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INTERVIEW

トップインタビュー石井麻木 - そのときどきでその人の心が写る「写心」であってほしい

そのときどきでその人の心が写る「写心」であってほしい

2021.03.19

 2011年の東日本大震災から10年。石井麻木さんの写真展【3.11からの手紙/音の声】は2012年にスタート。月命日には福島へ向かうがその日だけではなく、東北への想い、東北へ行くことは麻木さんの生活の中に常にあるのだろう。写真展は1年ごとに写真が増え、そこには生活がある、笑顔がある。日々の生活がどんなに大切なものか、10年間の写真を見ていくと、もう本当に、本当に伝わってくる。麻木さんの写真が伝えてくれる。私たちと東北をつなげてくれる。
 昨年はコロナウイルス感染拡大予防のため写真展の中止を決め、その間、【SAVE THE LIVEHOUSE】を立ち上げ、グッズを作り、販売し、購入者にメッセージを書き、郵送し、また【スライド写真展ライブハウスツアー2020】で各地を廻り、すべての売り上げをライブハウスへ渡した。麻木さんに支援という意識はない。支援ではなく、これまで大切なものをもらってきたライブハウスへの恩返し。そして同じようにライブハウスを大切に思う多くの人たちとの懸け橋。
 2年振りとなる今回の【3.11からの手紙/音の声】は、東京、福島、福岡で開催。東京の会場は旧杉並区立杉並第四小学校と恵比寿LIQUIDROOM KATA。小学校とライブハウスという当たり前のはずの場所がどんなに大切か、日々の生活がどんなに大切か。きっとそれが麻木さんのメッセージだ。(取材・文:遠藤妙子/写真:石井麻木)

写真展の場所が一つのメッセージになっている

──今回の【3.11からの手紙/音の声】は東京と福島と福岡で開催されます。東京の会場は旧杉並区立杉並第四小学校と恵比寿LIQUIDROOM KATA。小学校とライブハウスという場所がすごくいいなと。とても意味がある場所ですよね。

石井:はい。それだけで一つのメッセージになっているんです。

──震災、そしてコロナで「場所」の大切さを多くの人が実感していると思うし。

石井:そうだと思います。今回、会場はすごく考えました。小学校を会場にしたのは、今回の展示でも見てもらえますが、石巻の大川小学校と福島の双葉町の小学校の写真があって。双葉町は帰還困難区域で人がいないんです。小学校の教室の黒板に子どもたちが書いた文字、ランドセルが10年経った今もそのままなんです。今このときもランドセルが散らばったままっていう現実がある。線量が高いから外へ持ち出すこともできない。子どもたちの手に戻ることはない……。そういう小学校の写真を、小学校で見てもらいたかった。それが一つのメッセージになっています。

──ですよね。双葉町の小学校の写真を見たらハッとします。ライブハウスでの展示もやはりコロナでライブが制限されている今だからこそっていう気持ちがありますよね?

石井:あります。今、なかなか音を鳴らせないライブハウスで、「音の声」を一緒に見ていただきたくて。

──やっぱり麻木さんの根本にあるのは現場主義ってことなんでしょうね。

石井:現場主義です、完全にそうです。

東北035.jpg東北034.jpg

──会場に小学校とライブハウスを選んだのも、現場を知ってるからこそだと思うし。

石井:確かにそうですね。今気づきました(笑)。それぞれに合う場所って絶対にあるんですよね。写真や伝えたいものが、そのときの状況によって一番生きる場所がある。

──今回の写真展は、まず場所の大切さを強く感じました。

石井:意味を持って、メッセージを持って、会場を考えて決めたので、そう思っていただけてすごく嬉しいです。

──あと小学校なら子ども、ライブハウスならバンドマンや音楽ファンが来やすいっていう。

石井:そう! そうなんです。今回の展示は今までと違って、東京新聞さんと福島民報社さんとの共催なんです。1年前にお話をいただいてから何度も何度も打ち合わせを重ねて。杉並第四小学校は1年前に廃校になって来年取り壊されてしまうらしいのですが、その間なら使えると。あと杉並区と南相馬市が交流自治体で、それもあって開催させていただけることになって。東京の会場はもともとは某大きな駅と小学校の予定だったんですけど、ライブハウスでもやりたいってお願いして。ライブハウスの支援になる場所でも開催したかったんです。

──杉並区と南相馬市が交流自治体で、写真展の共催が東京新聞と福島民報社っていうのもいいですね。地域のつながりは大事だと思うし、あとカルチャーってその土地と共にあるべきだと思うし。

石井:そう思います。土地土地の地元力というか。今回もそういう地元力がしっかりしているところの人たちが動いてくださっています。

──福島の展示会場はどういう?

石井:道の駅猪苗代と双葉町産業交流センターというところです。双葉町は、まだほんの一部しか入れるところがないんです、帰還困難区域なので。駅前と産業交流センター周辺だけは入れるようになりました。双葉駅の周りがオリンピックの聖火リレーの初日のコースなので、駅前はキレイになっているんです。でも10メートル離れたところは崩れた家々が残っている。全町民さんはいまだに避難を続けられていて、まだ誰も帰れていない町。でもあの日までは多くの人が暮らしていた町。それもあまり知られていない。そういう場所で開催させていただけて、とても意味があると思っていて。

──会場も合わせてメッセージがある写真展。すごくいいです!

