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ロフト東日本大震災復興支援プロジェクトレポート

2011.11.04

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 これまでにも本紙紙面上で、東日本大震災発生直後から続けている「ロフト東日本大震災復興支援プロジェクト」の活動を度々お知らせしてきましたが、今回はその中から「ソウル・フラワー・みちのく旅団被災地出前ライヴ・ツアー」をピックアップ。

IMG_5359.jpg ロフトプロジェクトでは、震災発生直後、緊急支援を行うことを決めたNGOピースボートに、スタッフを帯同させる形で現地での直接支援をサポートするほか、系列店舗での募金、チャリティイベントからの寄付など様々な支援活動を展開してきた。その中でも、音楽に携わる立場の人間としては、ロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン(以下、SFU)」と共に被災地に音楽を届ける一連の活動のサポートが出来たことは素直に喜ばしいことであった。
 3.11以降、SFUは震災から4日後に楽曲『満月の夕(ラフ・ミックスVer.)』をメッセージとともにWEB上に公開するほか、フロントマン中川敬が中心となり、同バンドメンバーや、スケジュール調整が可能な親交のあるミュージシャンらと共に、被災地の避難所や仮設住宅などを周り、地域に伝わる民謡や当時のはやり唄など全年代を対象とした演目を行ってきた。アコースティック編成のそのユニットは「ソウル・フラワー・みちのく旅団」と名付けられ、これまでに6地域14カ所に音楽を届けてきた。ご存じでない方のために説明を加えると、SFUは1995年の阪神大震災を機にチンドンスタイルの「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」を結成。震災から2週間後に出前慰問ライヴを開始。以降200カ所以上の避難所などで演奏をし続けてきた。その中で生まれた「満月の夕」は今や彼らの代表曲に挙げられる名曲だ。今回の震災後、youtubeやtwitterなどを経由して楽曲を聴いたという方も多いのではないだろうか。

IMG_5117.jpg 以前よりSFUと親交のあった私は、被災地へ入ってからも毎晩の様に中川氏と連絡を取り合い、現地の状況を伝えていた。そんな彼らが初めて被災地を訪れたのは4月末。代々木公園で開催されたアースデイへ出演した後、事前に電話で依頼を出していた石巻市の保育所に届けるための文房具や事務用品などの支援物資を満載した車で宮城県石巻市に入った。
 被災から1ヶ月以上が過ぎていたが、街はあらゆるものが瓦礫となり取り残されている状態であった。案内する道すがらの車中では、阪神大震災の被害を知っている彼らですら一様に押し黙り、そのショックを隠せないでいた。その後、地元の方々や支援活動を続けるボランティアなどから「エンターテイメント」の必要性が伝えられるようになり、同様に感じていた私はそのままの感覚を中川氏に伝えると、スケジュールの合間を縫い、初めての訪問からおよそ3週間後の5月中旬、演奏のために東北の地へ再び訪れることとなった。それから早5ヶ月。10月末現在、前述の通り6地域14カ所で演奏を行ってきた彼らは、奇跡とも呼べる多くの縁を手繰り寄せ、地元の人たちと繋がり、演奏に留まらない支援活動を展開している。(詳しくは「ソウルフラワー震災基金」のWEBサイトを確認されたい)そして実は、年末から来年にかけての「ソウル・フラワー・みちのく旅団 被災地出前ライヴ」の計画も目下進行中であり、私も現地との相談・調整を進めているところだ。

IMG_5125.jpg ツアーやレコーディングなど多忙を極めるスケジュールの中、隙間の数日間を見つけてはメンバー自らハンドルを握り(私は免許がない為、毎回恐縮至極である)東北道を北上する。掛かる経費も同行メンバーでの頭割りだ。しかし、彼らの口から「終わり」という言葉は出ない。阪神淡路大震災後、200カ所以上での出前ライヴ活動の経験を持つ中川氏は「長くなるね」と当初から語っていた。

 そんな彼らの活動のサポートを通して一つのことに気がついた。「続ける」ということ──翻って、いま、私たちひとりひとりに問われているキーワードではないだろうか。被災地は、消費され過ぎ去っていくものではない。そう頭では思っていても消費体質に慣れきっている私たちは、ふと気づくと被災地のことを通り過ぎた一つの「出来事/体験」として捉えてしまう節はないだろうか。間違っても過去形の話ではないし、今も複雑に形を変えた被災の現実が被災者の肩にのしかかっている。そして原発、放射能の状況をみれば東北以南に住む人たちも全く他人事ではない。次から次へと過去最高線量を記録する高濃度汚染地域が見つかり、除染の対策や方針も決められぬままいたずらに時間だけを浪費し、未だ収束の兆しも見えない。
 まったく信じがたいことが現在進行形で起こっている。それは真正面から向き合うにはとても辛く、精神も疲弊する。しかし、それでもこの現実に向き合い続けていくことが、3.11以降の時代を生きてゆく私たちにとって必要な覚悟なのではないだろうか。5ヶ月半の現地滞在支援を8月末に区切りをつけ、東京での業務に戻った私は、SFUの被災地出前ライヴに携わりながらそんなことを考えていた。(TEXT:上野祥法)
 

※以下、これまでの演奏データ。

ソウルフラワーみちのく旅団 被災地出前ライヴ第一弾
ソウルフラワーユニオンwith リクオ
中川敬:唄・三線・ギター、リクオ:ピアノ・アコーディオン・唄、高木克:ギター

▼5月17日
石巻市ライブハウス「ラ・ストラーダ」
▼5月18日
石巻市立湊小学校体育館(避難所)
女川町総合体育館
▼5月19日
南三陸町志津川高校
南三陸町歌津中学校

ソウルフラワーみちのく旅団 被災地出前ライヴ第二弾
中川敬:唄・三線・ギター
奥野真哉:ピアノ・アコーディオン、JIGEN:ベース、ミホ:唄、高木克:ギター

▼5月21日
石巻市渡波地区「黄金浜会館」
女川町総合体育館
▼5月22日
陸前高田第一中学校
気仙沼三日町オレンジ/コミュニティカフェ「チャの木」
▼5月23日
気仙沼総合体育館
大船渡市民文化会館

ソウルフラワーみちのく旅団 被災地出前ライヴ第二弾
中川敬:唄・三線・ギター、JIGEN:ベース、ミホ:唄、高木克:ギター

▼9月28日
石巻市中屋敷「中島産業前」
▼9月29日
石巻市牡鹿半島荻浜漁港
南三陸町志津川中瀬町仮設住宅二期集会所
 

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