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トップレポート【ライブレポート】2015.11.15 SHIT HAPPENING『Landmark TOUR 2015 FINAL ONE MAN』代官山UNIT公演

【ライブレポート】2015.11.15 SHIT HAPPENING『Landmark TOUR 2015 FINAL ONE MAN』代官山UNIT公演

2015.11.25

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2015年1月23日代官山UNITワンマン公演から約10ヶ月の時を隔て、栃木県宇都宮市出身4人組SHIT HAPPENINGが2015年11月15日『Landmark TOUR 2015 FINAL ONE MAN』と掲げ、再び代官山UNITのステージへ挑んだ。
会場内にはこのLandmark TOURにて各地で共演を果たしたバンドの楽曲が鳴り渡り、今か今かと会場内を焦らし続ける。
 
18:10。
紺青の光に照らされ、大きな歓声に包まれいよいよ4人がステージに現れた。
何処と無く足取りがより高みへ挑み続けた約3ヶ月半に渡るツアーで強さと自信を見出したかのように思えた。
 
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『Landmark TOUR 2015 FINAL ONE MAN』幕開けの一曲目は、アルバム『Landmark』の一曲目にもなっている"Howling"を一音一音フロアに撃ち込むかのように披露された。常に瞬間的な爆発力を持つ彼らのステージだが、この日はより一層スタートの疾走感と瞬発力に拍車がかかっていたかのようであった。
「ついてこれる?」とvo.小野﨑建太が告げ、続くライブの鉄板"透明人間"では、ステージから放たれる熱量と、応えようとするフロアの温度差が急速に一体感を高め、"Bad Day"へと繋がる。スピードは止まることなく加速し続け、ふと気を抜くと振り落とされそうになるような感覚をもしっかりと汲み取ったかのように掬いあげ、離さないSHIT HAPPENINGのライブがそこにはあった。
 
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「こんばんはSHIT HAPPENINGです!!FINALー!!!」とお馴染みDr.梅田貴之の一触即発コーナーからバトンを渡されたVo.小野﨑は「ワクワクさせるような空間に、楽しい夜に向かっていきましょう。この空間を大事に大事に、最高のGAMEをしませんか?」とまるで解説書を読み、ゲームのスタートボタンを押したかのように始まった"GAME"は、遊び心を詰め込んだメロディで音の弾をぶつけ合い、辺りは弾けるような笑顔と身体を動かす人々で溢れ、GAME SETと同時に時を止めたかのような異様な静寂へ。
空間を自ら銃口で撃ち抜くかのように始まったのはアルバム『Landmark』のリード曲となった"Seeker"、そして"空想ドライブ"であった。ステージ上の彼らは既に始まった時よりも自信に満ち溢れた逞しい姿がそこにはあり、彼らの挑み続けてきた姿、挑み続ける姿を証明するかのようであった。
 
 
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「最近パーマかけましたね建太さん~」とファイナル前に起きたVo.小野﨑のヘアアレンジに関する話題をツアーファイナルのステージ上とは思えない緩さと空気感で話し始めたのはGt.岩瀬晃二郎である。Gt.岩瀬とVo.小野﨑の日常会話のようなやり取りに一切無関心で自らのペースを崩さないのがBa.今瀬智成である。この光景ももはや定番なのだが、長年の仲だからこそ生まれる空気感であり、SHIT HAPPENINGのライブの持ち味の一つだ。
 
「いろんな場所へみんなに「こんな曲ができたよ」って答え合わせをするように会いに行ったのがこのLandmark TOURでした。想像もしていなかった遥か彼方まで、俺らの音楽でみんなのことを連れて行くから。片道切符だけ持ってきてくれればいいよ!」
と一人一人フロアの人々の手を取り握り、汽笛を鳴らしたかのように始まった"Train"では、後光を刺すように照らされたステージとフロアはどこか安心感と優しさに包まれ、どこまでも続く折り返しのないこの先の道を示したようであった。
時間は遡り、灼熱の日差しが刺す夏へ。"Summer"が始まった。Gt.岩瀬の四季彩と表情豊かなギターサウンドが一瞬で過ぎ去った夏の時間を、一つ一つ呼び起こすかのように音で絶え間無く照らし、降り注いでいた。
その時間を駆け抜けるかのように始まった"Catch Me If You Can"は、強気で豪快なアッパーメロディにどこか小心でネガティヴな言葉が乗っかる人間らしさが見え隠れする楽曲なのだが、投げ掛ける言葉や問いただす感情に受け応えするかのようにフロアからのクラップや歌声がまるで答えを導き合うかのようで、ライブで格段と成長を遂げた曲として披露された。
「一人ぼっちで卑屈になって作った曲だけど、今こうやってみんなの前で歌える事でとても幸せな曲になってる」とVo.小野﨑はまるで過去の自分に話しかけるかのように言葉を放ち、「一緒に歌おう」と大きく意気揚々とステージ上からフロアを巻き込むかのように言葉を投げ掛ける姿がとても印象的な"Alone"が続いた。
 
