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INTERVIEW

トップインタビュー杉本恭一 - ソロキャリアを凝縮した初のライブ・アルバムをバンド名義で発表

ソロキャリアを凝縮した初のライブ・アルバムをバンド名義で発表

2020.04.06

 杉本恭一がソロキャリア始動から25年目にあたる今年、初のライブ・アルバム『PEACE 〜Tail Peace Tour 2019〜』をリリースする。それも杉本恭一&three days agoというバンド名義だ。奥村大(gt)、有江嘉典(ba)、中畑大樹(ds)という杉本が全幅の信頼を寄せる巧者揃いの卓越したプレイに支えられ、ソロの集大成と言うべき代表曲の数々を惜しげもなく披露する本作は、彼の最新形ライブを堪能できると共にベスト・アルバム的趣きもある逸品。また、実に振り幅が大きいソングライティングの多彩さと表情豊かなボーカリストの技量という杉本の特性を改めて浮き彫りにする一作でもある。さらにトッド・ラングレンのカバーを含む弾き語りのボーナストラックを収録したことで杉本の動と静の対照的な魅力が集約され、入門編としても最適。ソロと言えど常にバンドこそが原点にして最新。そんな生粋のバンドマンである杉本の面目躍如たる実況録音盤、全人類必聴だ。(interview:椎名宗之)

鉄壁のサポート・バンドが“three days ago”

──意外にもライブ・アルバムのリリースは初なんですね。

杉本:ソロではね。レピッシュでは1枚だけ出したけど(1992年発表の『FOUR DAYS in CLUB CITTA' LA-PPISCH SUMMER LIVE '91〜』)。

──現状のライブに手応えを感じているからこそ音源を残しておきたかったと?

杉本:それもあるし、何年も前から何かベスト的なアイテムを出そうかとマネージャーと話していて。そのいい着地点がライブ・アルバムをバンドで録る、今のバンドの音を残すということだった。

──そのバンドも、“three days ago”という名前が正式に付くことになって。

杉本:メンバーからはずっと前から「バンド名があったほうが嬉しい」と言われてたんだよね。でも俺が考えると間違いなくふざけた名前になるから(笑)、みんなが付けたのでいいよと言ってた。これまでずっと名なしのままずるずる来てたんだけど、ライブ・アルバムを出すのを機に付けることにして。それで付いたのが“three days ago”“3日前(笑)。

──誰の命名だったんですか。

杉本:有江くんかな。3人でだいぶ長くミーティングしてたね、ツアー中の大阪の打ち上げで。「たまにキーボードを入れるようなライブの時は“four days ago”にすればいいですから」と聞いて、なるほどと思って(笑)。

──考えてみればanalersは恭一さんのソロ・ライブをやるために結成されたし、数年前までは杉本恭一&The Dominatorsとしてライブをやっていたし、ソロ名義でありながらも最終的にはバンド形態になるのが恭一さんらしいですよね。

杉本:サポートしてもらってるのは確かなんだけど、それよりもグッとバンドに近い関係性でやってきたし、これからもそうだろうしね。ただこれで俺の名前がはずれて“three days ago”単体になると、彼らに重荷をかけてしまいそうで。メンバーにはもっと気楽な感じで楽しんでもらいたいので、杉本恭一&three days agoがちょうどいい。ちなみに言うと、Dominatorsはもともと有江くんと矢野(一成)くんがサポートをやる時のリズムユニットでね。最初はややこしくて、杉本恭一&The Dominators with 宮崎洋一というあまりに長いバンド名だったので、洋一もDominatorsにしてくれないか? と頼んだ(笑)。

──1年の締め括りのツアーである『Tail Peace Tour』ですが、このタイトルになって昨年末で11年目、その前から数えると156年も続いているそうですね。

