロフトで開催され、Hermann H. & The Pacemakers、HERE、CRAZY WEST MOUNTAINの3組が“ロックの日(6月9日)”を大いに盛り上げた。
 
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 当日は3組のお抱えカメラマンである高畠によるライブ写真やフォトTシャツの展示がロフトBar奥の“深海”で行われたほか、Barステージ周辺にはゴザが敷かれ、靴を脱いでゆったり過ごせるスペースなども。開演前から写真展を見たり、バーで寛いだりと各人が自由気ままに過ごしている姿が印象的だった。
 
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 3組の共通点は高畠が撮影しているバンドということもあるが、新宿ロフトが歌舞伎町に移転して以降、コンスタントに出演しているメンツでもある。3組が辿ってきた足跡には、武道館アーティストになったバンドや、解散してしまったバンドとの対バンがあり、2019年の今、ライブハウスで彼らを体感できるのは感慨深いものがある。この日の対バンはそうした歴史も重ねることで、2000年代のギターロックの流れと未来への希望を感じるイベントだった。
 
 定刻どおりに登場したのは、“人生の頂を目指す5人組ミクスチャー山バンド”CRAZY WEST MOUNTAIN。SE終わりでボーカル鶴岡を除くメンバーがステージに現れ、おもむろに轟音セッションをはじめる。これは、これまでのクレ山にはなかったパターン。下手ギターのレイがソロを弾きまくり、いきなりバンドのテンションが上がったところで、ベース西山によるお馴染みの「セカンド童貞」のイントロが響き渡る。ボーカル鶴岡が登場し、客席を煽り、演奏も更に熱がこもる。クレ山初期から演奏されている曲が、イントロセッションを加えることで曲の破壊力が倍増するという新たな瞬間に立ち会えた。
 
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 「STEP BY STEP」、「あっためてくれ!」とクレ山流ラブソングで客席との一体感も手に入れたあとは、ここからが本番とばかりにバンド史上でもかなりヘヴィなロックナンバー「鬼殺し」を叩きつけるように披露。昔話の桃太郎をモチーフにしつつもまったく別の世界観に昇華してしまう鶴岡らしさがもっとも現れている曲。そこからのサイケデリックナンバー「HUNGED MAN」、ダンスナンバー「Mr.オンタイム」がこの日のハイライト。どんなにハードな曲でもポップさを失わないのがクレ山の強さだ。「HUNGED MAN」は、今夏に発売予定の配信シングルに収録されるらしいので音源も楽しみ。
 
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 そして、この日もっとも驚かされたのは、ここ数年まったく触れられなくなっていた初期の名曲「泥棒」を披露したこと。過去曲も定期的にサルベージするクレ山だが、なぜか埋もれたままだった曲だけにここに来ての復活は嬉しい限り。なぜこの日に演奏したのかは、「泥棒」をテーマにアーティスト写真を撮ったクレ山&高畠にとっての思い出の曲だからとのこと。ルパン三世に憧れた男の悲哀を歌うヘヴィロックは、7年前よりメンバー個人のスキルが上がったことでドラマチックなナンバーに生まれ変わり、一本の長編映画のように仕上がっていた。はじめてこの曲を叩くDr.工藤もばっちりで、クレ山流ボヘミアン・ラプソディー(鶴岡談)がロフトに鳴り響いた。
 
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 ラストはタオルを振り回す軽快なナンバー「赤いレンタカー」から、クレ山のアンセム「曙」へ。上手ギターの前田のイントロがはじまると客席の温度がギュッと引き締まるのが心地良い。「あ~けぼのっ~」っと普段は絶対に叫ばない大声で客席がひとつになる光景を演出できるのもクレ山ならでは。ギターロックが元気のない今こそクレ山が必要だ。
 
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 2番手で登場したのは、久しぶりのロフト登場となるHERE。前身バンド、インビシブルマンズデスベッド時代はホームとしてロフトに頻繁に出演していただけに、まさに凱旋といっていいライブとなった。1曲目は通常のライブではクライマックスに演奏される「己 STAND UP」。いきなりのハイテンション仕様は、HEREのこの日にかける想いを感じる。曲の中盤では下手ギターの三橋隼人がボーカル尾形にジャイアントスイングされながらソロを弾くというアクロバティックな演奏法で客席を沸かせ、上手ギターの武田将幸が華麗なソロを弾いたあと「例え槍が降ってもやるならやらねば!」と叫ぶ。まさに出し惜しみ一切なしのHERE。
 
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 この日のHEREは“みんなの知ってる曲を大合唱スタイルでやります”との宣言通り、「はっきよい」「ギラギラBODY&SOUL」「HIGH TENSION DAYS」「チャンチャンチャンスDEダンダンダンス」とライブの鉄板曲をこれでもかと畳み掛ける。尾形が持つ並々ならぬ生命エネルギーは、近年の楽曲のキャッチーさとの相乗効果で、はじめて観た人も巻き込む力を得ている。ハンドマイクで歌うボーカリストの面目躍如だ。
 
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 HEREはこの日、高畠が撮った新しいアー写を発表したということもあり、高畠をステージにあげ、なぜか記念撮影を。よくあるお客さんを入れての写真じゃなく、ライブ中のメンバーのみの集合写真ってところが彼ららしい。
 
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 その後は、「スーパーポジティブ」「土壇場READY GO」と立て続けに客席と一体化できる曲でライブ後半を盛り上げる。パッと見はどうしても華やかなツインギターが目立つHEREだが、実はベースの壱とドラムのユージのロックセンスもHEREを構成する重要な要素。音遊びができるサポートメンバーに支えられているからこそHEREのライブの楽しさが保証されているともいえる。ラストは必殺の「ゾッコンROCK ON」。「歌舞伎町はまるで宇宙のようだ!」と叫び、まさに大気圏突破しそうな勢いでライブを締めた。
 