どこか侘しさを感じさせるギターの音が鳴り渡り、密やかな時が流れる。
「日々真っ直ぐに、なるべく自分に正直に生きようとしてるのに、反して「言ってはいけない」って自分に言ってる自分もいて。でも抑えたからこそ成立する今もあって。
どんな後悔も、今日のこの瞬間があるならいいなって思う。そんなことを思いながらこれからも曲を書くから。」
と呟くように始まった 後悔の歌 "言えない"は、自身の葛藤を包み隠す事なく表現し、険しく歪んだ表情を浮かべつつ、一つ一つの丁寧に言葉に音を乗せ、開く瞳の中の強さを感じさせた。奥深さと雄大さを身体の芯まで響かせるBa.今瀬のベースサウンドがそんな強さを一掃引き立てるようであった。
淡い色合いの光の粒子が辺りを取り巻くかのように、"Sleeping Beauty"、"ペダル"が続く。伸びやかな歌声と、壮大なメロディーが辺り一面に広がる空間は、心地良さに満ちた。
一寸の光が差し込むように、真っ直ぐで柔らかな"Sign"を通じて届けるメッセージは、募る想い全てを凝縮しているようであり、クライマックスと言わんばかりのステージがそこにはあった。一歩一歩足跡を残すかのように刻まれたここまでのストーリーにフロアは完全に魅了されていた。
 
機材車を新しく購入した事や、初日地元宇都宮でワンマンを開催した事などのツアーの思い出を振り返り、「もっともっといい曲書いて、もっともっと活動の幅を広げて世界征服するんで!」
と大々的に世界征服を宣言し、いよいよ終盤戦へ。
言霊とはまさにこの瞬間であったのではなかろうか。Dr.梅田の大きく弾けるように振りかざした"Yesterday"の始まりの貫くような一音は、次のステージへ踏み出した彼らの姿が不思議と目の裏に映し出された瞬間であった。
数え切れないほどの笑顔で溢れるフロアとのアンセムで満ちた"OVER"、そんな緩やかな空間に突如攻撃的な音が降り注がれた"Mind Strip"、"Paralysis"が彼らの音楽に対する貪欲な一面を際立て、それに応えるかのように会場の高揚感は収まることはない。まだまだ超え続ける時の流れが終わりに近づく事に名残惜しさを覚える。
いよいよラスト"BUSTER"では、レーベルメイトNECOKICKS Dr.KO-KIをサポートドラムとして迎えた。ここに来て想定外の事態を巻き起こす彼らのエンターテナー性にもはや驚きを隠せないのだが、宣言通り「ワクワクさせる空間」をしっかりと形として結んだ本編の終演となった。
 
鳴り止まない大勢の拍手に包まれ、4人は再びステージへと戻ってきた。「せっかくなんで昔話をひとつ。」とVo.小野﨑はサッカー選手になりたかったとある少年の昔話を始めた。
「小、中、高とサッカーを続けたサッカー少年は、高校時代に先輩にポジションを奪われてあっさり挫折してしまいました。
その時に中学生の時にたまたま組んだバンドを思い出して、当時組んでたメンバーを呼び戻すことにしました。
まずはドラムを呼び戻す事にしたのですが、既に卓球部に入っていたそいつを口説いて口説いて、一緒にまたバンドができることになりました。
その後にギターが抜けることになって、その頃対バンしたバンドのギタリストがまあかっこいい!一見嫌な奴そうだったんだけど話してみたらいい奴で、そいつが一緒にバンドをやってくれることになりました。
専門学生の夏にベースが抜けることになって、高校時代に席が前だった音楽好きだったクラスメートの事を思い出して。そいつ大学で部活めちゃめちゃ頑張ってたんだけど、どうしても一緒にバンドやりたくて、電話かけまくって一緒にやってくれることになりました。
それで、SHIT HAPPENINGが出来上がりました。
17歳の時に夢見てたサッカー選手にはなれなかったけど、今俺には新しい夢があって。
俺はその夢に向かって信じてこれからも曲を書き続けます。」
そして始まった"Come Back 17"は、笑顔で見つめる人、歌詞を口ずさみ歌う人、涙を浮かべながら見つめる人と、人の分だけ表情があり、人の分だけ感情が溢れる時間となっていた。この日Vo.小野﨑が話した とある少年の昔話 はきっと今日のこの日、訪れた人々の人生で色褪せることなく、心に刻まれ続けていくことであろう。
人の分だけの思いを彼らの音に乗せて遠くまで飛んでいくかのように"kamihikouki"が続き、ラスト"End"が終わりに向けて始まった。
「俺たち4人はみんながあと一日長く生きたくなるような、もう一歩前に進みたくなるような、そんな音楽を変わらずずっと作り続けるから。
本当にありがとうございました。SHIT HAPPENINGでした!」
 
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変わらない強さ、そして変わり続ける強さを大きく成長した姿で彼ららしさを存分に発揮させ、ステージから示した今回のSHIT HAPPENING
『Landmark TOUR 2015 FINAL ONE MAN』であった。
このツアーで彼ら4人が見つけた目印は、きっとこの先揺らぐ事なく向かい続け、戦い続けていくことであろう。
今後のSHIT HAPPENINGの更なる活躍への期待と、夢を追い続ける姿から目を離さないでもらいたい。
 
 
<セットリスト>
1:Howling
2:透明人間
3:Bad Day
MC
4:GAME
5:Seeker
6:空想ドライブ
MC
7:Train
8:Summer
9:Catch Me If You Can
10:Alone
MC
11:言えない
12:Sleeping Beauty
13:ペダル
14:Sign
MC
15:Yesterday
16:OVER
17:Mind Strip
18:Paralysis
19:BUSTER
 
EN1:Come Back 17
EN2:kamihikouki
EN3:End
 
text:新宿LOFT 横溝英梨 photo:Daisuke Miyashita
 

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