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INTERVIEW

トップインタビューイシグロキョウヘイ(監督)×佐藤大(脚本)- 「サイダーのように言葉が湧き上がる」音楽も記憶とリンクしている

「サイダーのように言葉が湧き上がる」音楽も記憶とリンクしている

2021.07.19

自己を確立していくということにカタルシスがある

──キャラクターはどのように作っていったのですか。

大:スマイルに関してはその時期にYOUTUBEをたくさん見ていたのが発想の切っ掛けになっています。観ていた中にキッズユーチューバーもいて、この子たちが思春期になったらこの動画どう思うのかなということを夢想したのが根底にあります。そこにドラマがありそうだなという話をイシグロさんにして、そこから三姉妹が出来てきました。二人が抜けていく中、真ん中のスマイルは今も発信したい子という設定です。

イシグロそこに子供の時はチャームポイントだった歯が気になって、思春期になるとヤダって隠したくなるというドラマを植え付けました。

大:以前から矯正機にコンプレックスを持ったキャラのストーリーはやってみたかったんです。ただ、アニメでは、上手く表現できないかなと思っていたので頭の中に納めていたんですけど、たまたまその話をしたら「それかわいく出来ますよ。」とイシグロさんから言われたんです。

イシグロ自分は描いたことないのでやりたいと思ったんです。スマイル本人は自分の歯のことが嫌だけど、描いている我々や観ている人からは絶対に可愛いと思ってもらえると思ったんです。実際にそれは出来たと思っています。

──実際にスマイルも可愛かったです。スマイルもチェリーもお互いにコンプレックスに感じているところを可愛いと思っているんですよね。

イシグロそこはこだわりがある部分です。僕は自己を確立していくということにカタルシスがあると考えているんです。だからこそ、コンプレックスをお互いに認め合って、最終的にそこを好きになる・勇気をもらう・自信をもらうということに帰結する。自分のコンプレックスだって人から見れば良いと思ってもらえる、観ている人にも自分のコンプレックスが実は素敵なものなんだと思ってもらえる物語になると思ったんです。そこはシナリオをもそうですけど、絵コンテ・作画を演出していく中で、注意を払いつつこだわって描きました。

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──だんだんと自身のコンプレックスが魅力なんだと気づいていく姿は、観ていて気持ちが良かったです。

イシグロそこは僕が高校生の時に思っていた悶々とした部分をかなり反映しています。コンプレックスをどう解消していくか、僕は創作でしか満たされなかったことで。チェリーで言えばそれは句を詠むこと、声には出せないけど句に詠みたくてしょうがない、文字やネット越しだとちゃんと伝わらないかもしれない、なら声に出すしかない、この自己確立するという物語の段階は僕の青春をかなり織り込んでいます。この作品で僕はかなりさらけ出しまた。

大:そこは凄く感じました。

イシグロだからこそ青春映画と言っていいんだろうなと思います。最初に大さんに書いてもらったストーリーラインでは笑わない女の子を笑わせるという物語だったんです。そこの印象が強かったので、最後はあの形にしました。

大:そこは群像劇の段階から変わっていないですね。

──デザインの面ではチェリーはヘッドホンをして話しかけられないように、スマイルは口元を隠すためにマスクをしていて、絵としても二人のコンプレックスを表現していて流石だなと思いました。

大:いまとなっては、そんなに違和感がなくなってしまいましたが(笑)、当時はヒロインがマスクをしているのはデザインとしていいのかという話はスタッフからも出ていました。でも、イシグロさんから「可愛く描けるので大丈夫です。」と言っていただけたので二人のデザインが決まりました。

イシグロそこは自信がありました。作品の中で彼らがマスクをどう捉えているかの方が重要だと思ったんです。この映画単体で観るとスマイルのマスクの意味はズレないなと思っているし、そこまで心配はしてないですね。

──マスクを着けていることの意味を出すために季節を夏にしたのでしょうか。

イシグロ爽やかにしたくて季節を夏にしました。とにかくハッピーエンドにしたかったんです。確かに当時だと夏にマスクするのはおかしいから「何でマスクをしているんだろう。」という疑問の意味も使えましたね。言われて気付きました。

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「サイダーのように言葉が湧き上がる」
著者:おおのいも  
原作:フライングドッグ  

協力:スタジオ心
発行:KADOKAWA
第1巻 価格:600円+税
第2巻・第3巻 価格:610円+税

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THEME SONG主題歌
「サイダーのように言葉が湧き上がる」
never young beach

ビクターエンタテインメント

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【収録内容】
1. サイダーのように言葉が湧き上がる
2. シティサイド・ラプソディ
3. サイダーのように言葉が湧き上がる (Instrumental)
4. シティサイド・ラプソディ (Instrumental)

LIVE INFOライブ情報

フライングドッグ10周年記念作品「サイダーのように言葉が湧き上がる」
 
7月22日(木・祝)より全国劇場にて公開!
 
-Cast-
チェリー:市川染五郎
スマイル:杉咲 花
 
ビーバー:潘めぐみ
ジャパン:花江夏樹
タフボーイ:梅原裕一
ジュリ:中島 愛
マリ:諸星すみれ
紘一:神谷浩史
まりあ:坂本真綾
フジヤマ:山寺宏一
つばき:井上喜久子 ほか
 
-staff-
原作:フライングドッグ
監督・脚本・演出:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン・総作画監督:愛敬由紀子
音楽:牛尾憲輔
主題歌:never young beach『サイダーのように言葉が湧き上がる』
劇中歌:大貫妙子『YAMAZAKURA』
演出:山城智恵
作画監督:金田尚美、エロール・セドリック、西村郁、渡部由紀子、辻智子、洪熙昌、小磯由佳、吉田南
原画:森川聡子
プロップデザイン:小磯由佳、愛敬由紀子
色彩設計:大塚眞純
美術設定・レイアウト監修:木村雅広
美術監督:中村千恵子
3DCG監督:塚本倫基
撮影監督:棚田耕平、関谷能弘
音響監督:明田川仁
アニメーションプロデューサー:小川拓也
配給:松竹
アニメーション制作:シグナル・エムディ、サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
 
“言の葉が 弾け飛ぶ夏 強炭酸”『サイダーめく団地団 夜』
 
脚本を担当された佐藤大さん登壇のイベント開催
7/22公開『サイダーのように言葉が湧き上がる』についてもトーク予定!!
 
7/27 START 19:00
視聴チケット 2,000円
 
【今回の登壇予定メンバー】
団地団 are
佐藤大(脚本家)/大山顕(写真家)/速水健朗(ライター)
山内マリコ(作家)/稲田豊史(編集・ライター)/うめ・妹尾朝子(漫画家) ほか
※出演者の諸事情により、やむをえずリモート参加、遅刻、欠席になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
 
 
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