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 トリを務めたのは、ロフトが歌舞伎町に移転した頃からコンスタントに出演しているHermann H. & The Pacemakers。バンドの調子がよいときも悪いときも常に立ち続けていたステージだけに、病気を経てボーカルの岡本洋平がこのステージに戻ってきたのは感慨深い。そして、この日のヘルマンのセットリストは新宿ロフトへのリスペクトを感じるものだった。なにしろインディーズ時代の『INPUT!』に収録されていた「fruity machine gun」からスタートするライブ。バンド結成初期の曲ではじめることで自らの立ち位置を確かめるようだった。しかも曲間にスーパーマリオブラザーズのテーマを差し込み、WOLFがリフティングをはじめる。今ではWOLFの存在自体が普通になっているが、初期のヘルマンはWOLFが何者かも含めて謎多きバンドだった。20年たった今も、ステージでリフティングしているWOLFを観て、何も変わらないことに嬉しくなった。
 
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 続いて披露されたのは99年のインディーズデビュー盤『Heavy Fitness』の1曲目に収録されている『エアコン・キングダム』。この1、2曲目を聴くだけで今のヘルマンがライブに飢え、ロックを鳴らしたいモードなのだとわかる。ギター平床政治から繰り出される歪んだ音、キーボード溝田志穂の絶妙なオルガンフレーズも含めて、普遍的なギターロックが鳴っていた。
 
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 中盤に披露された「Dance Don't Run!』から、新曲の「戦争とバースデー」のくだりは、新しいギターロックサウンドのヘルマン流の挑戦に思えるほど胸に突き刺さる。特に「戦争とバースデー」は、メッセージ色が強い歌詞、コーラスの厚み、そしてなによりダンスロックとして客席を踊らせる強さに溢れた最強のロックナンバー。新曲がいちばんカッコいいのがロックバンドの最高の姿。この日のヘルマンはまさにそれを見せつけた。
 
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 そして、岡本洋平のギターストロークから、あのフレーズが鳴らされる。そう、「アクション」 だ。ヘルマンの代表曲であり、一発でフロアを熱狂の渦に巻き込む一撃必聴の曲。ベースのサトウトモノリのベース音もどっしり決まり、サポートドラムの水野雅昭との息もぴったり。ラストはサポートギターで参加してたLUNKHEADの山下壮のイントロから名バラード「夜には星と音楽を」がはじまる。明日も、明後日も、音楽が止まらないようにバンドは演奏をする。そんな音楽がある日常が続くようにとの気持ちを感じるヘルマンのライブだった。
 
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 3バンドの終了後には、ヘルマンから岡本、HEREから尾形&三橋、CRAZY WEST MOUNTAINから鶴岡&前田が参加してのアンコールセッション。鶴岡をメインボーカルに、岡本がウクレレを弾き、尾形がアコースティック・ギター、三橋&前田がエレキギターという贅沢な布陣で披露されたのは忌野清志郎が訳詞をしたボブ・ディランの「風に吹かれて」。ボブ・ディラン、忌野清志郎、そして新宿ロフト。ロックはこれからも続く。新しい世代が、これからも音楽を紡ぐ。2019年の“ロックの日”は忘れられない一日になった。
 
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余談だが、この日はイベントでは珍しい3バンドの共通のパンフレットがカメラマン高畠によって制作されていた。表紙は、今回のイベントのポスターを手がけたマンガ家・室井大資さんによる描きおろしイラストで、内容も3バンドのボーカルによる鼎談や、高畠がここ数年撮りためてきた各バンドの写真などを網羅したりと盛りだくさんの内容。たった一日のイベントでも、いろいろな遊びにができることもライブハウスの楽しみだ。
 
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個人的にツボだったのはヘルマンのWOLFが個人物販で「MAKE WOLF GREAT AGAIN」キャップを用意してたこと。どこかで見た(どこかの国の大統領が被っていたな~(笑))デザインで、WOLF党員を募集していた。しかも値段は$換算っていうこだわり。こういうところがヘルマンだなと。このキャップはこれからのヘルマンライブでも売るらしいので是非チェックを。(text&photo:高畠正人)
 
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CRAZY WEST MOUNTAIN
1. セカンド童貞
2. STEP BY STEP
3. あっためてくれ!
4. 鬼殺し
5. HUNGED MAN
6. Mr.オンタイム
7. 泥棒
8. 赤いレンタカー
9. 曙
 
HERE
1.己 STAND UP
2.はっきよい
3.ギラギラBODY&SOUL
4.HIGH TENSION DAYS
5.チャンチャンチャンスDEダンダンダンス
6.スーパーポジティブ
7.土壇場READY GO
8.ゾッコンROCK ON
 
Hermann H. & The Pacemakers
1.fruity machine gun
2.エアコンキングダム
3.東京湾
4.言葉の果てに雨が降る
5.Dance Don't Run!
6.戦争とバースデー
7.アクション
8.夜には星と音楽を

Live Info.

HERE『HEREのワンマンで愛と勇気にハロー!! 』

2019.8.28(Wed)東京・新宿BLAZE
 
開場 19:00  開演 19:30
前売 1169円  当日 3969円 (ドリンク別)
 

CRAZY WEST MOUNTAIN『山の日 アコースティックワンマン』

2019.8.11(日) 新代田crossing
開場 17:00  開演 17:30
前売1500円  当日 2000円 (ドリンク別)
food:にしやまめし
 
 
 
 
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