石井:ありがとうございます! 場所の大事さをすごく思いました。今回は特に。

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LIVE INFOライブ情報

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東日本大震災10年特別企画
石井麻木写真展「3.11からの手紙/音の声」
 
これまでおこなってきた写真展から厳選した写真たちと共に、アーティストのみなさまより新たにメッセージをいただき、伝えたいものがさらに膨らみました。
企画してくださった新聞社さん達に感謝いたします。
東北の10年間、そしてこれからの想い、どうか届きますように。
 
【東京会場】
◉恵比寿・LIQUIDROOM 2F「KATA」
2021年3月1日(月)~3月14日(日)13:00〜20:00 ※終了しました
◉高円寺・旧杉並区立杉並第四小学校(〒166-0002 東京都杉並区高円寺北2丁目14-13)
2021年3月6日(土)~3月28日(日)11:00〜20:00 ※3月21日(日)は電気設備点検のため18時まで
<3月20日(土)スペシャルイベント 15時開場 ※要予約>
トークセッション:MOBSTYLES 田原104洋×石井麻木/弾き語りLIVE:ホリエアツシ(ストレイテナー)
 ※写真展グッズ販売は土日のみおこないます
 ※復興支援ブースを3月6日、7日、13日、14日、20日、21日、27日、28日の土日に展開します
 ※ライブハウス緊急支援 SAVE THE LIVEHOUSE 募金箱、サポウィズ募金箱、設置します
 
【福島会場】
◉双葉町産業交流センター(〒979-1401 福島県双葉郡双葉町中野高田1番地1)
2021年3月6日(土)~3月28日(日)9:00〜18:00
 ※写真展グッズ販売、募金箱の設置はありません
◉道の駅猪苗代(〒969-3132 福島県耶麻郡猪苗代町堅田五百苅1)
2021年3月6日(土)~3月31日(水)10:00〜16:00
 ※写真展グッズ販売、募金箱の設置はありません
 
【福岡会場】
◉博多阪急 5F(〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1)
2021年3月31日(水)~4月13日(火)10:00〜20:00
 ※写真展グッズ販売は調整中です
 
※4月以降も、状況次第ですが2022年3月まで1年かけてほかの地やライブハウス等でも継続開催を予定しています
 
【展示アーティスト】
それぞれの写真に展示アーティストのみなさまからのメッセージが入っています ※写真のみのアーティスト1組あり
ACIDMAN/BiSH/BRAHMAN/Caravan/Dragon Ash/ELLEGARDEN/G-FREAK FACTORY/MONGOL800/MONOEYES/MAN WITH A MISSION/NAMBA69/ORANGE RANGE/ROTTENGRAFFTY/SLANG/THE BACK HORN/The Birthday/the LOW-ATUS/猪苗代湖ズ/片平里菜/亀田誠治/後藤正文/サンボマスター/ストレイテナー/四星球/高橋まこと/高橋優/東京スカパラダイスオーケストラ/東北ライブハウス大作戦バンド/怒髪天/長澤まさみ/細美武士/ホリエアツシ/箭内道彦/渡辺俊美 (五十音順・敬称略)
 
【復興支援ブース】
※旧杉並区立杉並第四小学校のみで 3月6日、7日、13日、14日、20日、21日、27日、28日の土日にブース展開
東北ライブハウス大作戦/幡ヶ谷再生大学/石巻へい輪プロジェクト/#サポウィズ(募金箱)/ライブハウス緊急支援 SAVE THE LIVEHOUSE(募金箱)
 
入場無料(全会場)
会期中無休(全会場)
※会期中、展示写真、会場内の撮影はご遠慮いただきますようお願いいたします
※各会場の在廊日などはこちらをご覧ください
※特設サイトはこちら
 
【主催】福島民報社、東京新聞
【共催】JT、杉並区、SECOM、森永製菓
【協力】風とロック、福島交通、道の駅猪苗代、LIQUIDROOM、博多阪急
 
【新型コロナウイルス感染症対策について】
ご来場の際は、下記のご協力をお願いいたします。
◉発熱や風邪の症状がある方、体調に不安がある方、気分が優れない方は無理をせず、来場をお控えください。
◉ご来場の際は必ずマスクをご着用ください。
◉入り口にて検温のご協力をお願いいたします。37.5℃以上の発熱が確認された方は、申し訳ございませんが、入場をお断りさせていただきます。
◉入り口の消毒液にて手指消毒をお願いいたします。
◉会場内が混雑した場合は、入場制限をさせていただく場合があります。ゆっくりとご覧いただくためにも、お時間に余裕を持ってお越しください。
 
【運営の取り組みについて】
◉会場スタッフは出勤時に検温等の体調チェック、こまめな手洗いや手指消毒を実施いたします。
◉会場内を適宜換気いたします。
◉お客様が頻繁に手を触れる部分を適宜アルコール消毒液にて拭き取りいたします。
 
※状況によっては会期の短縮や時間の変更等させていただく場合もございます。ご来場の際は最新のお知らせをご確認くださいますようお願いいたします。
 
【問い合わせ先】info@311tegami.com
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