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【ライブレポート】カリフォルニアで開催された2つの野外フェス

2011.09.06

シスコ・カルチャー最前線
〜カリフォルニアで開催された野外フェス現地レポート〜
文・写真:平野 風(web Rooftop サンフランシスコ特派員)

2011年夏、この度カリフォルニアで行われた2つのフェス、「Reggae on the River」と「Outside Lands Music Festival」に行く機会があったのでレポートします。

今年で27回目となる「Reggae on the River」はカリフォルニア州のガバビルという場所で7月16〜17日に開催されました。この場所はサンフランシスコを5時間北上した森の中、文字どおり川の隣で開かれます。
少々交通の便が悪く、日本からこのフェスに参加する場合のほとんどは車でここまで行かなくてはならない上に、フェスの推薦している駐車場は即売り切れとなっていました。シャトルバスがガバビルの町から無料で出ているとはいえ、Google Street Viewでも対応されていないなど田舎へ行く前は少々不安でしたが、たどり着いてしまえばスムーズに会場まで入ることができました。

写真1.jpg入口はこのような感じになっており、キャンプ場のような感じです。
入口からすでに何やら怪しく面白い雰囲気が漂っています。日本の大きなフェスではあり得ないような不思議な感じでした。このフェスは想像していたよりも小規模なものでして、好き勝手に出来るアメリカの中でも独特なヒッピー臭が出ています。
チケットの価格は一日のみで55ドル、2日通しで90ドルと控えめな感じでした。規模がそこまで大きくないというのと、場所の関係でしょうか。ここまで来るのに結構な交通費が個人でかかっていますし、場所も数年前から変更されてこのガバビルで行われています。夏のバカンスには良い感じの値段ですよね。

写真2.jpgステージは少し小さめに作られていました。この写真がメイン・ステージです。前の方は人だかりになっていますが、窮屈な感じはしません。
アメリカのレゲエを間近で聴くのは初めてで、感じたことは「とても音が奇麗」ということでした。湿度の少ないカリフォルニアの特徴でしょうか。もちろん音だけではなく、アーティストも場慣れしていて、オーディエンスと共に楽しんでいるんだ、という感じがすごく伝わってきました。
どうやら、このフェスはミュージシャン目当てに真剣に聴きにくるという感じではなく、レゲエと川が好きな人が夏休みに恋人や友達、家族と一緒にバカンスに来るといった印象を受けました。

写真3.jpg
写真4.jpgステージのすぐ横には川があり、水遊びやバーベキューを楽しんでいる人たちがいます。川の方からも演奏が聴こえてきますのでとことん楽しんでいる様子です。

写真5.jpg写真6.jpg

メイン・ステージの反対側にはとても小さなサブ・ステージがあります。そこへ行く途中には露店があり、アメリカらしく様々な国の料理が充実していました。
やはり、アジア系の人をほとんど見かけませんでした。この場まで来るということの難しさと本場のレゲエというあまり馴染みのないジャンルからでしょうか。

次に、アメリカ西海岸の夏の一大フェスとなってきた「Outside Lands Music Festival」を紹介します。2008年にスタートした新しいフェスですが、集まってくるアーティストはとても魅力的でした。今年は8月12〜14日に開催されました。
会場はサンフランシスコ市内のGolden Gate Parkの一部です。交通のアクセスがよく、帰りの心配などをしなくてよいのはとても魅力的です。
チケットの値段は3日通しで180ドル、VIPで450ドル。今回はVIPで入らせていただいたのでそちらの紹介もします。

メインステージの後ろからの外観は広々としています。
写真7.jpg初日は8月だというのにとても寒く、霧が出ていたことは驚きです。日本ではとても暑いお盆の真っただ中。そんな中、夜には最低気温が10度近くまで行くのですからジャケット含めて3枚は着なくてはなりません。日本からここに来たならば驚きでしょう。

写真8.jpgこの写真はOK GOのライブ・シーン。かなり後ろからですが、スクリーンに映っている4色のカラフルな衣装でパフォーマンス。ライブ途中では最前列で観ていた70歳近くのおばあさんが長く映し出され、それをスクリーンで見た観客が大きく歓声をあげました。
アメリカの普通のライブハウスでもそうですが、日本と違い若者だけがライブハウスやこのようなフェスへ行くものではありません。彼ら全体で作り上げたアメリカの様々な音楽シーンを実感させてくれる一つの素敵な映像だったと思いました。見たいものは年をとったからといって遠慮なんかしない!という強い意志を感じました。