杉本:うん。あるとき年末にワンマンをやることになって、それをツアーにしたのがきっかけだったのかな。“Tail Peace”という造語のタイトルはギターの弦を止めるパーツの“Tailpiece”からヒントを得て、“Piece”“Peace”に変えてね。1年の“Tail”しっぽである年末のツアーを平和に締め括ろうと。

──『Tail Peace Tour 2019』は恭一さんもブログでしきりに「ヨカライブ、ヨカツアー」と書かれていたので、かなりの手応えがあったのではないかと思いますが。

杉本:会場によってお客さんが入る所と入らない所があるものだけど、お客さんの少ない所でもお客さんのエネルギーが凄かった。集客が少ないとそれなりのライブになるのはこれまで体験してきたけど、埋まっていようがいまいがお客さんに楽しんでもらってるのを実感したし、こっちとのエネルギーのやり取りが凄いことになってたね。

 

過去9作のリード曲を全部やってみた

──表参道GROUNDでのツアー・ファイナルを拝見して、何よりバンドが楽しそうにプレイしているのが印象的だったんです。恭一さんと有江さんの軽妙なMCのやり取りも微笑ましくて(笑)。

杉本:まぁ、彼はいろいろと頼りになる男なので(笑)。有江くんとの付き合いはもう156年になるのかな。レピッシュがちゃんと活動していた時期と変わらなくなってきたね。彼とはソロのほとんどの曲を一緒に作ってきたし、ソロのライブもずっと一緒だったし、俺のやりたいことをすぐに理解してくれるので非常に心強い。Dominatorsの時は一番年下だったけど、今のバンドになって彼に間に入ってもらう役割は凄く大きいね。有江くんのベースがあるおかげで俺も自由に弾いたり唄ったりできるし、彼に引っ張られて全体のリズムが良くなるし。

──中畑さんのパワフルでリズム感が安定したドラムも相まって、最強のリズム・セクションですよね。

杉本:大樹は最初からいいドラマーだと思ってたけど、いろんなバンドで叩いているからなのか、伸び代が凄かった。リズムの正確さもどんどん精度を増してきたしね。それはレコーディングで彼の波形を見てるからよくわかる(笑)。こっちの感情とのキャッチボールができるドラマーと言うか、こっちの気持ちが上がった時にそれに応えるようなプレイをしてくれるし、そのプレイにこっちがケツを叩かれるようなことがよくある。

──以前は矢野さんの存在が恭一さんにとってとても大きかったと思うのですが、中畑さんはその後任として負けじ劣らずのプレイと存在感を発揮していますね。

杉本:ソロのスタートは俺と矢野くん、有江くんの3人だったし、矢野くんが脱けるのは凄く大きなことだったけど、有江くんとも話して「大樹しかいないな」ということになってね。声をかけたら二つ返事で引き受けてくれることになって、その話を井の頭線の下北沢駅で聞いて大喜びした記憶がある(笑)。

──それが2013年のことで、奥村さんが加入したのは2015年でしたね。

杉本:大とは現ちゃん(上田現)からの流れで出会ったけど(註:奥村は上田現のバンド“ELE”のメンバーだった)、wash?の奥村大だけしか知らなかったら、彼の持つセンスの広さに気づかなかったかもしれない。俺は現ちゃんのバンドとwash?の両方の魅力を感じていて、彼も俺と同じくかなり荒いタイプのギタリストだから(笑)、バランスがちょうどいいと思ってね。今はとにかく、大が入ってからのこの4人は最強だと思ってる。

──年末の表参道GROUNDではダブル・アンコールを含めて全部で25曲ものレパートリーを披露していましたが、ダレることなく一気に駆け抜けてあっという間に終わった感覚だったんです。それも今のバンドのなせるわざじゃないかと思って。

杉本:俺はツアー・メニューとか、この場面ではこういう曲を聴かせたい、ここはこんな世界にしたいとか、わりと細かいところまでカッチリと組み立てるタイプなんだけど、3人はその理解力が凄いからね。間も含めた演出面に凄く理解があるし、それがダレずに飽きることなくライブを見せられる要因なのかなと。

