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INTERVIEW

トップインタビュー伊藤沙莉(女優)『小さなバイキング ビッケ』一からという始めるということが楽しい!

一からという始めるということが楽しい!

2020.09.28

答えが出来上がっている所が難しくて

――男の子役が来たことに関してはどうでしたか。

伊藤:ずっと男の子の役がやってみたかったんです。

――そうだったんですね。

伊藤:舞台だとあり得るかもしれないですが実写作品で私が男性を演じられることはないので、あったとしても心が男性という役になるでしょうから。今回は男の子、しかも年齢も違う役が来たのは凄く嬉しかったです。最後はアクションシーンもあって、やりたかった役がドンピシャで本当に嬉しかったです。

――ビッケは以前に演じられた『映像研には手を出すな!』の浅草みどりとはまた違うなと感じました。やはり声の出し方は意識して変えられたのでしょうか。

伊藤:私はプロの方と違って出せる声も限られていますし、本当にちょっとしたアプローチの違いでしかないんです。キャラクターとしては10歳の男の子と女子高生というのが違いますよね。ただ、浅草はキャピキャピした女子高生とは違いますよね、オタク寄りの早口でしゃべる感じのキャラなので。

――確かに。

伊藤:二人ともワクワクして好きなことに猪突猛進といった感じは似つつも、ビッケはどちらかというと夢を追いかける感じで、浅草は知識があるけど周りが見えなくなるというか本気のオタクだと思うんです。その、ウブな感じともう仕事モードになっている人という熱の表現の仕方は若干違うのかなと思います。あと、10歳の男の子ならではのパーンとした声になるように意識してやりました。

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――役作りでいうとアニメと実写作品で違うところがあると思いますが、今回のビッケに関してはどういったところを意識されましたのかをより詳しく伺えますか。普段のドラマや映画と役作りの違いがあればお聞かせください。

伊藤:最初のリハーサルで声を出した時に「今の声はちょっと年齢が高く聞こえる。少年を表現してほしいんだけど今あなたがやっているのは青年だから、そこを意識して張りのある声にしていただけると嬉しいです」と演出していただきました。なので声により張りがでるようにアフレコ中は、基本的には目線を上にしてやっていました。私は明るい声を出すとき、出ない音域の声を出すときは上を向いていると出やすいので、そういうのは若干意識しました。あと、アニメーションはこういう表情をしているから絶対的にこういう話し方になるよねとか、そういう答えがあります。そこは実写のお芝居と比べたら、一からこういう感じかなとフワッとした感じで現場に行くことがない気がします。ただ答えが出ている分、そこに寄せるのが難しかったりします。

――0(ゼロ)から作るのと元があるのではアプローチ方法も違ってきますよね。

伊藤:実写のお芝居はどちらかというといらない物を排除する意識でやらせていただいているんです。「こういう動きは必要ない」とか「無駄に動かない」とか、私はそんなつもりはないのですが無意識に変な顔をしている時があるらしくて、そういうところは実写では気を付けています。アニメは声だけのぶん大げさに表現したりするのが正解なこともあって、その代わりどんな顔をしていてもばれないので、こういう顔したらこういう声が出せるとか、いろんなアプローチができるので縛られているようで自由かなと思います。

――演じるにあたって、モデルにされた方・キャラクターはいましたか。

伊藤:そこは実写作品との一番の違いかもしれないです。実写をやるときは、「あの時に会った受付の人がこの役っぽいな」とか、その人のモノマネをやったりすることもあります。だけど、アニメに関しては本当に目の前で動いているアニメーションの男の子がこうしているからこうするみたいな、あんまり違うキャラクターが入ることがなかったですね。いま聞かれて、気付きました。

――確かにモデルは目の前に居ますね。

伊藤:そうですね。自分で形を作らなくてもすでに動き回っていますし、吹き替えだとオリジナルの方の演技もありますから。

――ああ、確かに。

伊藤:むしろ、そこから自分ならではだったらどうすればいいだろう、どうしたらみんなが求めているもの、それ以上のものになるだろうというアプローチの方が大きいかもしれないですね。