写真9.jpgメイン・ステージから他のステージへ移動する際にはちょっとした木々を抜けて移動します。普段は開放されている公園なので、このようなゆったりと遊べるスペースが残されています。ただ、他のステージへ移動する通り道は砂埃がすごく、日本のように水を撒く習慣がないのできつかったです。砂埃のせいで移動が面倒になったりもしました。
トイレの環境はとてもよく、熱くないせいか匂いもきつくないし、そこまで並ばずに利用することができました。

VIPゾーンを紹介します。
写真10.jpgこれはセカンド・ステージのVIPゾーンですが、ステージから5メートル近くの横までこのように囲われていて、ライブを近くまで見ることができます。この中にはベンチやフード、ドリンク販売も行われていて非常に充実しています。このVIPゾーンには若者よりも年齢層が上で、座りながらゆっくりとライブを観ることができました。

写真11.jpgこちらの写真はメイン・ステージのVIPゾーンです。セカンド・ステージよりも広く取られており、近くで見れるので迫力がありました。ただ、みなさん背が高くてあまり前に行くと逆に見えないんですよね。ステージ横のモニターも綺麗に映っていたのでとても助かりました。

写真12.jpgこちらはメイン・ステージから離れたVIPエリア。ステージとの距離があるのですが、この写真の後ろには競技場の観賞するためのベンチが階段状に作られています。野外フェスでこのようなベンチに腰をかけつつ音楽が聴けるとは驚きでした。しかも、音のクオリティがとても良く、ここから離れたくなくなるほどです。

このベンチの裏がテントになっていまして、様々なカクテルやワイン、ビールなどが楽しめます。カリフォルニア自慢のワインはお値段が一杯11ドルというのもあり高く感じましたが、とても良い雰囲気でした。ただ、もう少し気候が暖かければもっと飲み物も進んだのに、と思えてなりません。夜は10度近くになりましたから。
大人こそこのVIPゾーンというものを満喫できるものだと実感しました。
写真13.jpg最終日のArcade Fireはとても素晴らしかったです。夜なのでうまく写真を撮ることができませんでしたが、今まで見たフェスの中で一番印象に残りました。鳴り響く音たちがとても心地よく、音楽を聴いていて次にどのような展開になるのかワクワクさせられたのは初めての経験だったかもしれません。

このフェスには激しいロック・バンドがあまり参加しなかったからでしょうか、ダイブなどの観客の騒ぎがないことには驚きました。観客は各々としての楽しみ方を持っています。それぞれが聴き慣れて育ってきた音楽、それはアメリカという文化では一部にしか過ぎず、多様な文化の音楽を受け入れる感受性を持っています。日本で育ったのならばTVやラジオでJ-POPに慣れます。いつの間にかその一つのジャンルしか聴かなくなってしまったり、他の音楽がどういうものか知らず興味さえ持てないことが僕にもありました。
人種の坩堝と言われるこの国では様々な人がこの国に集まり、育ってきた音楽や文化を人と交換します。僕は自分の知らなかった文化の音楽を探せる機会をこのようなフェスで体験することが出来ました。

写真14.jpg写真15.jpg最後に、日本とアメリカのフェスの違いを素人目線から感じたことは、「自由度」があります。バンドは個々にパフォーマンスを発揮していて、それぞれが「好き勝手にやっている」という印象を受けました。他のバンドやフェス自体のコンセプトなどは自分たちには関係ない! 自分たちの音はこれだ! という強い自信と個性を感じました。周りに合わせる気が感じられません。

もう一つは、「音の良さ」です。気候の影響は強いのでしょうが、前でも後ろでも質の高い音が聴こえることは、休んでいる時でも耳を傾けることが出来るのでよく分かります。今、サンフランシスコではジャンルにとらわれない様々な音楽を聴くことができますが、音の強いロックをこのフェスでもあまり聴くことができませんでした。激しい日本の音楽が懐かしくなりますね。

VIPエリアが充実していたのはこのフェスでの一番のポイントかと思います。限られた狭い土地の日本でこのようなエリアを作ることは難しいかもしれませんが、若い年齢層以外のお客さんで見に行きたいと思っている人たちはこのようなエリアを待ち望んでいるかもしれません。音楽はとても楽しいものだということを、このような野外フェスを使って日本でも様々なジャンルの音楽を広めていけることが出来たら国境の壁なども乗り越えていけるのではないかと思います。

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