──当日のセットリストはソロの集大成的な趣きもあって、これまで発表してきた9枚の作品から満遍なく選曲されていましたね。

杉本:レコーディングするのを前提としたメニューでどんなセットリストにしようか考えて、各アルバムのリード曲、ミュージックビデオになった曲は全部やろうと。随分とやってない曲も多かったんだけど、その曲がなぜリード曲にまでなったのかを確認してみよう、って言うか。それにライブでレギュラー的にやってる曲を加えて、あとはどういう曲で補うか、って感じだった。『Tail Peace Tour』でいつもやってる現ちゃんの曲だったり、analersの曲だったり。最初は全部でどのくらいやるか悩んだけどね。123曲くらいのコンパクトなほうがいいのか、20曲以上のたっぷり入ったのがいいのか。両方アイディアはあったけど、結果的にたっぷりのほうを選んだ。

 

お客さんにとって一番新鮮なセットリストを

──そのライブから精選された17曲がアルバムに収録されていますが、結果的に『ピクチャーミュージック』の収録曲だけ残りませんでしたね。

杉本:そうなんだよ。本当は「MaMa」を入れたかったんだけど、出来がイマイチでね。一度しかチャンスがないから。他のライブで録ったテイクを入れるんだったら「MaMa」を入れたと思うんだけどね。

──アルバムを通して聴くと、恭一さんの生み出す楽曲が実に多彩なのを改めて感じます。

杉本:確かにね。それはレピッシュ時代から言われてることだけど、俺の中では一本の線でつながってるし、いろんな音楽性を見せたい感じでもないんだよ。ただソロなので、自分の本質的な部分は出てるのかもしれない。

──「Marking Point」や「電撃」、「RED MONKEY」や「天国ロックショー」といった序盤と終盤のソリッドでタイトなロックンロールを基軸として、「Composition」のように叙情的で美しい旋律の曲もあれば、「ピーナッツ」のように往年の昭和歌謡を彷彿とさせる曲もあるし、とにかく楽曲の振り幅が凄まじいですね。一人ミクスチャーと言うか、ソングライターとして引き出しの多さを感じずにはいられません。

杉本:「ピーナッツ」はどのライブ・メニューに入れても100%浮く(笑)。アコギの弾き語りでやっても必ず浮くから。それでなかなかメニューに入らないんだけど、今回は久々にやってみようと思って。逆に浮く面白さを楽しもうと。まさかライブ・アルバムに「ピーナッツ」が入るとは自分でも思わなかった(笑)。

──ライブをただ記録するというよりも、これもまた一つの作品として成立させるために楽曲やMCをカットしたり、「ピース」と「moon」のように曲順を一部入れ替えたりするわけですよね。

杉本:うん。そこだけひっくりかえてる。

──現さんの曲やanalersの曲を入れる発想はなかったんですか。

杉本:それは『Tail Peace Tour』における一つの演出で、アルバムに入れる考えは端からなかった。ただ「レインマンのお話」も「GARLIC MAN」も出来は良かったんだけどね。何枚もライブ・アルバムを出してるなら入れても良かったかもしれないけど、ベスト的な意味合いもあるライブ・アルバムならどうしても外れてしまう。今回は全体的にライブの出来が良かったから何を外すかが大変で、ソロじゃない曲をまず外すしかなかった。

──2017年の『Tail Peace Tour』ではレピッシュの「Blackbird」が披露されたことがありましたが、今回、レピッシュの曲はありませんでしたね。

杉本:Blackbird」は『Electric Graffiti』でカバーしてるからね。バンドでレピッシュの曲をやるのは基本的にないかな。もちろんゼロではないけれど。弾き語りでは全然やってるけどね。特に意識して線引きしてるわけじゃないし、セットリストに入れたほうが面白いと思えば入れるだろうし。

