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疾風怒濤のAKIMBO初来日公演最速レポート!

2010.11.24

AKIMBO JAPAN TOUR 2010
2010年11月23日(火・祝)新大久保EARTHDOM
文&写真:石川 愛(web Rooftop)

AKIMBO_02.jpg普段、足しげくライブハウスに通っていらっしゃる諸兄姉に問いたい。
背中に大きく「HELL」や「KILL」といった、物騒なフレーズをプリント(刺繍?)したお客さんが、自分の目の前に立ちはだかる、という経験はおありだろうか。私は2回ほど、ある。その2回目が、今日だ。

AKIMBO+JAPAN+TOUR2010.jpg新大久保にある「EARTHDOM」は、祝日ということもあってか、早い時間から独特のざわつきを見せていた。
ドアを開ければそこには「絹を引き裂くような」「耳を劈く」そういう類いの音がひしめき合っているのだろう…そう考えるだけで、左の口角がニヤリと上がった。

まずはEARTHBLOWが登場。
土の上を這う大蛇のようなそのドラムとベースは、連なって、心拍に似て聴こえる。その上に重なってくるギターは、その大蛇が鎌首を擡げ、今にもこちらに襲いかかってくるような怖ささえ感じさせる。
お読みになって「なんかこう…言ってること大袈裟過ぎねぇ?」とお思いかもしれないが、確かに私はそう感じた。
この時点で既に、会場の空気がうねりだしていることにも、薄々気がついていた。

EARTHBLOW.jpgその緊張感を一気に解きほぐしたのが、他でもないメンバーだった。
「……ビールがないけど……誰か…くれませんか?」
お客さんの一人から「ぬるいけど!」と差し出されたそのビールは、きっと特別な味がするんだろう。いや、そんなことないか。ぬるいし。

AKBK.jpg次いでAKBK。
バッキバキしててとにかく速い。グラインドコア大好きッ子にはたまらない垂涎ライブを見せてくれるバンドがここにいるということを知って欲しい。
僭越ながら編集子、高速ドラム、刻むツイン・ギター、地の底を這うようなベース、キワッキワのデス声等々に目がなく、ビビりながらも若干前のめりになり、パキッと決まるブレイクの都度、鳥肌が立って「おおおおお!」と悶えていたのは言うに及ばない。
しかしその演奏とは裏腹に、ボーカルのMCは大変に愉快なものであった。
「最近、僕を見かけると遠くから『おーい! 無職ー!』と呼ぶヤツがいますが、僕の名前は無職ではありません」
パッと見は、社会性のある笑顔のステキな好青年であるので、なんとも言えない面白さが漂ってしまった。
でも曲が始まればやっぱりバキバキドドドド、「おおおおお!」。
ライブ後、フレンドリーなバンドだと判明。やはりあの緊張感はグラインドコア・バンドならでは。「痛い」とか「血が」とかそういうのはございませんでしたのであしからず。あと、メンバーが他にもいろいろバンドをやっているので、「もしや?」と思われた方はいろいろ調べてみると楽しいのでは。

BAREBONES.jpgAKBKのドキドキを維持しつつ始まったBAREBONES。
都内でも多くライブ活動している彼らが格好いいことなど周知の沙汰と言われるかもしれないが、格好いいを通り越して、ちょっと近寄りがたくなっているようにも感じられた。
3曲目が始まるあたりまでは写真など撮っていたが、オーディエンスの熱がどんどん上がっていくのを(肌で具体的に)感じ少し引きで見る。
目の前があっという間にモッシュピットに変わった。
(後でこっそり訊きにいったら、やっぱり3曲目でワーっとエナジー消費したらしい)
遠巻きに見ていてもそのパワーはハコの隅々まで届いていたようだ。

ELECTRIC EEL SHOCK。
前回、クリトリック・イールショックでも取り上げたが、彼らの轟音は凄まじいものがある。
しかもこの日は、対バンから察するに「俺らも負けてへんぞ!」という感も見受けられた。
まずはその動き。地獄のミサワの言葉を借りるならば、「ちょっと体重を預けるだけでグッとライバル感が出る」と言った瞬間あり。
奇跡的に写真におさめることができた。
これだ。
ELECTRIC+EEL+SHOCK.jpg途中英語のMCなど挟み、「結構俺らも海外でやってんねんぞアピール」。
謎のハイタッチも。
海外のバンド・サポートも多く務めてきた、彼らだから出来ることだと再認識させられた。
久しぶりに演奏する『ダイス de トライ!』のイントロで、最前付近のオーディエンスが一斉に飛ぶ瞬間は見物であった。

そして今回の大トリ、初来日のAKIMBOの登場である。

当たり前のことだが、彼らのライブを見ようと思ったら、アメリカ、シアトルまで行かなければ難しい。それを彼らのほうから出向いて、新大久保で見られるのだから願ったり叶ったりだ。
マイスペース視聴や公式サイトでの動画アップロードで簡単に音を聴けるようになった今でさえ、本物のライブを目の当たりにする機会に恵まれると、「得したな」と思わされる。
やはりライブは、体感だ。

AKIMBO.jpgドラムのNATが「すぅーっ」と息を吸って、ほんの少しの無音。
3人各々の音がガッキと絡み合い、塊と化し、更に会場全体の空気の重みを巻き込んで渦となり、私はその時確かな重力と音の圧力を感じた。
「メメタァ! って、こんな感じかな。カエルだったら潰れている」とさえ思った。
キック、アタック音、ベースのローが、背骨に、肋に、後ろ頭に刺さってくる。
AKIMBOの音が束になって、ズンズン来るのである。
空気圧を受けない隙間を探して客席後方へ下がるも、ゴリゴリのその音は、何百、何千に砕け、耳や脇の下、指と爪の間などから入り込んで、服と皮膚の間でザワザワ騒ぐ。慣れてくると、とてもとても気持ちいい。

思いの外サイケデリック且つラウドな曲もあり、目を瞑って聴き入る人多し。
どこまでもどこまでも、そのまま連れて行かれそうなスネアの連続音、腹の底からの叫びがなぜか耳に心地よく、私も目を瞑ってみた。
そっと目を開けてみたら、「HELL」や「KILL」の文字を背負っていたお客さんたちも、満面の笑顔であった。

「アリガト、Thank you!」は心に響く。
鳴り止まぬ拍手が、彼らの初来日ツアーの成功を物語っていた。

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