Rooftop ルーフトップ

REPORT

トップレポート【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTES「Diver In the BLACK Tour 〜ReI of Lights〜 」2018.2.15 (Thu) @大阪城ホール

【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTES「Diver In the BLACK Tour 〜ReI of Lights〜 」2018.2.15 (Thu) @大阪城ホール

2018.02.16

hiki4_viola.jpg
akira1_kohei.jpghiki2_viola.jpg
 
THE ORAL CIGARETTESが大阪城ホールで初となるワンマンライブ「唇ワンマンライブ 2018 WINTER 「Diver In the BLACK Tour~ReI of Lights~」」を開催した。かつて大阪でバンド活動の基盤を築いたオーラルにとって、そこは夢のステージのひとつだ。メジャーデビューから3年半を経て、その場所を即日ソールドアウトさせるまでに成長した彼らは、この日、地元ならではの楽曲を数多く交えながら、会場を埋め尽くした1万人と誠実に向き合い、隅々まで熱狂させる圧巻の凱旋ライブを繰り広げた。
 
オープニングは会場を巨大な潜水艦に見立てた演出だった。そこにけたたましいエマージェンシーコールが鳴り響くと、山中拓也(Vo)、鈴木重伸(Gt)、あきらかにあきら(Ba)、中西雅哉(Dr)がステージに姿を現した。大きな歓声が湧くなか、ライブは「カンタンナコト」で口火を切った。中西が刻む性急なビートにのせて、あきらのファンキーなベースと鈴木の鮮やかなギターとが複雑に絡み合うと、会場はあっと言う間に熱狂と興奮に包まれていく。「今日は闇の奥底まで引きずり込んでやるからな!」。山中の容赦ない煽り文句を合図に、真っ赤なレーザー光線がお客さんの頭上を縦横無尽に飛び交った「CATCH ME」へ。開始早々から4人はトップギアのテンションで攻め込んでいく。そして、山中が「あのとき、俺をバカにしたあいつらへ。大阪だからやれる曲を」と紹介した「N.I.R.A」、上京したばかりのころに東京での辛い気持ちをストレートに綴ったスローナンバー「リメイクセンス」など、この日は悔しさをバネに、もがきつづけてきたバンド初期の楽曲が印象的に織り交ぜられていた。いまでこそ大阪城ホール即完のオーラルだが、決して一足飛びに成功を掴んだわけではない。特に大阪時代に多くの辛酸を舐めた彼らにとって、それは辛い時期を支えてくれた大阪のお客さんだからこそ聴いてもらいたい楽曲たちだった。
 
hiki1_viola.jpgakira2_kohei.jpghiki3_kohei.jpg
 
 中盤、銃声や戦闘機のプロペラ音という戦争や紛争を彷彿させる不穏な音が会場中に鳴り響き、山中が「戦争の歌です」と明言したことで、会場の空気を変えたのは「WARWARWAR」だった。混沌としたスクリーンの映像を使いながら、その曲が描くのは“反戦歌”ではなく、人と人とが争うことの異常性を浮き彫りにすることで、戦争への疑問を呈する、そんな楽曲だ。そこから、ライブはますますディープな闇の世界へと突入していく。痛いほどの負の感情を吐露するダークアンセム「接触」、何度も“嫌い”というフレーズを叩きつける「嫌い」。狂気的な演奏と光の演出によって、息が詰るような孤独と閉塞感を表現し切ったあと、その闇から優しく救いあげるように投げかけた希望のアンセム「Flower」への流れは圧巻だった。決してきれいごとを歌わず、マイナスの感情を覆い隠さないがゆえに、闇を背負うバンドを自称するオーラルだが、彼らが求めるものはいつだって眩しいほどの光だ。
 