──セットリストはいつもプレイリストにして確認しているんですか。

杉本:もちろん。今はiTunesでラクにできるから。それを聴いてテンポ感も確認しなくちゃいけないし。ブロックごとのコーナーで他の候補曲があったりして、どれを削るか、どれが一番お客さんにとって新鮮か、みたいなことを吟味する。『Tail Peace Tour』のセットリストは、その年にどんな曲をやったのかを全部調べた上で考えるからね。全部のライブを観に来てくれた人も新鮮に聴けるセットリストにしたいから。

──徹底したこだわりですね。弾き語りの『アコギな夜』とバンド・スタイルの『Tail Peace Tour』では多少セットリストが被っても問題ないような気もしますが。

杉本:『アコギな夜』と『Tail Peace Tour』は全く別の発想なんだよ。アコギでしかやれない曲もあるし、アコギではできない曲もバンドにはいっぱいあるし、そこを行ったり来たりする曲もあるけどね。

 

独自の日本語訳詞で唄うトッド・ラングレンのカバー

──本作にはボーナストラックとして弾き語りの「ピース」も収録されているので、バンド・スタイルの「ピース」と聴き比べられる面白さがありますね。入門者には『アコギな夜』と『Tail Peace Tour』の違いもわかるでしょうし。

杉本:そうだね。「ピース」という曲もあるし、『Tail Peace Tour』の“Peace”でもあるし、それをアルバム・タイトルにしたいと思って。トッドの曲以外にボーナストラックとして何を入れて終わらせようかと考えて、アルバム・タイトルにしたくらいだから「ピース」がいいかなと。バンド・バージョンと弾き語りバージョンの2曲が入ってるのも違いが出ていいなと思ってね。

──もう一つのボーナストラックであるトッド・ラングレンの「I Saw the Light」がまた秀逸なカバーで。レピッシュの『KARAKURI HOUSE』をトッドがプロデュースしてからずっと交流は続いているんですか。

杉本:うん。節目節目でライブに呼んでくれたり、3年から5年に一度は会い続けてるかな。去年、『アコギな夜』でトッドのカバーを唄おうと思ったのは、トッドの来日公演が5月にあってね。『KARAKURI HOUSE』の時に通訳をしてくれたジョンって男が忙しくてトッドのライブに行けないということで、「恭一、お前からトッドに連絡してくれよ」と言われて。それでトッドに英語でメールしてライブを観に行ったんだけど、そのライブが素晴らしくてね。70を越えてこの歌唱力は凄いと思ったし、また珍しいことにヒット・パレードみたいなライブでね。それがあまりに良かったので、『アコギな夜』でトッドの曲を唄ってみたくて。日本人が一番知ってるトッドの曲ということで「I Saw the Light」を選んだ。

──原曲をそのままカバーするのではなく、恭一さんの解釈による訳詞で唄うのがまたいいんですよね。「大人みたいにつまらなくなりたくないと言ってたあの頃に見た光」とか。

杉本:原曲はトッドが若い頃の作品だし、ティーンの感情を歌にしたように感じたので、自分がティーンの頃のことを置き換えてみようと思って。あとトッドの歌に出てくる景色は、我々が行ったウッドストックの景色だったというのが混ざってあんな歌詞になった(註:トッド・ラングレン所有のユートピア・サウンド・スタジオはウッドストックにある)。

──それで「ウッドストックは満点の星で/飛び交う蛍/光のスコール」という歌詞が出てくるんですね。

杉本:うん。訳詞は初めてだけど面白かった。全然訳詞にはなってないけどね(笑)。まぁ、俺の訳詞を英語に直したのを送って許可が下りたからセーフだったんだろうけど。直訳ロックの王様だったら100%OKが出るだろうね。英語にしたら同じ歌詞になるから(笑)。