――それは吹き替え作品ならではの考え方ですね。凄い新鮮です。吹き替え作品は『ペット2』でも経験されたと思うんですけど、吹き替えならではの難しさはありましたか。

伊藤:あります。すでに答えが出来上がっている作品が難しくて、ビッケだとオリジナルは本当に実際に男の子が声をやっているのでどんな風に演じても男の子として成立するんです。私がそれをそのまま真似してしまうと大人の声になってしまうので、そこは意識した方がいいんだろうなと思いました。あと外国の方特有の「uh-huh」みたいな相槌の感じが日本だとどう表現するんだろうというのが難しかったです。日本人の若者言葉で少し前に「あーね」とかありましが、それをビッケが言うとビックリしちゃうので、そういうところでどういう声を出そうかなというのはちょっと悩みました。

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――そういったアプローチ・ニュアンスの部分はどうやって解決されたのですか。

伊藤:やってみて、繰り返し微調整をして作っていきました。

――本当にビッケのイメージそのままで素晴らしくて、作中の掛け合いも観ていて凄く楽しかったです。今作では役者巧者なみなさんが集まられている中で演じられていましたがアフレコ現場の雰囲気や思い出などあれば伺えますか。

伊藤:こういうご時世なので全員揃うというのはかなわなかったのですが、ちょっと甘えさせていただいて、絡みの多いハルバル役の三宅(健太)さんとイルビ役の和多田(美咲)さんとは合同で録らせていただきました。本当に端・真ん中・端と距離をとってビニールに囲まれて、ソーシャルディスタンスのなかで録りました。それでも居てくださるのと一人なのとは全然違いました。プロの方とご一緒させていただくとテンションごと引っ張ってくださるので、自分ひとりじゃいけなかったところまで確実に導いてくださるんです。三宅さんと和多田さんが発する声の感じや表現の仕方で、作品の雰囲気をガッツリ作ってくださるので、本当にお二人がいてくださったからこそのビッケになったと思います。

――現場に作品の空気感があるのとないのとでは全然変わってきますよね。伊藤さんは声優のお仕事してみたいという気持ちは以前からお持ちだったのですか。

伊藤:声だけで表現するということには凄く興味があったので、ずっとやってみたかったジャンルのお仕事でした。

――最初に声だけのお仕事に挑戦されたときは如何でしたか。

伊藤:初めては小学生の時にやった実写映画『イヌゴエ 幸せの肉球』でのパグの声で、実写の犬がしゃべるという作品でその役が楽しかったんです。私は知らないこと、経験がないことをやるというのが本当に大好きな好奇心で生きてきたタイプなので、今も一から始めるということが楽しいです。なので、声のお仕事はワクワクして臨んでいます。

――新しいことに挑戦することを楽しむ気持ちは凄く素敵だと思います。今回のビッケもお父さんの船に乗り込んで初めて冒険に繰り出す物語ですけど、伊藤さんが今後また新しいジャンルや世界に挑戦してみたいなとかこういうことをやってみたいなと狙っていることありますか。

伊藤:なんだろう。挑戦するということでいうと即興コントのお仕事をやったのが楽しかったです。

――凄い、常に挑戦されているんですね。踏み出すことは大事です。

伊藤:その気持ちは本当に大事だなと思っています。コントに参加させていただいたのも凄いありがたかったです。お芝居とは違うジャンルで言うと今は音声コンテンツでラジオをやらせていただいています。こうやっておしゃべりすることは好きなので、この好きなおしゃべりが何か形になったら面白いなと思っています。私はしゃべりすぎてしまうのでそこは、まだ手が出せないジャンルなのですが、おしゃべりして成り立つ何かがあったらいいなと思っています。

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LIVE INFOライブ情報

映画『小さなバイキング ビッケ』

「小さなバイキング ビッケ」ポスター.jpg
 
10月2日(金)全国ロードショー!
 
-staff-
監督:エリック・カズ「Vic the Viking」(TVシリーズ)
アニメーター:ティモ・ベルク「SING/シング」「ペット」「怪盗グルーのミニオン大脱走」
配給:イオンエンターテイメント、AMGエンタテインメント
 
-Cast-
ビッケ:伊藤沙莉
ハルバル:三宅健太
レイフ:前野智昭
イルビ:和多田美咲
スベン:田坂浩樹
ウローブ:前田雄
ファクセ:鷲見昂大
ゴルム:白井悠介
ウルメ:神尾晋一郎
スノーレ:長瀬ユウ
チューレ:坂田将吾
イルバ:矢尾幸子
ソー:野津山幸宏 ほか
 
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