 MCでは前日がバレンタインデーということで、今年もらったチョコの個数を競い合うメンバー同士のやりとりで笑いを誘うと、ここ最近のライブでは封印されていた「大魔王参上」が久しぶりに披露された。4年前にまだ無名のオーラルが「Ready Set Go!!」というレーベルイベントで初めて大阪城ホールに立ったとき、唯一お客さんの手応えを掴めた曲だったという。「あの悔しい想いを挽回させてもらえて嬉しいです」と、山中。抜群の破壊力を誇る元祖キラーチューンが特大のシンガロングを巻き起こすと、あきらの足あげパフォーマンスもいつも以上に豪快だった。そして、ステージに炎の玉が吹き上がった「5150」からはお客さんの声や手拍子も一緒になって、その場所にいる全員で最高の空間を作り上げてく。そして、「mist…」ではステージを全力で暴れまわるメンバーに対して、同じように全力のレスポンスで応えるお客さんのパワーを目の当たりにした山中は、「ちょっ……待って」と息を整えてから、「生きてきたなかでいちばん気持ち良かったです!」と会心の笑顔を見せてくれた。
 
hiki6_kohei.jpghiki5_viola_1.jpghiki7_kohei.jpg
 
 本編の最後のMCでは、大阪城ホールの先にある夢として、アリーナツアーや京セラドームでのライブを口にしながらも、「広い場所でやるよりも大切なことがあると思う」と、山中は言葉を選びながら語りかけた。「このステージに立つのがどういう人間なのか、このフロアにいるのがどういう人間なのか、そのあいだにどんな大切なものが生まれるかが大事だと思います」と。そして、“また人間としてレベルアップして再会しよう”という願いと共に届けたのは、美しいピアノの旋律が寄り添う約束の歌「ONE'S AGAIN」だった。その歌に込められたメッセージを一語たりとも漏らさず汲み取ろうと、お客さんの集中力も最高潮に研ぎ澄まされていくなか、山中は「お前らは強いよ!絶対に大丈夫だから!ずっとここで待ってる」と叫んだ。それは音楽を通じて、お互いが高め合い、鼓舞し合う、そんな盟友のような関係性がバンドとお客さんの間に築かれていく瞬間だった。
 
そこから「狂乱 Hey Kids!!」と「BLACK MEMORY」の新旧ライブアンセムを畳みかける怒涛の勢いでライブ本編は終了。始まったとき、とても大きく見えた大阪城ホールだったが、気づけばそこはライブハウスのように親密な一体感に包まれていた。
 
hiki11_kohei.jpghiki10_viola.jpghiki9_kohei.jpg
 
 アンコールでは、地元・関西に戻ってきたことで、改めて「初心を忘れちゃいけない」という想いからメジャーデビュー曲「起死回生STORY」を披露した。恒例の高速ハンドクラップが会場を満たすと、そのお客さんの頭上に華々しく銀テープが舞う。そして、最後はいまバンドが最も伝えたい想いを込めたナンバー「ReI」だった。「Diver In the BLACK Tour」を通じて、昨年からずっとバンドが大切に歌い続けてきたその楽曲は、山中が初めて自分のためではなく、誰かのためを思って書いたという“明日を生きる”のための楽曲だ。その曲を、涙をこらえるようにして歌い切り、オーラル初の大阪城ホールライブは幕を閉じた。そして最後に、メンバーのハードルを設けずに、楽曲を届けたいという思いからReI projectを始動させ、その第一歩として「ReI」のフリーダウンロードの実施を発表した。去り際、山中がまるで思い出したように「あ、夏までにアルバムを出しますわ!」とさらりと発表。当然、会場はひときわ大きな歓声に包まれた。
 
takuya_1_viola.jpgshige_viola.jpgmasaya_viola.jpg
 
 この日、地元・大阪城ホールで大きな夢を実現したTHE ORAL CIGARETTES。新たな場所でライブをねるたびに、オーラルはその場所に、再び帰ってくるべき理由も残していく。何度でも強く生まれ変わって、強くなった“あなたたち”と再会するために。(Photo:鈴木公平・Viola Kam (V'z Twinkle Photography)
 
Diver In the BLACK Tour 〜ReI of Lights〜
2018.2.15(Thu)@大阪城ホール
セットリスト
1.カンタンナコト
2. CATCH ME
3. N.I.R.A
4. Uh...man
5. Shala La
6.リメイクセンス
7.マナーモード
8. WARWARWAR
9.接触
10.嫌い
11. Flower
12.エンドロール
13.大魔王参上
14. 5150
15. mist...
16. ONE'S AGAIN
17.トナリアウ
18.狂乱 Hey Kids!!
19. BLACK MEMORY
−EN−
1.起死回生STORY
2. ReI
 
hiki12_viola.jpgtakuya_3_viola.jpgtakuya_2_kohei.jpg
このアーティストの関連記事
haku
lpo