──ちょっと話が逸れてしまうのですが、『KARAKURI HOUSE』の時にトッドから学べたのはどんなことですか。

杉本:当時の我々はまだ未熟で、ちっちゃいことが凄く気になってた。たとえばドラムのキックの位置がちょっとズレたとか、そういうことをいちいち気にして作業が止まったこともあった。だけどトッドは「そんなキックの微妙なズレなんて何の問題があるんだ? そんなことよりも曲の全体像を捉えて聴く人のことを考えろ」って言う。俺たちに対するプロデュースはいい意味でアバウトと言うか、細かいことに気にしない。高野(寛)には相当細かく指示したみたいだけどね。ミックスのやり方も日本なら慎重かつ丁寧にテープを切り貼りするけど、トッドはかなり大雑把だった。だから曲によってはビートが喰ってたりする(笑)。「トッド、ビートが喰ってるよ!」とか言ってもガハハハと笑うだけ。

──意外ですね。トッドと言えばスタジオ偏執狂みたいなイメージがあるので。

杉本:あと印象深いのは音作りだね。自分の考えてるセッティングがあって、音を録るにはこのチャンネルのこのマイクというのを事前に決めてある。録りたい場所はここと決めてる中で鳴ってる音を振り分けるので、卓の上にあるグラフィックイコライザーは一度も動かなかった。もちろんコンプレッサーとかは動かしてたと思うけど、彼がフェーダー以外に卓を動かしてるのを見なかった。あれは新鮮だったし、勉強になったね。

──ライブ会場限定販売だったCDマガジン『ハルメン'94』に収録された「クマモトスカのテーマ」もトッドのプロデュースでしたよね。

杉本:Anarchy in the U.K.」をスカでやったやつね。俺らは全然録る気がなかったんだけど、トッドが「絶対に録れ」って言うからさ。それも彼がニューヨークに戻らなきゃいけない日の朝、あと4時間後にはスタジオを出るという時に「1時間もあれば録れるから、あの曲を録って終わらせよう」って強引に言われてね。

──そんな両者の背景を伺った上で「I Saw the Light」を聴くと、なかなか感慨深いものがありますね。

杉本:トッドには凄く影響を受けたし、彼から教わったことをずっと守りながら今も音楽を作り続けてる。自分にとって師匠なのは間違いない。まぁ、大人になるまでトッドの音楽を聴いたことがなかったんだけどね。それも最初は『A Wizard, a True Star』みたいなイカれたアルバムしか知らなくて。フランク・ザッパを聴くのと同じ感覚だった。ウッドストックのスタジオに行ってからトッドの古いヒットナンバーも好きになったけど。

 

音だけを聴き込んで想像力を掻き立てられた世代

──先ほど少し話が出ましたが、本作のアルバム・タイトルを『PEACE』にしたのはいろいろと窮屈な世の中に対するアンチテーゼみたいなところもあるのでしょうか。

杉本:どうなんだろう。いろいろ混ざってるのかな。まぁ、“PEACE”は好きな言葉ではある。ツアー・タイトルに使ってるくらいだし、曲にもあるくらいだから。『Marking Point』を出した時に「ピース」はリード曲ではなかったけど、ライブをやっていく中でお客さんや一緒にやってるミュージシャン特に大がそうだったんだけど、「『ピース』が好きだ」と言ってくれてね。以前はあまりライブでやらなかったのがいつの間にか毎回のようにやるようになって、いつかベスト的なアイテムを出す時に『PEACE』をタイトルにしようと思ってたんだよね。

──「ずっと変わらない平凡な午後/踏切がまた降りたまま/平凡という平和知らせてる」という歌詞が凄くいいですよね。平凡であることが平和の象徴なんだという。殺伐とした世の中だからなのか、余計にそう感じます。

杉本:「ピース」はお客さんに育ててもらった曲だと思う。ミュージックビデオにならなかった曲でこのライブ・アルバムに入ってるのはだいたいそういう曲だね。

──目下最新作である『think outside the box』の収録曲も育てがいのある曲が多いですね。「時間」や「DaLaLaLa-Ta-Ta-Ta」、「RainSong」といった曲はすでにスタンダードの風格があるし、『think outside the box』にはライブに残りそうな曲が多い気がします。

杉本:そうだね。今のところやりたい曲が多い。ライブ・アルバムには入れなかったけど、「世界本店」や「ズル休み」もやったしね。

──「ズル休み」は配信でも発表されましたけど、ああいう新たな試みをやってみて如何でしたか。

杉本:あんなふうにスピーディーに新曲を出せるのは魅力的だと思ったし、『think outside the box』の予告編として一足早く届けられるのも良かった。俺たちの世代はどうしてもジャケット込みの盤が一番しっくりくるし、こだわりもあるけど、いろんな形で発表できる場を持つのはもはや避けられないしね。そこで何か面白いことをやれるならやったほうがいいんだろうし。あの頃は良かった的な発想になるとそこで止まっちゃうから、それだけは避けたいと思ってる。

──ライブDVDではなくあえてライブ・アルバムを出すというのも一周まわって新鮮ですよね。

杉本:ライブDVDを好きな人は好きだろうけど、死ぬほど見返したみたいな話にはならないしね。今や画と音が一緒になったもののほうが需要はあるのかもしれないけど、俺たちは音だけをじっくりと聴き込んで想像力を掻き立てられた世代だから。

──よくわかります。ちなみに恭一さんが好きだったライブ・アルバムとはどんなものでしたか。

杉本:やっぱりRCサクセションの『RHAPSODY』かな。洋楽だとレッド・ツェッペリンの『THE SONG REMAINS THE SAME』とかディープ・パープルの『LIVE IN JAPAN』とかロックの入門編みたいなやつ。あと、スコーピオンズの『TOKYO TAPES』。そのバンドを知るきっかけとしてライブ・アルバムから入ったことが多かった気がする。当時のライブ・アルバムはいろいろと想像ができて楽しかった。

──今回の『PEACE』のように、ベスト盤みたいに聴けましたよね。代表曲がいくつも入っていてお得だったし。

杉本:ライブ・アルバムはいっぱい曲が入ってて嬉しかったね。そういう当時のライブ・アルバムみたいなものにしたいねとエンジニアのクマ(熊手徹)とも話してる。まだミックスの途中なんだけど。

──やはりMCはほぼカットなんですか。

杉本:うん。残そうと思ってるのはあれくらいかな。「ようこそ『Tail Peace Tour』!」と「有江嘉典の凄いベースを聴いてみよう!」。

──惜しいですね。札幌で阪神タイガースの試合中継をラジオで聞くためだけに現さんとタクシーに乗って無駄に走行した話とか、有江さんが九州の先輩の前では絶対に水割りを呑めなかった話とか、面白いエピソードが満載だったのに(笑)。

杉本:じゃあ、MCだけ配信で売ろうか(笑)。ツアーでは会場ごとに全部違う話をしてるし、回を追うごとにメンバーも悪ふざけをするからね。昔、水戸(華之介)くんに「MCだけ集めて出そうよ」と勧めてたんだけど、俺もとうとうそのレベルまで来たか(笑)。

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杉本恭一&three days ago
PEACE 〜Tail Peace Tour 2019〜

2020年4月8日(水)発売
TECH-30539
¥2,727+税

amazonで購入

【収録曲】
01. Marking Point
02. 電撃
03. ジャンクフード(世界の食卓)
04. 時間
05. DaLaLaLa-Ta-Ta-Ta
06. ピース
07. moon
08. ピーナッツ
09. 月食
10. Composition
11. RainSong
12. 監獄オーケストラ
13. ENCORE
14. RED MONKEY
15. 天国ロックショー
16. ダミーリリック
17. ラオラウ
Bonus track 01. I Saw the Light
Bonus track 02. ピース
*01〜17=『Tail Peace Tour 2019』2019.12.21
*Bonus track 01&02=『アコギな夜2019』2019.7.27

LIVE INFOライブ情報

ライブアルバム『PEACE 〜Tail Peace Tour 2019〜』リリース・ツアー
Three tours 当go(スリー・ツアーズ・アゴー)【開催延期】

出演:杉本恭一&three days ago
4月11日(土)名古屋 ell. SIZE(OPEN 18:00 / START 18:30)
4月12日(日)大阪北堀江 club vijon(OPEN 17:30 / START 18:00)
4月18日(土)下北沢 CLUB251(OPEN 18:30 / START 19:00)
チケット料金:前売¥4,500 / 当日¥5,000(共にドリンク代別・オールスタンディング・全公演共通)
※本ツアーは新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止としまして延期させていただくことになりました。振替公演日及び延期によるチケット払い戻し方法などは詳細が決まり次第発表させていただきます。

ボーカル人生40年記念興行
不死鳥 〜Seventeen〜

出演:水戸華之介(vo)/ 澄田健(g)/ 内田雄一郎(b)/ 田中元尚(ds)/ 澄田啓(key)
ゲスト:杉本恭一 / 吉田一休 / うつみようこ

5月23日(土)渋谷 TSUTAYA O-WEST
OPEN 18:00 / START 19:00
チケット料金:前売¥5,000 / 当日¥5,500(共にドリンク代別)

Rockland VS880-KS vol.42
出演:杉本恭一&three days ago / 双子座カゲキ団(Vo 水戸華之介 / Ba 袴塚徳勝 / P 扇愛奈 / Dr kanna)/ トムくろーず
5月30日(土)下北沢 CLUB251
OPEN 18:30 / START 19:00
チケット料金:前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別・オールスタンディング)

弾き語りツアー
アコギな夜 2020「番外編」

出演:杉本恭一 / 伊東ミキオ
6月27日(土)大阪 POTATO-KID(OPEN 19:00 / START 19:30)
6月28日(日)京都 紫明会館(OPEN 16:30 / START 17:00)
チケット料金:前売¥4,500 / 当日¥5,000(共にドリンク代別・両公演共通)

弾き語りツアー
アコギな夜 2020

出演:杉本恭一
7月4日(土)札幌 BAR STINGRAY(OPEN 18:30 / START 19:00)
7月5日(日)札幌 BAR STINGRAY(OPEN 16:30 / START 17:00)
7月10日(金)仙台 LIVE HOUSE enn 3rd(OPEN 18:30 / START 19:00)
7月11日(土)新潟 Bar mush(OPEN 18:00 / START 18:30)
7月18日(土)名古屋 ell. SIZE(OPEN 18:00 / START 18:30)
7月19日(日)大阪心斎橋 Pangea(OPEN 17:30 / START 18:00)
7月23日(木・祝)熊本 Music Bar ドミナント(OPEN 17:30 / START 18:00)
7月24日(金・祝)福岡 music bar S.O.Ra. Fukuoka(OPEN 17:30 / START 18:00)
7月26日(日)広島 LIVE Cafe Jive(OPEN 16:30 / START 17:00)
8月1日(土)南青山 MANDALA(OPEN 17:30 / START 18:30)
チケット料金:前売¥4,500 / 当日¥5,000(共にドリンク代別・全公演共通)

桜の木の下で2
※3月3日振替公演
出演:MAGUMI AND THE BREATHLESS / 杉本恭一&three days ago / ELE(Vo&Gt 奥村大 / Ba 石川具幸 / Dr 杉野寿之 / Tp 平田直樹)
Special Guest:tatsu

8月16日(日)下北沢 CLUB251
OPEN 18:30 / START 19:00
3月3日公演のチケットをお持ちの方はそのチケットでそのまま入場できますので大切に保管しておいてください。

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